[6月30日11:35.天候:曇 埼玉県蕨市 JR蕨駅→川口市 稲生家]
〔まもなく蕨、蕨。お出口は、右側です〕
〔The next station is Warabi.JK41.The doors on the right side will open.〕
大宮駅から凡そ15分ほどで、稲生勇太の新しい実家の最寄り駅に到着する。
実家の所在地が川口市なのに、最寄り駅が蕨市の蕨駅とは不思議なものだが、これは蕨市が『日本一、面積の狭い市』であり、しかも駅がその中において東側に偏っている故に起こり得ることである。
実際、蕨駅東口から100mくらい歩くと、もう川口市なのである。
稲生勇太:「じゃあ、降りようか」
マリア:「もう着いた?」
電車がホームに滑り込む。
〔わらび、蕨。ご乗車、ありがとうございます。次は、西川口に止まります〕
電車を降りると、密閉された新幹線から降りた時ほどではないが、やっぱり湿気の多い熱気が2人を襲った。
勇太:「ゲリラ豪雨、降るかなぁ?」
マリア:「気になるなら、後で私が占おうか?」
勇太:「手が空いてる時でいいよ。あくまでも、優先するのは人形の服を作ることだから」
マリア:「その前にシャワー使わせて。さすがに汗が気になる。日本の夏は、少し歩いただけですぐ汗かくね」
勇太:「高温多湿だからね。イギリスは違うの?」
マリア:「スコットランドや北アイルランドは涼しいだろうね。イングランドも、ここほどじゃない。暑い時は暑いけど、カラッとしてるから。雨が降る時くらいかな、湿気があるのは。日本は雨が降らなくても、ジメッとしてるでしょ?」
勇太:「確かに」
マリア:「ん?もしかして、この地域にアジア系と中東系しかいないのはそのせい?」
勇太:「いや、そんなことは無いと思うけど……」
気候のせいではない。
マリア:「ああ。夕方、スコールだわ」
勇太:「分かるの?」
マリア:「今、パッと頭に浮かんだ。多分当たる」
勇太:「おお!」
ゲリラ豪雨のことは、既に英語のSquallが充てられているという。
稲生:「ただいまぁ」
玄関の鍵をカードキーで開ける。
稲生佳子:「お帰りなさい。今、ピザ注文したところだから、着くまで待って」
勇太:「ピザ頼んだんだ。何のピザ?」
佳子:「マルゲリータにしたけど……」
勇太:「マリア。今日のお昼はピザ・マルゲリータらしいよ」
マリア:「ああ、分かった。最近、屋敷では食べてないからちょうどいい」
勇太:「そういえばパスタは出るのに、ピザが出ないね」
マリア:「オーブンの調子が悪いらしい」
勇太:「ピザって、普通のオーブンでいいのかな?」
佳子:「いいんじゃない?家電量販店じゃ、いい値段で売ってるわよ」
勇太:「そうなんだ」
マリア:「どうしても直りそうに無いなら、師匠に頼んで新しいのを買ってもらうさ。カードならあるし」
勇太:「要はそのカードの使用許可か……」
マリア:「その前にシャワー使いたいンですけど、いいですカ?」
マリアは自動通訳魔法を解除し、自分で覚えた日本語で佳子に聞いた。
佳子:「ええ、いいわよ。タオルなら、脱衣所にあるのを使っていいから」
マリア:「ありがとうございます。でも、3階のシャワールームを使いたいです」
佳子:「あそこでいいの?」
勇太:「マリア、そこが気に入ってるんだよ」
勇太はマリアと一緒にホームエレベーターに乗った。
勇太:「僕はマリアの匂い、好きなんだけどな……」
マリア:「汗臭いの、嫌でしょ?」
勇太:「そんなことないよ」
マリア:「勇太は良くても、私はベトベトしているからあまり好きじゃない」
勇太:「そうか……」
マリア:「まあ、今度の『サバト』で、一緒にプール入ってあげるから」
勇太:「楽しみだよ!……他に誰か来るかね?」
マリア:「私が全部断っておく!」
勇太:「そ、そう?」
マリア:「師匠ですら入らせない!」
勇太:「す、凄いな」
