“ボカロマスター”より。 ケンショーコキ下ろし……?
[12:00.南里ロボット研究所 敷島孝夫]
どーれ。昼休みの時間だ。本当はバック・オフィスである事務員は日曜日は休みなのだが、ボーカロイド・プロデューサーなんか始めちゃったせいで、休めなくなってしまった。今日は赤月先生が、ミクとルカの仕事に付き添ってもらっている。平賀先生がいる間は七海がいてくれるので、彼女に事務作業は任せてもいい。メイドロボのはずなのだが、ここ最近は事務作業ロボットとしてのイメージが強い。実際、率なくこなしてくれるし。
「敷島さん。お昼ごはん、何にしますか?」
「そうだなぁ……。それより、平賀先生はいつ戻ってくるんだ?はっきり言って、謹慎中のレンを勝手に連れ出したりしたらマズいだろ?」
「南里博士とエミリーが出かけていて良かったですね」
そう。所長とエミリーは財団事務所に行ってしまった。おおかた、昼食会でもやっているのだろう。もしいたら、さすがの所長も平賀先生の勝手な行動に怒っていたんじゃないかな?それとも、もう付き合いも長いから呆れて苦笑いか?
「ミートソース・パスタなんかどうでしょう?」
「お、いいね。頼むよ」
「はい」
七海は席を立って、台所へ向かった。
「あっ、そうだ。12時から、MEIKOとKAITOがラジオに出るんだった」
私はスマホのアプリで、ラジオを点けた。
〔ポロロロン♪「そうか~♪がっかい~♪」〕
「! びっくりした、CMか!……真っ昼間に宗教のCMかよ……」
私はチャンネルを変えた。
〔「せいきょうしんぶん♪」〕
「んっ!?」
[同時刻 市営中吉台団地入口付近・車中 鏡音レン]
〔「……あなたのあしたをあたらしく」「そうか~♪がっかい~♪」〕
ボクは平賀博士の車の中にいる。ラジオから聴こえて来た、よく分からないCMが流れてくると、途端に博士の機嫌が悪くなった。
「博士、ボクのお使い、お役に立てませんでしたか?」
ボクが聞くと、アンパンをかじる博士は潜めた眉を元に戻した。
「いや、いいんだよ。アンパンと牛乳なんて、ベタ過ぎるチョイスだ」
「前にリンが、『張り込みの基本はこれだー!』って言ってたものですから……」
「やっぱりな」
平賀博士は納得してくれたようだ。但し、仕方なくといった感じだったが。
そう、ボク達は今、張り込みをしている。最初、顕正会仙台会館に行こうという話もあったのだが、入れ違いになると面倒だし、とっくに朝の勤行や浅井会長なる教祖の指導もとっくに終わってるだろうから、ここで待つことにしたのだ。
「レン、ここ最近、仕事の方は順調だそうじゃないか」
牛乳を飲み干した先生が、仕事のことについて聞いてきた。
「敷島さんから聞いたぞ」
「あ、はい。おかげさまで」
「でも、逆にリンと一緒に仕事をする機会は減ったそうだな?」
「ええ。まあ、しょうがないです。本当はリンと一緒に仕事したいけど、リンも単独でレギュラーの仕事とっちゃったですし……」
「健気だな。実は自分も本当はリンとレン、2人で一ユニットだと思ってる」
「えっ?」
「まあ、自分はただの研究者で、プロデューサーじゃないから何とも言えないんだけど……」
その時、ボクは博士の言葉を遮った。
「博士、来ましたよ!」
由紀奈を乗せた、白い軽乗用車が団地内に入って行くのをボクは見つけたからだ。
「よし、行くぞ!」
博士は急いで車を動かし、団地の中へハンドルを切った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
地方のAM局じゃ、昼間でも創価学会や聖教新聞のCMをやってることがある。
「少しは仏法の話をせんかい!」
とは、私の顕正会入信当初の上長の言。創価学会のCMを聴いて、全力で突っ込んでいたのを今でも覚えている。
[12:00.南里ロボット研究所 敷島孝夫]
どーれ。昼休みの時間だ。本当はバック・オフィスである事務員は日曜日は休みなのだが、ボーカロイド・プロデューサーなんか始めちゃったせいで、休めなくなってしまった。今日は赤月先生が、ミクとルカの仕事に付き添ってもらっている。平賀先生がいる間は七海がいてくれるので、彼女に事務作業は任せてもいい。メイドロボのはずなのだが、ここ最近は事務作業ロボットとしてのイメージが強い。実際、率なくこなしてくれるし。
「敷島さん。お昼ごはん、何にしますか?」
「そうだなぁ……。それより、平賀先生はいつ戻ってくるんだ?はっきり言って、謹慎中のレンを勝手に連れ出したりしたらマズいだろ?」
「南里博士とエミリーが出かけていて良かったですね」
そう。所長とエミリーは財団事務所に行ってしまった。おおかた、昼食会でもやっているのだろう。もしいたら、さすがの所長も平賀先生の勝手な行動に怒っていたんじゃないかな?それとも、もう付き合いも長いから呆れて苦笑いか?
