報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「退所後の動き」

2023-03-12 20:13:01 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[10月26日14時00分 天候:晴 神奈川県相模原市緑区某所 国家公務員特別研修センターC棟→守衛所]

 地下研究施設の食堂で最後の昼食を取った後は、退所となった。
 リサに持って来た着替えはどれもサイズが合わず、辛うじて伸縮性のある白いTシャツはヘソ出し状態になり、これまた何とか伸縮性があるおかげでギリギリ穿ける黒い短パンを穿いていた。
 Tシャツの上に羽織るグレーのパーカーも、前のファスナーができないという状態であり、靴のサイズも合わない有様だった。

 愛原「うわ……、こりゃ一式全部買い直しか……」
 善場「費用は、こちらに請求して頂ければ大丈夫ですので……」
 愛原「は、はあ……」
 善場「やはり1つの場所で全ての物が揃えられる、ショッピングモールに立ち寄った方が良さそうですね」
 愛原「リサ、もう少し頑張れよ?」
 リサ「うん。大丈夫」

 リサの身長は、変異前は147cmであった。
 それが今は157cmになっている。
 だいたい、日本人の16~17歳くらいの少女の平均身長ほどだという。
 体重にあっては、50キロほど。
 これもまた、この年頃の女の子の平均体重ほどだという。
 尚、今の善場主任とだいたい体型が同じである。
 だが、胸のサイズは教えてはくれなかった。
 とはいうものの、それまでのブラのサイズが着けられないほどに合わなくなるほど大きくなったのは否めない。

 善場「最寄りのショッピングモールへ向かいます」
 愛原「よろしくお願いします」
 善場「この近くで東京方面ですと……」
 愛原「まあ、常識的に考えて、八王子近辺といったところですか」
 善場「そうですね。高尾駅近くにショッピングモールがございまして、そちらが最寄りのようです」
 愛原「分かりました」

 退構手続きを終え、私達は守衛達の敬礼に見送られてセンターをあとにした。
 車は黒のセレナである。
 運転は主任の部下の黒スーツにサングラスの人が行い、主任は助手席に座った。
 私達はリアシートに座る。
 真ん中に座る私に、隣に座るリサが引っ付いてくる。
 しかしながら、電気が伝わってくる感じはしない。
 上手く制御できているのだろうか。

[同日14時45分 天候:晴 東京都八王子市東浅川町 イーアス高尾]

 車は甲州街道(国道20号線)に出ると、東進する。
 そして、中央自動車道の相模湖インターから高速に入ると、また東に進んだ。
 中央道は八王子ジャンクションで降り、圏央道に移る。
 そして、圏央道の高尾山インターで降りると、国道20号線のバイパス、浅川トンネルに入る。
 そこを通り抜けて、今度は都道47号線に入って北上する。
 住宅街を抜けて、京王高尾線の高架橋の下を潜って右折すると、ショッピングモールが見えてきた。
 平日ということもあり、駐車場は空いていた。

 部下「この辺でいいですか?」
 善場「いいわ。ありがとう」

 車は空いている駐車スペースに止まった。

 善場「私も付き合います。一緒に行きましょう」
 愛原「どうも、すいません」

 主任の部下だけ、車の中で待っていることにした。
 私達は車を降りると、モール内に入って行った。

 善場「まずは靴を買いに行きましょう」
 愛原「はい」

 リサの服から靴から、全て一から買い直そうとすると、また費用が高くなりそうな気がする。
 まあ、まだ主任がいてくれるからいいが……。

 善場「まずは1足ずつ買っておきます」
 愛原「1足……ずつ?」
 善場「所長はお忘れですか?リサに必要は靴は、このプライベート用だけではないということを」
 愛原「あ……!」