〔ピンポーン♪ 3階です〕
〔下に参ります〕
勇太:「じゃあ、ごゆっくりどうぞ」
マリア:「ありがとう」
[同日13:00.天候:曇 同市内 稲生家1F]
佳子:「お人形さん、無事見つかって良かったわね。あのミシン、使っていいからね」
マリア:「ありがとうございます」
勇太:「使うなら、部屋まで運ぶよ」
マリア:「ありがとう」
昼食が終わって、早速マリアは人形の服作りに取り掛かることになった。
もう1度エレベーターに乗って3階に上がる。
3階には勇太の自室があるが、その隣に余っている部屋がある。
実質的にマリアが泊まりに来た際に使う部屋に充てられていた(客間は別にある)。
勇太:「それじゃ、僕は隣の部屋にいるから、何かあったら呼んで」
マリア:「分かった」
勇太は自分の部屋に入った。
さすがにマリアの屋敷の部屋と違って、室内にトイレやら洗面所やらが付いているわけではない。
6畳くらいの広さがある。
8畳くらいの広さがあるマリアの屋敷の部屋と比べれば、広さは劣る。
しかし、年に数回しか帰らない部屋なので、これでいいだろう。
持って来たノートPCを開いてネットに接続するが、時折隣の部屋からミシンのモーター音が聞こえて来る。
早速始めたようだ。
こうなると、マリアの集中力は強い。
勇太:「さて、僕は屋敷まで帰る計画だ。帰りはどうしようかな……」
勇太はPCで帰りの交通手段を考えた。
勇太:「電車かバスだな。1番いいのは……」
[同日19:00.天候:晴 同市内 稲生家→ファミリーマート川口芝新町店]
夕食を終えた勇太は、散歩がてらコンビニに行くことにした。
勇太:「実は帰りの交通手段、夜行バスが予約できたんだ。これで帰ろうと思う」
マリア:「前にも乗ったことのあるバスだね」
勇太:「そう。コンビニで発券できるから、今しておこうと思って」
マリア:「なるほど」
家の外に出ると、地面が濡れていた。
マリアの予知通り、夕方にゲリラ豪雨が降って来たのである。
雨は17時頃から18頃まで、雷付きで1時間ほど激しく降った。
今は雨は上がっていて、雲間から月が見えるほどまでになっている。
雨が降ったおかげで、昼間より暑さは和らいだ感じはしたが、それでもまだ蒸し暑いことに変わりはなかった。
勇太:「買いたいものがあったら、ついでに買うといいよ」
マリア:「分かった」
店の中に入ると、勇太はまずFamiポートに向かった。
そこで予約した高速バスのチケットを発券する操作をする。
実際はこの機械で直接発券できるのではなく、伝票を発券するだけである。
マリアは勇太が端末を操作している間、生理用品や化粧水などを購入した。
マリア:(私はこれでいいか……。ん?)
勇太は端末で予約票を発行したのだが、ついでに何か買い物があったようだ。
何故かコソコソしていたので、マリアは見て見ぬフリをしながら見ていたが、勇太が買ったのはコンドームだった。
マリア:(そうか……。じゃあ、急いで完成させなきゃ)
で、店から出てまた家へと向かう。
勇太:「向こうには朝早く着くから、先生起こさないようにしないと……」
マリア:「大丈夫だよ。師匠は、ちょっとやそっとのことじゃ起きないから」
勇太:「そうかね」
マリア:「帰ったら、また作業の続きをしなきゃ」
勇太:「まだやるの?」
マリア:「このペースで行けば、明日には1着完成すると思う」
勇太:「早いね!?」
マリア:「人形サイズの大きさだし、デザインはもう決まってるから。あとは、もう1着だね。出発は土曜日の夜?」
勇太:「そう」
マリア:「分かった。帰るまでにゆっくりできる時間が取れるようにするね」
勇太:「ありがとう」
勇太はマリアの手を握った。
そして、手つなぎのまま2人は稲生家へと戻って行った。
〔まもなく蕨、蕨。お出口は、右側です〕
〔The next station is Warabi.JK41.The doors on the right side will open.〕
