報恩坊の怪しい偽作家!

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“愛原リサの日常” 「1月20日の昼」

2023-10-12 20:17:48 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[1月20日13時00分 天候:晴 東京都台東区上野 東京中央学園上野高校 学食→体育館]

 昼休みになり、リサ達は学食で昼食を取った。
 リサはいつもの通り、肉料理を中心とした定食を注文したが、他のメンバーは軽い物を注文した。
 その理由は、午後イチの授業が体育だからである。
 最近の女子は体育館で、バレーをやることが多かった。
 因みに男子は武道の授業で、体育館とは別にある武道館で剣道の授業である。

 リサ「何だ、皆?それくらいしか食べないの?」
 淀橋「さすがに次の授業がバレーで、激しい運動だからねぇ……。ガッツリ食べたら、胃もたれしてヤバくなるわけですよ」
 小島「そういった意味では、魔王様が羨ましい」
 リサ「おっ?コジマもBOWになる?特異菌分けてあげるよ?」
 レイチェル「リサ。人間をBOWにする行為は禁止です」
 リサ「冗談だって」
 レイチェル「リサの場合、本当にそれができるので、それも監視対象の理由の1つです」
 リサ「わ、分かってるって」

 寄生虫に寄生させる行為もNGだが、証拠が無い。
 毎回毎回、全校生徒や教職員に検便させるわけにはいかないし、リサの使役していた日本版プラーガは、検便の時に限って上手く体内に隠れるからである。
 そして、今も……。

 リサ「レイチェル。早速、ブルマを穿いて授業受けるんでしょ?」
 レイチェル「ジャージの下には穿きますが、さすがに冬は寒いので。東京の冬も結構冷えますね」
 リサ「白人は体温調整の幅が、アジア人や黒人より大きいって聞いたけど?」
 淀橋「東京の冬に慣れるまでの間でしょ。さすがに魔王様のように、半袖体操服にブルマは無理だよ」
 レイチェル「着こなしを上手くすれば、Stylishなパンツだとは思いますが」
 淀橋「えー?そうかな?」
 小島「まあ、ブルマの発祥の地はアメリカだって言うしね」

 但し、提灯ブルマがそうであって、それが何故ピッタリとしたショーツタイプに変化したのかは分かっていない。
 オリンピックで旧ソ連の選手がそういうのを穿いていて、好成績を出したので、日本にもそのタイプが普及したという説もある。

 リサ「愛原先生が飽きるまで、『魔王軍』はわたしを含めてブルマを穿くこと。因みに、夏は旧スクね」
 淀橋「へいへい」
 小島「魔王様に命を助けてくれた恩だから、しょうがないか」

 小島の場合は潰瘍性大腸炎を患っているが、大腸から出血した血液をリサが触手を突き刺して啜ることにより、血便を失禁することが無くなった。
 また、校内で排便中、大量下血により貧血の症状を起こしたが、リサが真っ先に駆け付けてくれたということがあった。
 リサから見れば、たまたま放課後、獲物を物色していたら、トイレから美味しそうな血の匂いがしたので、入ってみたら小島が倒れていたというものだったが。
 淀橋は経血である。

 小島「あのまま誰もいない学校に取り残されていたらと思うと、今でもゾッとする」
 淀橋「さすがに、先生や警備員さんが見つけてくれるでしょ」
 リサ「いや、分からんよ」
 淀橋「えっ?」
 小島「えっ?」
 リサ「あの時はまだ特異菌の胞子が蔓延していた頃だから、皆して『怪奇現象』に遭ってた時期じゃん?それは生徒だけじゃなく、先生や他の職員さんも同じ。幻覚を見て、コジマを見つけられず、夜まで放置していたかもよ?」

 リサはニッと笑って小島を見た。
 第0形態という人間形態でありながら、隠しきれない牙が覗く。

 小島「ひぅ……!」
 レイチェル「特異菌が繁殖していたのは、教育資料館の方だったらしいですね」
 リサ「それも白井のせい。とんでもないよ」
 レイチェル「大変でしたね」

