をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

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落語と歌舞伎の競演(さよなら国立劇場)

2022年11月14日 | 歌舞伎
さよなら国立劇場の11月公演は、落語と歌舞伎のコラボレーション!
第1部が春風亭小朝師匠による落語が2席(合間に太神楽あり)と、中村芝翫が座長の歌舞伎「忠臣蔵」という、一粒で2度おいしい構成です。
月曜ですが、しかも歌舞伎座は団十郎襲名披露を行っていますが、こちらもほぼ人は入っていました。

まずは、小朝が一席。でも、歯を直しているのか入れ歯か差し歯にしたのか、どうもさしすせそがきれが悪く、らりるれろが滑って聞こえる。徹子さんなども一時こんなことがありました。
間に太神楽を挟んで2席目。
これは、口が回るようになったのか、話の醍醐味のせいか活舌が良く、聞きごたえがありました。
今回は、歌舞伎・落語とも関わりの深い、中村仲蔵の話がテーマ。落語で仲蔵がどう当たり役をつかんだかを語り、歌舞伎で「忠臣蔵」内のその当たり役の名シーンを観てもらおうという趣向。
よく、国立劇場では歌舞伎鑑賞会を社会人や学生、外国人のために催していますが、その説明部分を普段は歌舞伎役者が行うのですが、落語でやっているような趣向で、これは面白い発想の転換。

ここで休憩。
なんてったって国立劇場ですから、有名な画家の大作がこれでもかと飾ってあります。下手な美術館よりよっぽどよく、ゆっくり見られます。お食事や買い物もいいですね。
来年のカレンダーをちょうど売っていて、歌舞伎の名場面が写真で。国立演芸場の方は先日観た講談の師匠が表紙。え、すごい人なんだと改めて。

さて、休憩から戻ると、小朝だけを見に来た人もいたようで、空席も。目の前が開けてこちらはいいんだけど。
あ、そういえば、枕で「今年、落語界は名人が何人も亡くなって」なんて小三治師匠やら名前を上げていたけれど、圓楽師匠の名は出ませんでした…。

打って変わって歌舞伎の場面。
「忠臣蔵」のお軽と勘平(芝翫)です。
仲蔵が演じた斧定九郎のシーンもあり、イノシシも登場し、勘違いが解けず腹を切り…。
でも後半は話は暗くとも場面は明るく、勘平はコバルトブルーの着物に着替え、お軽も仇っぽい装いです。
最後には四十七士の神崎与五郎ともう一人が出てきて、無事、仇討のためのお金を渡すことができます。

やっぱり年末は忠臣蔵なんだな、という感じがした今日の観劇です。


コメント
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