“ボカロマスター”より。更に続き。
[10:00.南里ロボット研究所 鏡音レン]
何だか、面倒なことになったなぁ……。ボクは研究室に連れて行かれて、由紀奈の机の上にあった本と新聞について聞かれた。
「顕正新聞はともかく、折伏理論書まであるということは、間違いなくあの家は顕正会員の家だ」
と、平賀博士が断言するように言う。
「しゃ、しゃくぶく?!けんしょう……!?す、すいません、博士。漢字変換できません」
「そうなってくると、マズいことになるぞ」
「何でですか?」
「その女の子が飛び降り自殺しようとした原因、顕正会の害毒のせいってこともあるからな」
「は、博士?何を言って……」
「うちの大学でも、顕正会員が他の学生を勧誘して大問題になったことがある。それに……自分は、法華講員でね。見過ごすわけにはいかないんだよ」
「ほ、ホッケこう……??」
「レン。その子に家の案内してくれ」
「え?でも、ボクは謹慎中……」
「自分が許す!早く来い」
「えぇえ……?」
[10:30.市営中吉台団地 鏡音レン]
何だか、今日の平賀博士は怖い。ボク達の整備や新しいソフトウェアをアップデートする時なんか、いつも優しいのに……。南里博士の若い頃も、こんな感じだったんだろうか。
ボクは今、平賀博士の車で団地に向かっている。今日は日曜日だけど、受験生だから塾とかにいるんじゃないのかなぁ?ボクがそう思っていると、
「ほぼ100パーそれはない」
とのこと。何で?
「顕正会員はどんなことでも、活動を最優先させる傾向がある。由紀奈さんはまだ中学生で入会資格は無いはずだが、親が日曜勤行に連れて行ったり、ビデオ放映に連れ出しているはずだ。受験勉強そっちのけでな」
「ええっ!?でも、由紀奈は昨夜、出かけたみたいですよ?」
「あいにくと仙台市内には自宅拠点は無い。泉区在住の顕正会員ですら、遠く離れた太白区富沢の仙台会館に行かざるを得ない」
「あの時間にですか?」
「昨日、仙台会館で19時からビデオ放映があったんだよ」
「あっ!?」
「それからすぐに帰るわけでもなく……夜遅くまで付き合わされて……かわいそうだと思わないか」
「は、はい……」
でもどうして、博士はそんなこと知ってるんだろう?ボクのメモリーには、顕正新聞の一面記事がチラッと映ってただけで、そこにそんなことは書いてなかったと思うけど……。
とにかく、ボク達は団地に着いた。
「この時間じゃ、家にいないかな?」
ボクは博士と一緒に、由紀奈の部屋を訪れた。何度かインターホンを鳴らすが、博士の予想した通り、誰も出ない。
「うん、やっぱりな。仙台会館にいるか、それともどこかで集会やってるかのどっちかだろう」
[10:45.団地管理人室前 鏡音レン]
その後、平賀博士は管理人室を訪れた。年配の管理人のオジさんは平賀博士の質問に、目を丸くしながらも答えてくれた。
「そうですね。池波さん、いつも毎週日曜日は朝早くから留守にしてますよ。帰宅時間ですか?うーん……。ちょっとそれは……。でも私がこの受付に座っている間……20時までなんですけどね、それまでに帰ってくることはないですよ」
「ええっ!?」
ボクは驚いた。
「やっぱりな……」
博士は溜め息をついた。
「ひどい……」
「ご近所の方々から、何か苦情とかは出ていませんか?」
「ちょっと、そういうことは……」
さすがの管理人さんも難しい顔をした。
「誰にも口外しませんよ」
と博士は言うが、それでも渋る。今はプライバシー保護とか厳しいからな。と、その時だった。
「あの、ちょっといいですか?」
と、中年のオバさんが割って入る。
「は?」
「管理人さん!またですよ!池波さんったら、またこの宗教の本をうちのポストに!」
「あっ、うちも一昨日やられた」
思い出したかのように、エントランス前を掃除していた自治会員と思しきオジさんも言ってくる。
「何だかこの1号棟から苦情が出たからなんだか知らないけど、今度は2号棟とか3号棟とかでもやってるみたいですよ」
「ひどいな……」
「ええ」
「うちのお寺みたいに、三門前でリーフレット配り程度にしておけばいいものを……。すいません、そのポスティングされたものって何ですか?」
