をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

アカデミー賞

2008年02月25日 | 映画
本日はアカデミー賞発表の日。
前評判の高かったコーエン兄弟の「ノーカントリー」が総なめにしたとか。
大金を持ち逃げした男とそれを追う男の物語といった予告編。
まだ観ていないのでなんともいえませんが…。

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ラスト・コーション

2008年02月24日 | 映画
      BFI 51st London Film Festival: Lust, Caution Premiere

映画「ラスト・コーション

アカデミー賞で話題をさらった「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督の話題作、日比谷で観ましたが、大入り満員だった。

とかく宣伝では主演のトニー・レオンタン・ウェイのメイクラブシーンばかり喧伝されているが、むしろ、衣服を着けた2人の抑えた演技の方がなまめかしいから、是非注目。

嘘が実になっていく男と女の駆け引きが、目やしぐさなどで表現されており、特に後半、日本軍お抱えの料亭で、タン・ウェイが唄と踊りをトニーの前で披露するシーンは、2人の関係が敵味方なく愛情で結ばれたことと同時に、悲劇への予感を感じさせるシーンで、この映画の1番の見どころではないだろうか。

とはいえ、この映画ではセックスシーンも主役2人の位置関係の変化が如実に現れており、普通の映画でお飾り的に挿入されるのとは違って大変重要なことは否めない。ただし、そういう場面はほんの一握り、あってもぼかしがらくだのももひきのようで、最初1時間はでてきませんので、宣伝につられてHシーンを目当ての方は見ないほうがよいだろう。

かのシーンについては…。
トニー演じるイーは日本軍と親密なため、常に暗殺の危機にさらされている。劇中、2人の女刺客に狙われたとあるように、女性にも気を許せない。だから、タン演じるマイ夫人ことワン・チアチーとの最初の逢瀬のときには両手を縛り、暴力的に女性が何もできない姿勢でということになるのだろう。別にイーが変な趣味があるとか、サディスティツクな性癖があるのではないのがその後わかる。
その後、何度かからみのシーンがある。当初、男は女の顔が見えないように見えないように片腕で遠ざけるのだけれど、愛情が進むにつれて、正面に向き合って愛を交わせるようになる。その分岐点に、女が枕で男の視野を遮るのですね。男は実は闇が怖い。はじめて女に弱さを見せた。そこから、男は1人の女性として彼女に向き合い、このタイトル「色、戒」の「戒=指輪」へと進んでいくのだ。

指輪について言えば、大事なキーワードなのですが、あんなおばちゃんがするようなゴテゴテの指輪はないだろうと思った。一緒に見に行った人も言っていたし、隣の人も笑ってしまっていたとか。やはり、お国が違うとセンスも違うようで、大事なシーンで「アレッ」と思ってしまった。あと、中国の方は腋毛は剃らないのかなと(仏映画でも見かけますが)。これも大事なシーンで興が…。

サブストーリーでは、主役2人の他に、女をスパイに仕立てていった大学の演劇部の同級生たちというのがいるんだけど、この中のリーダーで、恋人づらをしている男クァンが本当にひどい男なのだ。
対外的には美男で優等生、理想に燃えるリーダーなのだが、自分の好きな女をスパイに仕立てて既婚という形で標的に近づけさすため(処女ではいけないからと)目的のためしょうがないといって、女性経験のある友人に抱かせる(せめて恋人きどりなら自分がすればいいのに)。危険な任務に再び彼女を引き込み、愛していると今更言い、自分は直接関わらないなんて、こんなひどい男がいるだろうかと、世の女性たちは憤るに違いない。とにかくこの人さえいなければ主人公の女性はこんな人生を歩まずに済んだといえるほど最悪な男なのだ。さわやか系ワン・リー・ホンだからこそ余計合っているということか。

個人的にはウォン・カーウァイ監督の「花様年華」の方が、スタイリッシュで何も無いのに濃密な感じがした。でも、トニーの渋さや、タンの媚た目つき、女優らの衣装などから、観てもいい映画の1つではあろう。








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東京マラソン2008

2008年02月17日 | イベント
本日は朝からたたき起こされて、「東京マラソン2008」の応援に行ってきた。
すでに都心はすごい応援者だった。
そこで豊洲方面からゴールの東京ビッグサイトまで、観戦しつつ歩いていくことに。こちらも昨年は1列程度の観戦者が今年は2重3重の列に! しかも旗も売り切れ。(去年は初めてだし寒かったから人が少なかったともいえるが。)