 昼食が終わった後は、体育館に移動して着替え。
 既に体操服は持って来ているので、あとはそこの更衣室で着替えれば良い。

 淀橋「早めに行って着替えられるというメリットはあるけどね」
 小島「確かに」

 その代わり、ネットを設置したりしなければならないのだが。

 小島「こういう時、魔王様は力持ちで頼りになるね」
 リサ「ん」

 リサはネットの支柱を1人で2本も担いで、体育倉庫から出た。

 レイチェル「いいんですか?正体とかバレませんか?」
 淀橋「あー、大丈夫。あれくらいならもう魔王様定期ってことで、みんな慣れてるから」
 レイチェル「慣れてる!?」
 淀橋「大掃除の時も、教壇や教卓を1人で運べるほどだから」
 レイチェル「さすがはBOWですね」
 リサ「どうだ?これでも、わたしを蜂の巣にする気か?」
 レイチェル「まだ攻撃命令は出ていません」

 レイチェルは肩を竦めた。
 そして昼休みが終わり、授業が始まって、バレーボールの授業が始まった。

 レイチェル「Fuu!暑いですね。ちょっと脱ぎまーす」

 残念ながら脱いだのは、上半身のジャージのみで、下のズボンは脱がなかった。
 尚、レイチェルのブルマは女子更衣室での着替えのみである。

[同日14時30分 天候:晴 同学園新校舎3階 音楽室→2年5組]

 リサ「今日は移動教室が多い」
 淀橋「忙しいね。でも、これが終わったら帰れるよ」
 リサ「掃除当番の後でね」

 音楽の授業は……。

 音楽教師「今日はフレデリック・ショパン作曲のピアノ曲、“幻想即興曲”を鑑賞します。感想文を書いて、提出してください」
 淀橋「うわ、体育の後でこれは眠くなる」
 リサ「まあ、数Ⅱや数Bと比べたらマシだと思う」
 小島「あー、まあ確かにね」

 赤点を取ったことのないリサではあるが、けして数学系が得意というわけでもない。
 で、いざこの曲が流れると……。

 リサ「『アリッサー!!』」
 音楽教師「愛原さん、静かに聴きなさい!」

 リサの発言の意味を知っている人は、ゲーマーである。
 尚、リサの感想文は、『殺人鬼が主人公を追い回したり、家の住人を硫酸漬けにして殺すシーンが目に浮かびました』とのことである。

 リサ「ヒャッハー!『硫酸風呂の湯加減はどうだぁーっ!?』」
 淀橋「魔王様?!」
 レイチェル「!? リサ、暴走!?」
 小島「いや、硫酸に入れて溶かしたら、食べれなくなるよ?」
 リサ「……そうだな。というわけで、“クロックタワー3”の殺人鬼はBOWではない」
 レイチェル「リサ、本当に高校生ですか?」
 リサ「見た目だけなら、レイチェルに言われたくない」
 淀橋「まあ、レイチェルなら大学生とかにも見えそうだよね」
 レイチェル「そうですか?親戚のアシュリー・グラハムは、大学生の時もブレザーにプリーツスカートを穿いて通学していたそうですが」
 リサ「アシュリー、親戚かいw」
 音楽教師「次回も有名なピアノ曲を鑑賞し、感想文を書いてもらうという形式にします」
 リサ「今度は何だろう?」

 というわけで本日最後の授業である音楽が終わり、教室に引き上げる。
 帰りのホームルームでは、担任の坂上修一が……。

 坂上「明日は臨時休校分、遅れていた授業を回復する為、登校してもらいます。本来は休みだったわけですが、月曜日が大雪で休みになったので、その埋め合わせです。なので皆さん、間違って休んだりしないように。但し、授業は午前中だけです。あと、食材のフードロス防止の観点から、食堂も臨時営業します。授業が終わってから帰ってもいいですが、食堂で昼食を取ってから帰るというのもオツかと思います。是非ともフードロス防止に御協力を」
 リサ「何で迷わずわたしの方を見るの!?」

 教室内に笑いが起きた。

 リサ「いや、食べるけど!」
 男子生徒A「食べるんかーい!」
 坂上「はい、じゃあ掃除当番の人達はしっかり掃除をしてから帰ってくださいね。以上です」
 週番「きりーつ!……礼!」
 リサ「さよーなら!」

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