報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“大魔道師の弟子” 「帰省4日目」 1

2018-09-16 20:15:54 | ユタと愉快な仲間たちシリーズ
[8月29日02:30.天候:曇 埼玉県さいたま市中央区 稲生家1F客間]

 イリーナ:「ん……」

 ふと、イリーナは夜中に目が覚めた。

 イリーナ:「トイレ……」

 マリアは折り畳みベッド、イリーナはエアーベッドで寝ている。
 どちらもシングルサイズで、来客用である。
 イリーナは半分寝ぼけた状態で、ベッドから床へと足を移動させた。

 ミカエラ:「ふぁ……」

 だが、床の上で寝ていたマリアのメイド人形、ミカエラの体を一瞬踏んづけてしまった。

 イリーナ:「おっとととと!」

 人形形態となり、クラリス同様マリアと同衾しているはずだが、いつの間にか人間形態になってしまっていたようである。

 イリーナ:(あー、びっくりした……)

 そして真っ暗闇な廊下に出る。
 が、人感センサー式のランタン(コンセントに差して使うヤツ)が点灯するので、それで足元は明るくなる。
 その明かりを頼りに、トイレに向かった。
 で、トイレの前に着く。

[同日同時刻 天候:曇 稲生家2F 勇太の部屋]

 稲生勇太:「何だか目が覚めちゃったし、また丑寅勤行でもやるか。丑寅勤行は朝勤行の代わりになるからなぁ……」

 勇太、1度着替えると大石寺の方に向かって正座した。
 初座の勤行では東の方を向いて行うわけだが、最初の御題目三唱は大石寺の方角へ向ける(と、離檀してもまだ覚えてるんだなぁ……)。

 勇太:「それでは謹んで……。コホン。南無妙h……あれ?今、何か聞こえたかな?」

 下の階から何か大きな音が聞こえたような気がした。
 だが、耳を澄ませてみても、何も聞こえない。

 勇太:「気のせいか……?あ、御本尊様、失礼しました。それでは改めまして……南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経」

[同日02:35.天候:曇 稲生家1Fトイレ]

 イリーナ:「〜〜〜〜〜〜〜……!」

 額を押さえ、しゃがみ込むイリーナの姿があった。

 イリーナ:「いきなり開ける人がどこにいるのよ……!!」
 マリア:「I-I’m sorry.」

 マリアが実は先にトイレに入っていた。
 そして、いきなりドアを開け、それがイリーナの頭に当たったのだった。

 イリーナ:「Ah...It’s ok.(あー……。まあ、いいけどさ)」

 ダンテ門内における公用語は英語である。
 ロシア語でもラテン語でもない。

 マリア:(ふぅ……!びっくりしたぁ……!)

 マリアもまた心臓をバクバクさせて客間に戻ったのだった。

 マリア:「ありゃ?ミカエラが人間形態になってる」

 そこでマリア、ミカエラの状態に気づく。
 そして、急いで人形形態に戻した。

 イリーナ:「うーん……。きっと昨夜、SAKEを勧められるがままに飲んだのが悪かったのね」

 イリーナは用を足しながらそう思った。
 そこでふと気づく。

 イリーナ:「あれ?近くで儀式でもやってるのかな?勇太君のブッダへのお祈り……かな?でも何か、いつもと違うような……?んん……?まだSAKEが残ってるのかなぁ……?何か、悪魔の召喚術式に似ているような……?まあいいや」

 イリーナも用を足すと、すぐにトイレを出た。
 そして客間に戻る途中、イリーナとマリアの契約悪魔がこっそり玄関から外に出て行くのを見たのである。

 イリーナ:「んん……?まあ、あのコ達に任せておこう」

[同日07:00.天候:雨 稲生家1F客間]

 ジリリリリリと枕元に置いた目覚まし時計が鳴る。

 マリア:「うーん……」

 手を伸ばして音を止めた。

 マリア:「師匠、朝ですよ。起きてください」
 イリーナ:「うーん……あと5分……」
 マリア:「(良かった。いつもの師匠だ……)ダメですよ。ここは勇太の家なんですから」
 イリーナ:「うーん……しょうがないねぇ……」

 イリーナは大きく伸びをした。
 着ていたバスローブが大きくはだけて、巨乳が露わになる。
 この前、マリアがイリーナのブラのカップサイズを確認したらJらしい。

 勇太:「失礼します!ちょっと確認したいことが!」

 そこへ勇太が飛び込んできた。

 イリーナ:「勇太くん、おはよう!」
 勇太:「わあーっ!?し、失礼しましたーっ!」

 イリーナの巨乳が目の前に現れ、勇太は慌てて出て行ってしまった。

 マリア:「師匠!胸は隠してください!」
 イリーナ:「アタシにとっては小さい子供に見せたくらいの感覚なもんでねぇ……」

 勇太は実年齢20代後半、イリーナは1000歳超え。

 マリア:「そんなの関係無いですから!早いとこ着替えてください」
 イリーナ:「分かったわよぉ……」
 マリア:「私はシャワー浴びて来ますから」
 イリーナ:「それにしても、勇太君、何かあったのかねぇ……?」
 マリア:「予知夢でも見ましたかね。後で私が聞いておきますよ」
 イリーナ:「お願いね」

 マリアはタオルと着替えを手に、2階への階段を上がった。
 やっぱりマリアのお気に入りは1Fの広い浴室ではなく、2Fのシャワールームである。

 マリア:「勇太?ちょっといい?」

 マリアは勇太の部屋をノックした。
 だが、返事が無い。

 マリア:「『返事が無い。次は赤羽のようだ』だったっけ?」

 それを言うなら、『返事が無い。ただの屍のようだ』である。

 マリア:「まあいいや。シャワー浴びよう」

 マリアはシャワールームの前、廊下で全裸になるとすぐに折り戸を開けてシャワーブースに飛び込んだ。

[同日07:30.天候:雨 稲生家1Fダイニング]

 イリーナ:「勇太くーん、さっきはゴメンねぇ」

 いつものワンピースに着替えたイリーナ。
 契約悪魔のシンボルカラーはピンクである為、それに準じた色合いのものを着ている。
 下はロングスカートなのだが、スリットが深めに入っており、すぐに白い太ももが覗いてしまう。
 勇太は1Fにいた。

 勇太:「あ、いえ、こちらこそ、失礼しました……」
 イリーナ:「何かあったの?」
 勇太:「は、はい。実は……」

 勇太が話した内容とは?
 次回へ続く。

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