 通学用の革靴や上履き、体育館シューズに至るまで買い直さないといけない。
 上履きや体育館シューズは、学校の購買で買えるからいいが、革靴は……。

 善場「幸い、ここには靴屋さんもあるので、揃えられるでしょう」
 愛原「そうですね」

 靴のサイズについてだが、計ってみると、2~3センチは大きくなっているのが分かった。
 これでは確かに、今の靴ではキツいだろう。
 逆に、今までよく履けていたものだ。
 幸いこのモールにはABCマートがあり、そこで靴は買い揃えられそうだった。

 リサ「おー!歩きやすい!」

 リサはピョンピョンと軽くジャンプした。
 それだけで、1メートルはジャンプしている。
 助走無しで数メートルジャンプできるという身体能力は、変異後も残っているようである。
 そして気づいたのだが、胸が揺れているところも見えた。
 これが平均的な体型だというのは分かるが、それまでがロリ体型だったものだから、何だかグラマーになったような気になる。

 善場「取りあえず、ここでは1足ずつです。まだ足りないようでしたら、後日、愛原所長に購入してもらってください」
 リサ「はーい!」

 通学用のローファーについては開けずに、箱に入ったまま持ち帰ることにする。

 善場「次は服ですね」
 愛原「ユニクロもあるようです。ここで揃えませんか?」
 リサ「いつもユニクロだもんね」
 善場「そうなんですか?」
 愛原「まあ、下着は別の所で買っているようですが……」
 リサ「『魔王軍』のメンバーとね」
 善場「まあ、あくまでも今回は、急場しのぎですから、しょうがないですね。そのサイズの合わなくなった服や下着を着けているわけにはいきませんから」
 愛原「そうですとも」

[同日17時00分 天候:晴 同モール]

 ユニクロで服や下着を選んだり、ケータイショップで新しいスマホを買い直している間に時間は過ぎてしまい、何とか終わる頃には夕方になってしまっていた。

 善場「案外、時間が掛かってしまいましたね……」
 愛原「す、すいません……」
 善場「いえいえ。予定を変更しましょう。このまま、所長方のマンションまでお送りします。今日これからお話しするはずだった内容は、明日に延期ということで」
 愛原「分かりました」
 善場「明日も明日で、新たに購入する物がありますから、それもお付き合いしますね」
 愛原「えーと……何でしたっけ?」
 リサ「先生、わたしの制服だよ。あと、体操服とか。絶対、サイズ合わなくなってるよ」
 愛原「あ……!」
 善場「それも注文してから、お話ししましょう」
 愛原「す、すいません」

 私達は車に戻った。

 善場「予定変更。行先を菊川のマンションにして」
 部下「はっ、了解しました」

 車はヘッドライトを点けて、駐車場を出た。
 10月も下旬に入り、段々と日が短くなっている。

 部下「八王子インターから、中央道に入ろうと思います」
 善場「そうして」
 愛原「すると、明日は学校制服の取扱店に行かないとダメか……」
 リサ「まあ、体操服なら購買でも買えるんだけどね」
 愛原「ああ、なるほど」
 リサ「でも、ブルマは売ってないだろうなぁ……。また、ネットで買うしかないか」
 愛原「サイズをちゃんと確認してから買うんだぞ」
 リサ「分かってるよ」

 リサは新しいスマホを操作した。
 自分のアカウントでLINEをログインすると、未読のメッセージが山ほどあったという。

 リサ「何か、わたし、死んだ噂が出てるよ!?フザけてる!」
 高橋「ヒャハハハハ!」
 愛原「え、そうなの?ちゃんと学校には『病気だ』って説明しているし、何なら栗原蓮華さんにも、そういう連絡はしてるんだがね」
 リサ「死亡説流したヤツ、わたしの電気流す!」

 リサの体がバチバチと発光する。

 愛原「おい、リサ!」
 リサ「……おっと!」

 幸い発光しただけで、放電や漏電することはなかった。
 どうやら、興奮状態によっても、そういった現象は起きるようである。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« “私立探偵 愛原学” 「少し... | トップ | “私立探偵 愛原学” 「久し... »

コメントを投稿

私立探偵 愛原学シリーズ」カテゴリの最新記事