[8月29日03:00.天候:曇 埼玉県さいたま市中央区 県立さいたま中央高校]
マモン:「それでは、私はこれを振らせて頂こう!」
マモンはマントの中から、サイコロを10個取り出した。
女子B:「あっ、きったねー!」
女子C:「ちょっと!何でアンタだけ10個も振るの!?」
女子生徒達が当然ながらブーイングを上げる。
だが、マモンはいたって平然としていた。
マモン:「この同意書を見たまえ。どこにもサイコロを振るのに、その数については定めていない。つまり、何個振ろうが実は自由であったのだ!」
麻子:「こんな小さい字、読めないよ!」
マモン:「しかし、読める大きさではある。それにこのサインは、キミ達がしたものだろう?」
麻子:「それはそうだけど……」
女子B:「ちょ……何とかしてよ!?……って、あれ!?あの魔女がいない!」
いつの間にかエレーナの姿が無くなっていた。
もちろん、さっさと帰ったわけではない。
建物の陰に隠れて、様子を見ていたのである。
しかも、手には加熱式タバコ!
エレーナは喫煙者だったのか!?
鈴木と食事に行く時は禁煙席でも全く平気なのに……。
エレーナ:「あいつら全員死亡フラグか。ふうーっ……」(-。-)y-゜゜゜
エレーナが遠目に見ている中、マモンはサイコロを転がした。
各自が1個のサイコロを5回、つまり5個のサイコロを振った中、マモンはその2倍の10個……。
当然ながら、マモンが次々と勝利を収めて行く。
ただ1人を除いて……。
マモン:「ふはははは!私の勝ちだ!」
女子B:「ひ……卑怯者……!」
マモン:「悪魔に正々堂々と勝負を挑むには、それなりの力を持たなければならない!だが、私は生まれてこの方、そのような人間を見たことがない!」
マモンの青白い肌が薄紫色になったような気がした。
圧勝の喜びに気色ばんでいるのだろう。
このようなイカサマ勝利でも、某修羅河童は『創価の勝利だ!功徳〜〜〜〜〜!!』とか言うんだろうなぁ。
マモン:「私の望み!それは……」
このタイミングでエレーナが建物の陰から出て来た。
マモンは次々と勝負に負けた女子生徒の魂を抜いて行く。
女子B:「お、オマエのせいだ!このクソ魔女がぁぁぁぁぁぁっ!!」
Bはエレーナの姿を見つけると、手にしたカッターナイフを手にエレーナに向かって行った。
だが、エレーナは逃げようともしない。
むしろ、Bを哀れむような目で見ていただけだった。
そして、彼女のナイフの切っ先がエレーナに当たる直前、マモンによって魂を抜き取られたのである。
マモン:「クフフフフフ……!大漁、大漁……!」
エレーナ:「そりゃ良かったな」
麻子:「あ……ああ……あああああ……!」
唯一勝利した女子。
それは麻子だった。
彼女だけは約束通り、魂を抜かれずにいた。
マモン:「お前、やるじゃないか!この私に勝利をするとはっ!魔法陣の描き方といい、実際の魔力といい、なかなか素質があるんじゃないのかね!?」
エレーナ:「素質があることはもちろん大事だけれども……」
ジョオオオオ……!(あまりの恐怖体験に失禁する麻子)
エレーナ:「日本人の女はメンタルがこのザマだから使えねーよ」
マモン:「それは残念だ。私の世界には、まだまだ魔道師と契約したくてたまらない者達がゴロゴロいるというのに……」
エレーナ:「誰も低級悪魔と契約しねーよ。それより、だ」
エレーナは麻子の肩を掴んで引き起こした。
一瞬、髪を掴んで引き上げたくなったのだが、それは何とか抑えた。
エレーナ:「とにかくアンタの勝ちだ。おめでとう。私の契約悪魔はこんなアホそうな感じだけれども、高級な部類だから、きっちり約束は守るよ」
マモン:「はっはっはっ!悪かったな、アホで」
エレーナ:「こんな茶番やる時点でアホだろが。……で、願いは何にするの?マジで何でもいいんだよ」
エレーナはここで、ある願いが最高だと思った。
だが、麻子は……。
麻子:「もうイヤです……!殺さないで……!お家に帰して……!」
顔をグシャグシャにして泣きじゃくるだけだった。