博士は苦情を言いにきたオバさんに聞いた。
「これよ。全く。気味悪いったらありゃしない」
オバさんが封筒から出したものは、タイトルからして物騒なものだった。
『日本は必ず滅ぶ』
なんて……。
「うわ……」
平賀博士は眉を潜めていた。
「ちょっとこれ、頂いちゃってもいいですか?」
「どうぞどうぞ。何なら、『ケンセイ新聞』?っていうの?そんなのも入れられたから、持って行きます?」
「人が嫌がってるのに、何度もポスティングしたらマズいだろうに……」
博士は嫌悪感を露わにしていた。一体、顕正会って何なんだろう?そもそも博士って、何者?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
リメイク前の設定から持ってきたボツネタです。リメイク前の作品を書いていた時は、今よりもっと熱心な法華講員だったもんで、平賀が熱心な法華講員、敷島も脱講中の元講員という設定でした。で、顕正会をさんざんコキ降ろしていたという……。
リメイク後の作品は作者が脱講中だったもんだから、全員が無宗教で、顕正会も出てきません。
[10:00.南里ロボット研究所 鏡音レン]
何だか、面倒なことになったなぁ……。ボクは研究室に連れて行かれて、由紀奈の机の上にあった本と新聞について聞かれた。
「顕正新聞はともかく、折伏理論書まであるということは、間違いなくあの家は顕正会員の家だ」
と、平賀博士が断言するように言う。
「しゃ、しゃくぶく?!けんしょう……!?す、すいません、博士。漢字変換できません」
「そうなってくると、マズいことになるぞ」
「何でですか?」
「その女の子が飛び降り自殺しようとした原因、顕正会の害毒のせいってこともあるからな」
「は、博士?何を言って……」
「うちの大学でも、顕正会員が他の学生を勧誘して大問題になったことがある。それに……自分は、法華講員でね。見過ごすわけにはいかないんだよ」
「ほ、ホッケこう……??」
「レン。その子に家の案内してくれ」
「え?でも、ボクは謹慎中……」
「自分が許す!早く来い」
「えぇえ……?」
[10:30.市営中吉台団地 鏡音レン]
何だか、今日の平賀博士は怖い。ボク達の整備や新しいソフトウェアをアップデートする時なんか、いつも優しいのに……。南里博士の若い頃も、こんな感じだったんだろうか。
ボクは今、平賀博士の車で団地に向かっている。今日は日曜日だけど、受験生だから塾とかにいるんじゃないのかなぁ?ボクがそう思っていると、
「ほぼ100パーそれはない」
とのこと。何で?
「顕正会員はどんなことでも、活動を最優先させる傾向がある。由紀奈さんはまだ中学生で入会資格は無いはずだが、親が日曜勤行に連れて行ったり、ビデオ放映に連れ出しているはずだ。受験勉強そっちのけでな」
「ええっ!?でも、由紀奈は昨夜、出かけたみたいですよ?」
「あいにくと仙台市内には自宅拠点は無い。泉区在住の顕正会員ですら、遠く離れた太白区富沢の仙台会館に行かざるを得ない」
「あの時間にですか?」
「昨日、仙台会館で19時からビデオ放映があったんだよ」
「あっ!?」
「それからすぐに帰るわけでもなく……夜遅くまで付き合わされて……かわいそうだと思わないか」
「は、はい……」
でもどうして、博士はそんなこと知ってるんだろう?ボクのメモリーには、顕正新聞の一面記事がチラッと映ってただけで、そこにそんなことは書いてなかったと思うけど……。
とにかく、ボク達は団地に着いた。
「この時間じゃ、家にいないかな?」
ボクは博士と一緒に、由紀奈の部屋を訪れた。何度かインターホンを鳴らすが、博士の予想した通り、誰も出ない。
「うん、やっぱりな。仙台会館にいるか、それともどこかで集会やってるかのどっちかだろう」
[10:45.団地管理人室前 鏡音レン]
その後、平賀博士は管理人室を訪れた。年配の管理人のオジさんは平賀博士の質問に、目を丸くしながらも答えてくれた。
「そうですね。池波さん、いつも毎週日曜日は朝早くから留守にしてますよ。帰宅時間ですか?うーん……。ちょっとそれは……。でも私がこの受付に座っている間……20時までなんですけどね、それまでに帰ってくることはないですよ」