「ミートソース・パスタなんかどうでしょう?」
「お、いいね。頼むよ」
「はい」
七海は席を立って、台所へ向かった。
「あっ、そうだ。12時から、MEIKOとKAITOがラジオに出るんだった」
私はスマホのアプリで、ラジオを点けた。
〔ポロロロン♪「そうか~♪がっかい~♪」〕
「! びっくりした、CMか!……真っ昼間に宗教のCMかよ……」
私はチャンネルを変えた。
〔「せいきょうしんぶん♪」〕
「んっ!?」
[同時刻 市営中吉台団地入口付近・車中 鏡音レン]
〔「……あなたのあしたをあたらしく」「そうか~♪がっかい~♪」〕
ボクは平賀博士の車の中にいる。ラジオから聴こえて来た、よく分からないCMが流れてくると、途端に博士の機嫌が悪くなった。
「博士、ボクのお使い、お役に立てませんでしたか?」
ボクが聞くと、アンパンをかじる博士は潜めた眉を元に戻した。
「いや、いいんだよ。アンパンと牛乳なんて、ベタ過ぎるチョイスだ」
「前にリンが、『張り込みの基本はこれだー!』って言ってたものですから……」
「やっぱりな」
平賀博士は納得してくれたようだ。但し、仕方なくといった感じだったが。
そう、ボク達は今、張り込みをしている。最初、顕正会仙台会館に行こうという話もあったのだが、入れ違いになると面倒だし、とっくに朝の勤行や浅井会長なる教祖の指導もとっくに終わってるだろうから、ここで待つことにしたのだ。
「レン、ここ最近、仕事の方は順調だそうじゃないか」
牛乳を飲み干した先生が、仕事のことについて聞いてきた。
「敷島さんから聞いたぞ」
「あ、はい。おかげさまで」
「でも、逆にリンと一緒に仕事をする機会は減ったそうだな?」
「ええ。まあ、しょうがないです。本当はリンと一緒に仕事したいけど、リンも単独でレギュラーの仕事とっちゃったですし……」
「健気だな。実は自分も本当はリンとレン、2人で一ユニットだと思ってる」
「えっ?」
「まあ、自分はただの研究者で、プロデューサーじゃないから何とも言えないんだけど……」
その時、ボクは博士の言葉を遮った。
「博士、来ましたよ!」
由紀奈を乗せた、白い軽乗用車が団地内に入って行くのをボクは見つけたからだ。
「よし、行くぞ!」
博士は急いで車を動かし、団地の中へハンドルを切った。
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地方のAM局じゃ、昼間でも創価学会や聖教新聞のCMをやってることがある。
「少しは仏法の話をせんかい!」
とは、私の顕正会入信当初の上長の言。創価学会のCMを聴いて、全力で突っ込んでいたのを今でも覚えている。
餅つきウサギも競輪選手に見えてきた(ウサギの耳の部分が選手のふくらはぎ)。酔っぱらったのか、チャリ中毒なのかw
ご心配いりませんよ。私なんざ、月というだけで、“セーラームーン”を思い浮かべるくらいですからww