をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

湖のほとりで (映画)

2009年05月30日 | 映画
映画「湖のほとりで」(LA RAGAZZA DEL LAGO

イタリアのアカデミー賞といわれるダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞を史上最多の10部門受賞し、ヴェネチア映画祭批評家週間2部門を受賞したというこの映画。

イタリアの山あいの小さな村。そこの湖畔に静かに横たわる若い女性の全裸死体。犯人を追う初老の刑事。取調べにあう町の人々。真相は・・・。

というストーリーでしたが、まずこの山あいの景色が美しい。北イタリアのアルプスに近いほうでしょうか。スイス、フランスのアルプスに近いほうに行ったことがありますが、やはりこういう風景でした。
殺人現場の湖で、警察官の発見から捜査している間が同時にかぶさって映し出されるのですが、人間たちは動いているのに、湖に映し出された山々は鏡に映っているように微動だにしないのです。

それから、正確にはミステリーではありません。誰もが家族の悩み、対人の悩みを抱えているということがテーマで、それは初老の刑事さんにもいえることなのです。
だから捜査の合間に、娘との、あるいは妻とのやり取りが入ってくる。そして、刑事さんが町の人々の取調べをしていくと、彼らもまた、秘めた家族に対する思いが暴かれていくというストーリーになっています。

「湖のほとりで」(2007、伊)
監督:アンドレア・モライヨーリ
出演:トニ・セルヴィッロ
7月銀座テアトルシネマにてロードショー


暮らしへ、クラシエ


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名脇役! 山谷初男リサイタル

2009年05月24日 | 芝居小屋
皆さんは山谷初男さんという俳優さんを知っていますか?
名前は知らなくても、顔をみれば「あ~」とわかるはず。よく駐在さんなどのちょいとした役で、東北なまりのある独特の喋りをしながら印象に残る演技をされるあのおじさんです。

その山谷さんの滅多にないリサイタルが下北沢で行われるというので、先日行ってきました。

「私が歌を歌うとシャンソンみたいだって言われるんですよね~」なんて、とぼけた口調のトークの合間に、寺山修司に作ってもらった曲を披露したり、きりえが印象的な絵本「花さか山」の朗読をしたり。
もちろん、寺山修司との交流、アングラ時代のこぼれ話や、ゴールデン街で酔いつぶれていた頃の話、国分寺の小さな居酒屋での話など、知らない相手でも気軽に交流をしていた良き時代のちょっとほかでは聞けない話が多数あり、これは貴重でした。

曲も寺山作詞のものから、「ぼくは3丁目の電柱です」のCMソング、シャンソン…。特に笑えたのが、歯医者さんに扮装して、お客さんを舞台に上げて患者に見立て、診療している間にだんだん奥さんに迫ってしまうという、芝居っ気たっぷりの歌。奥さんが引いていくのが益々おもしろく・・・。

あとは本当の歌とは違い、本人曰く「ちょっとHな」秋田音頭を歌ったのですが、お客さんが合いの手を入れ、何番も歌っていくので途中で口が回らなくなったりしてご愛嬌。

むかーし電車の中で半そでシャツに編み物をしているおじさんが前に座っていて、それが山谷さんだったのですが、昔もおじさんだったけど御年72とか。あれだけ歌えて体も動くのはスゴイ。何度か「お年寄りですから~」ととぼけた声で言っていたのがおかしみを感じさせてくれました。
益々がんばってください!




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「皆味覚が違うのだから、十人が飲んで皆がそこそこ美味しいという
ビールよりも、そのうちの3人が本当に感動するビールを作りたい。」
元キリン「一番搾り」の商品開発プラント責任者で、ドイツミュンヘン
工科大学で醸造を修めたブラウマイスターも口出しできなかったビール
醸造の天才、「山田一巳」が、八ヶ岳山麓の湧水と出会い、10年の歳月
をかけて織り成した、日本酒類コンクール優勝の地ビールとは・・・

八ヶ岳地ビール


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きょうは三社祭

2009年05月17日 | 閑話休題
今日は浅草三社祭に行ってきました。
おととし、神様の社である御輿に人が乗るのことはご神体を踏みつけるに等しい行為であることから禁止されている御輿乗りなのですが、それを繰り返す担ぎ手いたため逮捕者が後を絶たず、昨年はついに宮出しを中止していたという経緯がありました。
今年はお神輿を久々に見ることができるというので、楽しみにして行きました。
曇天強風にもかかわらず、たくさんの人が見守る中、あちらこちらでお神輿やこどもの山車を楽しむことができました。
もちろんルールも守られており、担ぎ手たちの熱気も伝わってきました。どの年代の人もいなせでカッコイイ!
雷おこしを食べつつ浅草を後にしました。

                     

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清志郎永遠なれ!

