をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

風林火山 ちょっと中だるみ

2007年04月30日 | TV
昨日の「風林火山」、ちょっとトーンダウン。
自分の面白さのバロメーターとして、何かをしながら見るようになったら、それはつまらなくなってきたと言うことである。

なにがいけないのかなー、と思うと、やはり由布姫役の女優(柴本幸)だろう。山本勘助の人生だけでなく、武田家の命運をも狂わすファムファタルなのに演技が1本調子で・・・。それに、お父さん譲りなのか鼻の穴がでかく、しかもアップで下から撮るのも本人のせいではないとはいえ、残念。
どちらかというと、みつの役の女優(貫地谷しほり)と逆の配役の方がよかったように思う。親の七光り(柴俊夫と真野響子)と言われぬよう、次回以降の芝居に期待する。
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クィーン (映画)

2007年04月22日 | 映画
(C) Granada Screen (2005) Ltd / Pathe Renn Productions SAS / BIM Distribuzione.

クィーン』 The Queen
(2006年 英仏伊合作)

1997年8月31日。ダイアナ元皇太子妃がパリで自動車事故によって急逝した─。
あの事故から10年。本作品は、今まで決して語られることのなかった事故直後の英国王室ロイヤル・ファミリーの混乱、首相になったばかりの若きブレアの行動、そして女王の苦悩と人間性を描いた作品である。同時に、ダイアナの事故直後の7日間のエリザベス女王の"本当の姿"、そしてダイアナとエリザベス女王の間に確実に存在した確執というデリケートな題材を、はじめて描いた作品ともいえる。

映画は1997年5月、イギリス総選挙。今世紀最年少の首相候補として注目を浴びるトニー・ブレアが大勝利を収めたことをからはじまる。"過去300年で最大の憲法の近代化を行う"と公約したブレアが国民に選ばれ、首相として認めなくてはいけない女王の心境は複雑だ。
やがて、女王の承認を得るため、ブレア夫妻が宮殿に向かう際、王室廃止論者のブレア夫人と、改革を掲げながらも王室存続論者のブレア首相の会話シーンが、今のイギリスの考え方を端的に表していて面白い。
また、承認式での女王への挨拶の仕方、発音までの伝統的な作法が示されるのも庶民には知る由もない事柄で一見の価値はある。特に、女王にはお尻を向けてはいけないため、首相夫妻が悪戦苦闘するシーンは思わず笑ってしまう。
そんなコミカルなシーンもつかの間、問題のダイアナ元妃の交通事故のシーンに舞台は移っていく。とかく最近の映画では、実際の映像を盛り込む傾向があるが、今回はダイアナ元妃に関する事故や慈善活動などのシーンはニュースなどの実際の映像が盛り込まれ、記憶を呼び覚ます手助けをしてくれている。
ここから、本作は急速に展開していく。
就任早々、大事件への対処を余儀なくされた首相がとった行動とは。何故エリザベス女王がバッシングを受けながらも沈黙を通し、毅然と信念をつらぬいたか。そして、チャールズ皇太子の思惑、他のロイヤルファミリーの浮世離れした感覚などが交差し・・・。

本作はアカデミー賞最優秀主演女優賞やゴールデングローブ賞主演女優賞、ヴェネチア国際映画祭最優秀主演女優賞をはじめ、各映画祭で数多くの賞を受賞したダイアナ事故死直後の混乱の中で苦悩するエリザベス女王を人間性豊かに演じたヘレン・ミレンが、多くの映画祭で最優秀主演女優賞を受賞している。
1989 『コックと泥棒、その妻と愛人』(ピーター・グリーナウェイ監督)の演技が印象深い彼女だが、年輪を重ね、エリザベス女王という現在実際に王位にある人物という難役を、この年齢・実力だからこそ演じきることができた。
ちなみに、彼女は英国王室より2003年に大英帝国の爵位を授与されている。私生活では、1997年に『レイ』などの監督デイラー・ハックフォードと結婚しており、夫婦ともどもオスカー受賞者となった。
エリザベス女王の威厳や、最終的にはブレア首相と母子のように意思を通じ難局に当たっていく姿を体現できたたことを思えば、やはりヘレン・ミレンなくしては、この映画は成功しなかったように思うのだ。

「クィーン」公式サイト=http://www.queen-movie.jp<シャンテ シネ、新宿武蔵野館、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー >
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Kさんの取材

2007年04月13日 | 編集夜話
本日は夜半、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの取材で稽古場へお邪魔した。
KERAさんといえば、私の学生の頃のカリスマ的存在。もちろん今の演劇人としてではなく、ミュージシャンとして。

取材を終えて・・・。

とてもクレバーな方でした。
過去の話も今、現在の話も、そして自分自身についてもきちんと語ってくださった。お陰で、こちらも一取材者として、変に緊張もせず、熱くもなりすぎずに、クールに様々なことを伺う事ができた。
そして、年を重ねると、年配のお仲間同士で固められることも多いのに、KERAさんの周囲は若い人たちが囲んでいるのだ。決して明るくもお喋り好きでもないこの人の吸引力を垣間見たような気がした。

こういうときこそ、取材者みょうりにつきるなーと思うのである。さーて、本腰入れて執筆するかー。
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映画「バベル」その2

2007年04月09日 | 映画
(C)2006 by Babel Productions, Inc. All Rights Reserved.