エレーナ:「だから、アンタは助かるんだっつの!せっかく命懸けのギャンブルに勝ったんだから、この際どデカく……!」
麻子:「帰りたい……帰りたい……」
マモン:「エレーナ。どうやら、それが願いのようだぞ」
エレーナ:「おい、オマエもいい加減に……」
マモン:「汝の願いは『無事に帰宅すること』で良いか!?」
麻子:「うぅぅ……ヒック……グスン……グスン……」
だが、麻子は泣きじゃくるだけで答えない。
マモン:「返答無きは認むるも同じ。では、願いを叶えてやろう!」
エレーナ:「ついでにサービスで今の記憶も消しとけよ!?アタシもヤバいから!」
マモン:「分かっている!」
こうして、麻子以外の女子生徒5人は台風が接近する中、出勤してきた中島に魂の抜けた死体として発見されることになる。
助かった1人、麻子も記憶が無くなっていたため、何も証言することができなかったのである。
エレーナ:「胸糞悪いからとっとと帰るわ」
エレーナはホウキに跨って、さっさと離陸した。
マモン:「いやあ、面白かったねぇ。他の悪魔仲間にも教えてあげたいくらいだよ」
エレーナ:「勝手にしろ。……『悪魔界のキングボンビー』め」
マモン:「うむ。素晴らしい褒め言葉だ。今後とも、よろしくお願いしますよ?」
エレーナはマモンと引き離すように速度をグングン上げた。
そして……。
エレーナ:「読者の皆さん、分かりましたか?このように、知識だけしかない人間が気軽に悪魔を呼び出したリすると……あのような事態を招きますよ?興味を持つだけならまだしも、くれぐれも安易に儀式は……オススメできません。御用心、御用心……」
上手く締めやがって、この野郎!
マモン:「それでは、私はこれを振らせて頂こう!」
マモンはマントの中から、サイコロを10個取り出した。
女子B:「あっ、きったねー!」
女子C:「ちょっと!何でアンタだけ10個も振るの!?」
女子生徒達が当然ながらブーイングを上げる。
だが、マモンはいたって平然としていた。
マモン:「この同意書を見たまえ。どこにもサイコロを振るのに、その数については定めていない。つまり、何個振ろうが実は自由であったのだ!」
麻子:「こんな小さい字、読めないよ!」
マモン:「しかし、読める大きさではある。それにこのサインは、キミ達がしたものだろう?」
麻子:「それはそうだけど……」
女子B:「ちょ……何とかしてよ!?……って、あれ!?あの魔女がいない!」
いつの間にかエレーナの姿が無くなっていた。
もちろん、さっさと帰ったわけではない。
建物の陰に隠れて、様子を見ていたのである。
しかも、手には加熱式タバコ!
エレーナは喫煙者だったのか!?
鈴木と食事に行く時は禁煙席でも全く平気なのに……。
エレーナ:「あいつら全員死亡フラグか。ふうーっ……」(-。-)y-゜゜゜
エレーナが遠目に見ている中、マモンはサイコロを転がした。
各自が1個のサイコロを5回、つまり5個のサイコロを振った中、マモンはその2倍の10個……。
当然ながら、マモンが次々と勝利を収めて行く。
ただ1人を除いて……。
マモン:「ふはははは!私の勝ちだ!」
女子B:「ひ……卑怯者……!」
マモン:「悪魔に正々堂々と勝負を挑むには、それなりの力を持たなければならない!だが、私は生まれてこの方、そのような人間を見たことがない!」
マモンの青白い肌が薄紫色になったような気がした。
圧勝の喜びに気色ばんでいるのだろう。
マモン:「私の望み!それは……」
このタイミングでエレーナが建物の陰から出て来た。
マモンは次々と勝負に負けた女子生徒の魂を抜いて行く。
女子B:「お、オマエのせいだ!このクソ魔女がぁぁぁぁぁぁっ!!」
Bはエレーナの姿を見つけると、手にしたカッターナイフを手にエレーナに向かって行った。
だが、エレーナは逃げようともしない。
むしろ、Bを哀れむような目で見ていただけだった。
そして、彼女のナイフの切っ先がエレーナに当たる直前、マモンによって魂を抜き取られたのである。