それでも「がんばれー」といいつつ歩いていくのは楽しい。だんだんランナーが一般人たちが多くなり、仮装している人もチラホラ出始めた。
有明まで行くと、あと少しでゴールとはいえ、皆さん坂がきつそうな感じだ。

丁度頂点の交差点のところに、後ろにECO(エコ)と書かれた日本テレビの人力車がいたのだが、スタッフがタバコをスパスパ吸っていた。何がエコだ!喫煙所じゃないぞ、日テレスタッフ、マナー悪いぞ!
と、言いつつ、ゴールへ。

ひな壇になった応援席は満員。みんなここまで来ると、疲れもふっとび嬉しそうだ。
もうすぐ東国原知事が走ってくるとか皆言っていたが、いつ来るかわからないので建物等へ移動。
丁度メインホールで、男子マラソンの表彰式が始まる所だった。1位はスイスの人。石原都知事からメダルを授与されていたが、フォトセッションの時間になると、マスコミだけでなく、ケータイを振りかざしたおば様方が乱入! マスコミ陣もタジタジの一幕。

この建物棟にはメセナ・提供企業のスペースもあり、色々なものをくれたり、東京マラソングッズを販売していたりして、これも楽しかったですな。

はー、見るのも疲れた…。

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巨星墜つ 市川崑監督

2008年02月13日 | 映画
映画監督の市川崑が亡くなった

市川監督といえばいつもたばこを欠かさない姿が目に浮かぶ。
映画の冒頭、大写しの出演者の名前がまるでモンドリアンの絵の様にカクンと途中で直角に折れたオープニングのスタイリッシュさからして、斬新なデザイン性は独特で目をひいた。

そして、初代「犬神家の一族」は当時のスターをずらりと並べた豪華さとともに、今、助清の恐ろしい顔がでるかでないかという、指の間から覗くような恐怖感を映画に持ち込んだ意味で、本当にコワイ印象を受けた。その後、横溝正史の作品はシリーズ化され、TVも含めて数人の金田一耕介を輩出したが、本作と「悪魔の手毬歌」は特に群を抜いていたと思う。

近年では「どら平太」や「犬神」のリメイクなどを撮っていたが、初期の白黒映画「黒い十人の女」という作品が実は必見といえる。


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映画「いのちの食べかた」のバイヤーさんの話

2008年02月10日 | 映画
最近、食の安全が問題となって取り上げられているが、イメージフォーラムなど小さい映画館でロングランになっている「いのちの食べかた」という、まさにタイムリーなドキュメンタリー映画が公開され話題を呼んでいる。

この配給会社エスパース・サロウで実際にこの映画を買い付けた村田さんという人の話を伺うワークショップが、同業のアップリンクという配給会社の主催で木曜夜遅くに開催された。

「いのちの食べかた」は、穀物や家畜がどういう経緯を経て、我々の口に入るかを淡々とドキュメントする映画だが、大量に空から撒かれる農薬や、狭い中に詰め込まれて飼育される家畜など、いろいろ見せておいて、あとは観客が考えるという映画だ。

村田さんによると、ベルリン映画祭で買い付けたそうだが、前評判も何もない時点で、どのようにあまたの映画の中から買い付け作品を選ぶのかが聴けておもしろかった。もちろん、個人では買い付け自体は縁遠い話だが、雑誌の企画や取材相手を見つけることのヒントにもなった。
作品はピンからキリまで。試写で最後まで観ることのできた作品は一応の作品であるということと、言葉を濁していたけれど、語学力が無くては難しいということだ。

あとは売り手を挟んでの競争会社との駆け引きや、買い付けができても、日本の劇場がかけてくれるかわからないという苦労談など。実際この作品は音楽もセリフもないため半年以上いろいろな劇場に断られていたそうだ。

映画、あるいはマスコミを目指す人は、例え自分のジャンルではなくても、こういうワークショップで知識を広げておくとよい。専門知識も必要だが、俯瞰して見れることも大事なのだと思う。
いのちの食べかたHP http://www.espace-sarou.co.jp/inochi/
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