バベル

「遠い昔、言葉は一つだった。神に近づこうと人間たちは天まで届く塔を建てようとした。神は怒り、言われた。 “言葉を乱し、世界をバラバラにしよう”。やがてその街は、バベルと呼ばれた」。(旧約聖書 創世記11章)

モロッコで放たれた一発の銃弾から始まるこの物語は、アメリカ、メキシコ、そして日本という3大陸4言語の国境を超え、ブラッド・ピット役所広司といったキャストたちの演じるそれぞれのストーリーを、最終的にはひとつの物語へと導いていく。

別々に見えた話が最後にひとつになるという同じ手法でショーン・ペンベネチオ・デル・トロ出演の「21g」を撮り、高い評価を得たイニャリトゥ監督は、「この映画の原動力となったのは深い思いやり、哀れみといった現代の人間が忘れがちな感情です。現代人はすぐ黒と白をつけたがるが、本当はその中間の繊細な部分、思いやりや哀れみといったものが必要なのだと思います。登場人物たちはみな善人でも悪人でもない。この映画で描かれる事件や悲劇については悪意を持ってしたことではなく、自分の無知や純粋さから起こしてしまったことなのです」。と、記者会見で語った。

イニャリトゥ監督は「アモーレス・ペロス」で東京国際映画祭の賞を受賞したこともあり、日本に縁が深い。今回、舞台のひとつに日本を選んでいるが、中でも大注目を浴びた菊池凛子の演じる聾唖の少女のヒントは、箱根で見た光景なのだという。ひとつは、障害のある娘を介護する老人から感じた孤独感。ひとつは聾唖の少年や少女たちが一生懸命自分を表現しようとしている姿なのだそうだ。

映画の中で菊池凛子の演じる「チエコ」という少女は、そのヒントよりもさらに複雑な感情表現や状況設定が必要な役で、アカデミーノミネートをされたというのもうなずける。東京中を見わたせるような高層住宅に住み、友人と遊び歩き、物質的には恵まれながらも、聾唖や家庭環境のせいで心が死にそうなくらい寂しいがために、驚くような行動で他人の愛を得ようとするチエコ。そのゆがみや悲しみが際立って表現されていく。
電車の中で、彼女の一糸まとわぬ姿を俗っぽく見出しにした雑誌の吊り広告を見かけたが、きちんと映画を観れば、彼女の演じた「受け入れてもらえない者の心の痛み、孤独」の方がはるかに鮮烈に感じるに違いないと思う。

そして、実際の聾唖者を役に据えようとした監督の考えを変えさせた菊池の演技と、自分以外の女優が受かってしまうかもしれない9ヶ月間の待機中、この役のために手話を勉強し続けていたという熱意がなければ、数々の悲劇の中でやっと一握りの希望を感じさせてくれる役所広司とのラストシーンは生まれてこなかったように思うのだ。
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「バベル」公式サイト=http://babel.gyao.jp<全国東宝洋画系で4月28日よりロードショー >PG=12
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疾きこと風の如く、徐なること林の如く・・・「風林火山」その2

2007年04月09日 | TV
本日は東京都知事選にて、少し繰り上がるか10:00から見るか、どちらにしても、「風林火山」の旗がひらめく今夜の回は見逃せないのだ! 
といいつつ、仕事で15分ほど見逃してしまった。丁度、露天風呂に入りながら山本勘助武田晴信(信玄)に「疾きこと風の如く、徐なること林の如く、侵掠すること火の如く、動かざること山の如し」とといている重要シーンだった。(土曜日午後に最初から見ようっと)
もうひとつ見どころは、勘助が宿泊していた家の青年が、晴信の前で孫子の兵法を論じ、誰に習ったと問われて「勘助に」と答え、晴信がにんまりするシーン。その後近習に取り立てられるのだが、人の縁と、それを活かす才覚が見えて面白い。
今日の千葉ちゃんは、殺陣のアクションは無かったが、重厚にうなずくシーンなどがあったな。
先日深夜にやっててビデオしといた「蘇る金狼」は映画館でもビデオでも何回も見たのだが、今日ちょっとだけ見始めたらタイトルロールに千葉真一成田三樹夫の名がありワクワク!今までは松田優作ばかりを見ていて、本当の意味で作品をじっくり見なかったようだ。スマン。
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