マモン:「クフフフフフ……!大漁、大漁……!」
エレーナ:「そりゃ良かったな」
麻子:「あ……ああ……あああああ……!」
唯一勝利した女子。
それは麻子だった。
彼女だけは約束通り、魂を抜かれずにいた。
マモン:「お前、やるじゃないか!この私に勝利をするとはっ!魔法陣の描き方といい、実際の魔力といい、なかなか素質があるんじゃないのかね!?」
エレーナ:「素質があることはもちろん大事だけれども……」
ジョオオオオ……!(あまりの恐怖体験に失禁する麻子)
エレーナ:「日本人の女はメンタルがこのザマだから使えねーよ」
マモン:「それは残念だ。私の世界には、まだまだ魔道師と契約したくてたまらない者達がゴロゴロいるというのに……」
エレーナ:「誰も低級悪魔と契約しねーよ。それより、だ」
エレーナは麻子の肩を掴んで引き起こした。
一瞬、髪を掴んで引き上げたくなったのだが、それは何とか抑えた。
エレーナ:「とにかくアンタの勝ちだ。おめでとう。私の契約悪魔はこんなアホそうな感じだけれども、高級な部類だから、きっちり約束は守るよ」
マモン:「はっはっはっ!悪かったな、アホで」
エレーナ:「こんな茶番やる時点でアホだろが。……で、願いは何にするの?マジで何でもいいんだよ」
エレーナはここで、ある願いが最高だと思った。
だが、麻子は……。
麻子:「もうイヤです……!殺さないで……!お家に帰して……!」
顔をグシャグシャにして泣きじゃくるだけだった。
エレーナ:「だから、アンタは助かるんだっつの!せっかく命懸けのギャンブルに勝ったんだから、この際どデカく……!」
麻子:「帰りたい……帰りたい……」
マモン:「エレーナ。どうやら、それが願いのようだぞ」
エレーナ:「おい、オマエもいい加減に……」
マモン:「汝の願いは『無事に帰宅すること』で良いか!?」
麻子:「うぅぅ……ヒック……グスン……グスン……」
だが、麻子は泣きじゃくるだけで答えない。
マモン:「返答無きは認むるも同じ。では、願いを叶えてやろう!」
エレーナ:「ついでにサービスで今の記憶も消しとけよ!?アタシもヤバいから!」
マモン:「分かっている!」
こうして、麻子以外の女子生徒5人は台風が接近する中、出勤してきた中島に魂の抜けた死体として発見されることになる。
助かった1人、麻子も記憶が無くなっていたため、何も証言することができなかったのである。
エレーナ:「胸糞悪いからとっとと帰るわ」
エレーナはホウキに跨って、さっさと離陸した。
マモン:「いやあ、面白かったねぇ。他の悪魔仲間にも教えてあげたいくらいだよ」
エレーナ:「勝手にしろ。……『悪魔界のキングボンビー』め」
マモン:「うむ。素晴らしい褒め言葉だ。今後とも、よろしくお願いしますよ?」
エレーナはマモンと引き離すように速度をグングン上げた。
そして……。
エレーナ:「読者の皆さん、分かりましたか?このように、知識だけしかない人間が気軽に悪魔を呼び出したリすると……あのような事態を招きますよ?興味を持つだけならまだしも、くれぐれも安易に儀式は……オススメできません。御用心、御用心……」
上手く締めやがって、この野郎!
それは、「皆を生き返らせてください」または「魂を返してくださいというもの。
そのことは契約書に書いていなかったので、そういう願いをされてもマモンは従わなくてはならない。
日本の妖怪にも、何か人間に約束させてくるような者がたまにいるようで、それは大抵人間側には相当不利な条件になっているのですが、西洋の悪魔との契約内容をよく読んでみると、意外と悪魔側にとっての落とし穴が含まれているようであります。
しかし、麻子のメンタルではそのような殊勝な願いをすることは不可能であり、それでエレーナが「使えねーヤツ」と言い放ったのであります。
因みにラストの部分で、“世にも奇妙な物語”のテーマが頭の中にループしたのは私だけであろうか。
“アウターゾーン”にも狂言回し役の悪魔ミザリィが登場するが、ここではエレーナがその役をやったわけです。