2009年05月09日 | 音楽礼賛
GW中の5月2日、旅先で1つの訃報を聞いた。
ロッカー忌野清志郎。今日、9日に一般ファンのための告別式が都内・青山で行われる。

清志郎とRCの曲は多感な時期はもちろん、大人になってからも常に傍らにいてくれた。
今思うと、中央線沿線で思春期を送ったものにとって、中央線で育った人たちがメンバーのRCサクセションは特に思い入れ深いバンドだ。そんなわけで、中学の終わりごろ自分もバンドを作ったり、遊びで習ったギターの手習いは「雨上がりの夜空に」のキメの部分の繰り返しだったり、多摩蘭坂や学校などゆかりの場所を友人と訪れたり、RCや清志郎に影響を与えられた。

当時の清志郎はすごくパンクな感じがし、個性が際立っていた。
自分にとってのロックアイドルだったもう1つのバンドがシーナ&ロケッツで、鮎川さんのギターとシーナの迫力ある歌声(叫び?)でクール&ワイルドに決めるカッコよさがあった。
一方、RCはまた別の魅力を持っていて、自分のバンドだけで演奏するだけでなく、Dr.梅津らのホーンセクションの生音とコラボする楽しさを教えてくれ、とってもそれがカッコよく、ちょっと大騒ぎ感もあって笑え、客ともども楽しいライブだった。
きっとこれが自分をサックスをやるようになった素地になったのかもしれない。

大人になってからはあまり曲を聴く機会がなくなったが、いつしか自転車に凝っていてそのエッセイを何度か読んだ。ここでも元気・元気!だったのだが。

残念ながら最後となってしまった武道館は行けなかったけれど、RCの頃からソロになってからも幾度かライブで発散して元気をもらった。「また元気になったから小さい小屋でやるとき行こう」と思っていたのだが、それは夢と消えてしまった…。

自分にとっての最後のライブとなったのは、文京区のシビックホールで、前の方の席だったので、かなり一体感があった。
清志郎が縦横無尽に飛び回りながら歌うので、ホールがライブハウスのように感じ、自分たちも一緒に飛び跳ねている臨場感があったのを覚えている。

昨日、雨上がりの空にとても大きな虹がかかった。それも驚くくらいくっきりと7色の。しばらくしてまた雨にかき消されてしまったが、清志郎が虹の橋をを渡って旅立ったのかな?

相当な闘病生活だったかと思うが、微塵も見せなかった姿勢にも敬意を表したい。
「不世出」のロッカー、清志郎に黙祷。




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ディア・ドクター (映画)

2009年05月02日 | 映画
                      (C)2009『Dear Doctor』製作委員会映画

ディア・ドクター

この作品の監督がロングランで話題となった「ゆれる」の西川美和監督の新作とあって、会場は通路に座る人まででる大賑わい。
期待高しのこの作品は、監督の力量だけでなく、原作の力や役者の奮闘もあり、医療や地方の問題、良心、偽りとはなにか、を観客も一緒に見つめていく点で、幅広い年代の鑑賞に堪えうる作品だと思う。

まずは僻地で働く医師の失踪からはじまり、彼がこの僻地の村でどんな役割を担ってきたかが、研修医として2ヶ月前にやってきた青年を絡めて映し出される。

この医者役の笑福亭鶴瓶がとても良い。TVではお茶の間の人気者だけに、あのニコニコ顔を活かした役なのかと思ったらそうではない。どこかおどおどして、自信なさげで、決しておしゃべり上手でもなく、でも、人々に頼られ拠り所となっている医師なのだ。
対する研修医は瑛太。親も病院経営をしている2世のぼんぼんで、真っ赤なカプリオレを乗り回しているいかにもなやつだが、段々、この医師の姿に医療従事者の原点を見たように思い心酔する。

そして何より素晴らしいのが名女優・八千草薫。やさしいおかあさんや中高年のアイドル的な役回りをよく覚えているのだが、今回は芯の強い母・女性を演じる。特に振り向かずに背中を見せてセリフを言うシーンは秀逸。今の若い女優さんたちにも、ぜひこういう演技を学び取ってほしいと思う。

さて、ストーリーはこの八千草演じる母の娘、東京で勤務医をしている彼女が帰省し、母の病状に疑念を抱く所から急展開する。この医者をしている娘を演じるのが井川遥。以前、単独インタビューをさせていただいたことがあるが、とても聡明な受け答えをされる方で、この役は適役だと思う。

この医者の周囲は薄々分かっていながら彼を支えている人が出てくる。こういう状況を見ながら、ラスト、ほこりを被り散乱した診療所の様子に、果たしてどちらがこの村にはよかったのだろうかと、色々と考えさせられる。
観てじっくり考えてほしい。

オーラス、ニヤッと笑えます。

「ディア・ドクター」
監督:西川美和、出演:笑福亭鶴瓶、瑛太、八千草薫、余貴美子、井川遥、香川照之
6月27日よりシネカノン有楽町1丁目ほか全国ロードショー
公式HP=http://deardoctor.jp/




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