大宮駅から凡そ15分ほどで、稲生勇太の新しい実家の最寄り駅に到着する。
実家の所在地が川口市なのに、最寄り駅が蕨市の蕨駅とは不思議なものだが、これは蕨市が『日本一、面積の狭い市』であり、しかも駅がその中において東側に偏っている故に起こり得ることである。
実際、蕨駅東口から100mくらい歩くと、もう川口市なのである。
稲生勇太:「じゃあ、降りようか」
マリア:「もう着いた?」
電車がホームに滑り込む。
〔わらび、蕨。ご乗車、ありがとうございます。次は、西川口に止まります〕
電車を降りると、密閉された新幹線から降りた時ほどではないが、やっぱり湿気の多い熱気が2人を襲った。
勇太:「ゲリラ豪雨、降るかなぁ?」
マリア:「気になるなら、後で私が占おうか?」
勇太:「手が空いてる時でいいよ。あくまでも、優先するのは人形の服を作ることだから」
マリア:「その前にシャワー使わせて。さすがに汗が気になる。日本の夏は、少し歩いただけですぐ汗かくね」
勇太:「高温多湿だからね。イギリスは違うの?」
マリア:「スコットランドや北アイルランドは涼しいだろうね。イングランドも、ここほどじゃない。暑い時は暑いけど、カラッとしてるから。雨が降る時くらいかな、湿気があるのは。日本は雨が降らなくても、ジメッとしてるでしょ?」
勇太:「確かに」
マリア:「ん?もしかして、この地域にアジア系と中東系しかいないのはそのせい?」
勇太:「いや、そんなことは無いと思うけど……」
気候のせいではない。
マリア:「ああ。夕方、スコールだわ」
勇太:「分かるの?」
マリア:「今、パッと頭に浮かんだ。多分当たる」
勇太:「おお!」
ゲリラ豪雨のことは、既に英語のSquallが充てられているという。
稲生:「ただいまぁ」
玄関の鍵をカードキーで開ける。
稲生佳子:「お帰りなさい。今、ピザ注文したところだから、着くまで待って」
勇太:「ピザ頼んだんだ。何のピザ?」
佳子:「マルゲリータにしたけど……」
勇太:「マリア。今日のお昼はピザ・マルゲリータらしいよ」
マリア:「ああ、分かった。最近、屋敷では食べてないからちょうどいい」
勇太:「そういえばパスタは出るのに、ピザが出ないね」
マリア:「オーブンの調子が悪いらしい」
勇太:「ピザって、普通のオーブンでいいのかな?」
佳子:「いいんじゃない?家電量販店じゃ、いい値段で売ってるわよ」
勇太:「そうなんだ」
マリア:「どうしても直りそうに無いなら、師匠に頼んで新しいのを買ってもらうさ。カードならあるし」
勇太:「要はそのカードの使用許可か……」
マリア:「その前にシャワー使いたいンですけど、いいですカ?」
マリアは自動通訳魔法を解除し、自分で覚えた日本語で佳子に聞いた。
佳子:「ええ、いいわよ。タオルなら、脱衣所にあるのを使っていいから」
マリア:「ありがとうございます。でも、3階のシャワールームを使いたいです」
佳子:「あそこでいいの?」
勇太:「マリア、そこが気に入ってるんだよ」
勇太はマリアと一緒にホームエレベーターに乗った。
勇太:「僕はマリアの匂い、好きなんだけどな……」
マリア:「汗臭いの、嫌でしょ?」
勇太:「そんなことないよ」
マリア:「勇太は良くても、私はベトベトしているからあまり好きじゃない」
勇太:「そうか……」
マリア:「まあ、今度の『サバト』で、一緒にプール入ってあげるから」
勇太:「楽しみだよ!……他に誰か来るかね?」
マリア:「私が全部断っておく!」
勇太:「そ、そう?」
マリア:「師匠ですら入らせない!」
勇太:「す、凄いな」
〔ピンポーン♪ 3階です〕
〔下に参ります〕
勇太:「じゃあ、ごゆっくりどうぞ」
マリア:「ありがとう」
[同日13:00.天候:曇 同市内 稲生家1F]
佳子:「お人形さん、無事見つかって良かったわね。あのミシン、使っていいからね」
