をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

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あの日、欲望の大地で (映画)

2009年08月22日 | 映画
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映画「あの日、欲望の大地で

シャーリーズ・セロンの新作ということで見に行ってきました。
ディオールの宣伝でもおなじみの美しさはもちろん、演技力、そして大作出演はもちろんですが、低予算社会派作品にも意志をもって出演、今回はプロデュースにも関わるなど、当代きっての女優のひとりと思います。

そして監督・脚本は「21g」や「バベル」の脚本家ギジェルモ・アリアガ。両作品を観て、この作品を観ると、2作について監督イニャリトゥよりアリアガの世界が色濃かったのがわかります。
また、小品ながら奥が深かった「メルキアス・エストラーダの3度の埋葬」の脚本家だったと聞いて、益々この人には一貫した作品世界があるなと感じましたね。

別々に起こるさまざまな人間模様がどこかで結びついている。それが一つの出来事を境にして、結びつきの糸が手繰り寄せられていくというパターン。
今回も現在と過去、主人公(現在と若い頃)と主人公の母と主人公の娘、ポートランドとメキシコ。各場面が入り組む手法は変わらず。慣れないうちはアレッと思うかも。

でも、このレストランの支配人を任され生活が安定しているように見える女性が、なぜ私生活はなげやりなのか。ここで惜しげもなく画面に現れるシャーリーズの裸が、「サイダーハウス~」などの美しさと違い、すさんでみえるから不思議。

ここから彼女の娘が現れ、メキシコでの過去、母の不倫が描かれます。
アリアガ監督はメキシコの乾いた情景、北米とは違う格差やそのなかで生きる人々の姿を描くのが巧い。争い、純粋さ、罪を背負って生きる人々を一貫してどの作品でも描いていて、深い味わいになっています。

<ストーリー>
行きずりの情事を繰り返し、孤独を守る謎めいたレストランマネージャー・シルヴィア(シャーリーズ・セロン)。ある日、彼女の元にシルヴィアの娘と名乗る少女マリアが現れた。突然の出会いに激しく動揺するシルヴィアに、国境の町ニューメキシコの荒野での若き日の過ちがよみがえる。かつて、不倫の恋に走った母ジーナ(キム・ベイシンガー)、母と同じ宿命をたどることを恐れ、すべてを捨てて逃げたシルヴィア。灼熱の大地で渇きを満たすように愛を求めた女たちの秘密とは。そして、シルヴィアは一度手放した愛を取り戻せるのか。

2008年/アメリカ映画/英語・スペイン語/カラー/シネスコ/SRD・DTS・SDDS/106分/原題:The Burning Plain
監督・脚本:ギジェルモ・アリアガ(『バベル』『21グラム』脚本)
出演:シャーリーズ・セロン、キム・ベイシンガー、ジェニファー・ローレンス
9月26 日(土)よりBunkamuraル・シネマ銀座テアトルシネマ他にて全国順次ロードショー







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