「ええっ!?」
ボクは驚いた。
「やっぱりな……」
博士は溜め息をついた。
「ひどい……」
「ご近所の方々から、何か苦情とかは出ていませんか?」
「ちょっと、そういうことは……」
さすがの管理人さんも難しい顔をした。
「誰にも口外しませんよ」
と博士は言うが、それでも渋る。今はプライバシー保護とか厳しいからな。と、その時だった。
「あの、ちょっといいですか?」
と、中年のオバさんが割って入る。
「は?」
「管理人さん!またですよ!池波さんったら、またこの宗教の本をうちのポストに!」
「あっ、うちも一昨日やられた」
思い出したかのように、エントランス前を掃除していた自治会員と思しきオジさんも言ってくる。
「何だかこの1号棟から苦情が出たからなんだか知らないけど、今度は2号棟とか3号棟とかでもやってるみたいですよ」
「ひどいな……」
「ええ」
「うちのお寺みたいに、三門前でリーフレット配り程度にしておけばいいものを……。すいません、そのポスティングされたものって何ですか?」
博士は苦情を言いにきたオバさんに聞いた。
「これよ。全く。気味悪いったらありゃしない」
オバさんが封筒から出したものは、タイトルからして物騒なものだった。
『日本は必ず滅ぶ』
なんて……。
「うわ……」
平賀博士は眉を潜めていた。
「ちょっとこれ、頂いちゃってもいいですか?」
「どうぞどうぞ。何なら、『ケンセイ新聞』?っていうの?そんなのも入れられたから、持って行きます?」
「人が嫌がってるのに、何度もポスティングしたらマズいだろうに……」
博士は嫌悪感を露わにしていた。一体、顕正会って何なんだろう?そもそも博士って、何者?
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リメイク前の設定から持ってきたボツネタです。リメイク前の作品を書いていた時は、今よりもっと熱心な法華講員だったもんで、平賀が熱心な法華講員、敷島も脱講中の元講員という設定でした。で、顕正会をさんざんコキ降ろしていたという……。
リメイク後の作品は作者が脱講中だったもんだから、全員が無宗教で、顕正会も出てきません。
しかしチャリで調布なんて偉く遠出ですね。
で、そこでも修羅界剥き出しとは……。何ともまあやれやれ……┐('~`;)┌
京王線・調布駅。つい最近までここはクソ駅であった。何がクソなのか……?
まず、ホームが狭かった。2面4線の地上ホームだったのだが、主要駅としては情けないくらい狭かった。しかも島式ホームなので客は安全な中央部に密集し、ウザかったorz
そして、電車がなかなか発車しなかった。これは、本線と相模原線が平面交差していたので待避時間が長くなっていたからである。当然、開かずの踏切の元凶であったorz
だが、現在の調布は違う。スタイリッシュな地下駅へと新生したのだ。ホームドア設置など、今までのさまざまな問題点をクリアするに至った。
では、地上駅の跡地はどうなったのか?なかなか広い敷地だが……?
正解は、なんにもね~であるw
とりあえず地ならし工事そこそこに放置されていたが、どう活用するのか不明だ。俺としては京王博物館を建てて欲しい。それか競輪博物館だな。調布は競輪の街だしw
さて、京王閣ではオールスター最終日。今日(日付かわって昨日)はプラス13140円。これでオールスター5日間のトータルはプラス19190円。酒がウマ~だぜw
優勝は輪界のボス、地元東京の人気者、後閑信一であった。プロレスで言えば藤原組長、顕正で言えばトミーのようなキャラである。しかし、ボスの目には涙。苦労の末の7年ぶりのG1制覇と、後閑コールの大合唱に感きわまったようだ……
と、感動的なシーンの筈が、それを台無しにするのが競輪場のクソジジイである……
「さっさと帰れバカヤロ~!」
後閑を買ってなかったジジイのヤジである。オマエがさっさと帰ればいいんだが、しかし帰らない。景品投げを待っているのだ。だが、あいにく、景品投げは中止。こういうクソジジイが奪い合ってケンカして怪我人が出たからであるw