マリア:「ありがとうございます」
勇太:「使うなら、部屋まで運ぶよ」
マリア:「ありがとう」
昼食が終わって、早速マリアは人形の服作りに取り掛かることになった。
もう1度エレベーターに乗って3階に上がる。
3階には勇太の自室があるが、その隣に余っている部屋がある。
実質的にマリアが泊まりに来た際に使う部屋に充てられていた(客間は別にある)。
勇太:「それじゃ、僕は隣の部屋にいるから、何かあったら呼んで」
マリア:「分かった」
勇太は自分の部屋に入った。
さすがにマリアの屋敷の部屋と違って、室内にトイレやら洗面所やらが付いているわけではない。
6畳くらいの広さがある。
8畳くらいの広さがあるマリアの屋敷の部屋と比べれば、広さは劣る。
しかし、年に数回しか帰らない部屋なので、これでいいだろう。
持って来たノートPCを開いてネットに接続するが、時折隣の部屋からミシンのモーター音が聞こえて来る。
早速始めたようだ。
こうなると、マリアの集中力は強い。
勇太:「さて、僕は屋敷まで帰る計画だ。帰りはどうしようかな……」
勇太はPCで帰りの交通手段を考えた。
勇太:「電車かバスだな。1番いいのは……」
[同日19:00.天候:晴 同市内 稲生家→ファミリーマート川口芝新町店]
夕食を終えた勇太は、散歩がてらコンビニに行くことにした。
勇太:「実は帰りの交通手段、夜行バスが予約できたんだ。これで帰ろうと思う」
マリア:「前にも乗ったことのあるバスだね」
勇太:「そう。コンビニで発券できるから、今しておこうと思って」
マリア:「なるほど」
家の外に出ると、地面が濡れていた。
マリアの予知通り、夕方にゲリラ豪雨が降って来たのである。
雨は17時頃から18頃まで、雷付きで1時間ほど激しく降った。
今は雨は上がっていて、雲間から月が見えるほどまでになっている。
雨が降ったおかげで、昼間より暑さは和らいだ感じはしたが、それでもまだ蒸し暑いことに変わりはなかった。
勇太:「買いたいものがあったら、ついでに買うといいよ」
マリア:「分かった」
店の中に入ると、勇太はまずFamiポートに向かった。
そこで予約した高速バスのチケットを発券する操作をする。
実際はこの機械で直接発券できるのではなく、伝票を発券するだけである。
マリアは勇太が端末を操作している間、生理用品や化粧水などを購入した。
マリア:(私はこれでいいか……。ん?)
勇太は端末で予約票を発行したのだが、ついでに何か買い物があったようだ。
何故かコソコソしていたので、マリアは見て見ぬフリをしながら見ていたが、勇太が買ったのはコンドームだった。
マリア:(そうか……。じゃあ、急いで完成させなきゃ)
で、店から出てまた家へと向かう。
勇太:「向こうには朝早く着くから、先生起こさないようにしないと……」
マリア:「大丈夫だよ。師匠は、ちょっとやそっとのことじゃ起きないから」
勇太:「そうかね」
マリア:「帰ったら、また作業の続きをしなきゃ」
勇太:「まだやるの?」
マリア:「このペースで行けば、明日には1着完成すると思う」
勇太:「早いね!?」
マリア:「人形サイズの大きさだし、デザインはもう決まってるから。あとは、もう1着だね。出発は土曜日の夜?」
勇太:「そう」
マリア:「分かった。帰るまでにゆっくりできる時間が取れるようにするね」
勇太:「ありがとう」
勇太はマリアの手を握った。
そして、手つなぎのまま2人は稲生家へと戻って行った。
E721での運用ではありませんので御注意を。
最近の台はサムが出てこないようだが、代わりにウリンがよく登場するようになった。
ガチムチキャラからロリキャラに走るSANYO。
因みに“海物語”は過去に一度アニメ化されていて、ウリンはアニメオリジナルキャラだったということを知っている者は殆どいない。
つまりウリンは、アニメからの逆輸入キャラというわけ。