[7月26日20:04.天候:晴 東京都大田区羽田空港 京浜急行電鉄羽田空港第1・第2ターミナル駅]
空港ターミナルのレストランで食事をした私達は、京浜急行空港線の乗り場に向かった。
愛原:「あー、歳のせいか、最近はフライ物を食べるともたれやすくなったねぇ……」
リサ:「先生。まだ40歳にもなってないでしょ」
愛原:「り、リサ!読者に歳がバレるからやめてくれ!」
斉藤:「でもアラフォーということは公表してるじゃないですか。うちの担任の先生より若いですよ」
愛原:「うちの高野君くらいの歳か。あんまり女教師モノは好きじゃないんだよなぁ……」
リサ:「ん?何の話?」
愛原:「い、いや、何でもない!」
地下のホームに行くと、多くのインバウンド客を迎える為か、それは幅広く造られている。
が、昨今のコロナ禍のせいで飛行機利用客が少ないせいか、明らかに利用客数は通常の3倍……もとい、通常の3分の1くらいの少なさではなかろうか。
コロナ不況は絶対これから猛威を振るう。
私の探偵の仕事も大丈夫なのかどうか、とても気になる。
〔「1番線、ご注意ください。折り返し20時11分発、都営地下鉄浅草線、京成線直通、快特、京成高砂行きが参ります。……」〕
トンネルの向こうからやってきた電車は、東京都交通局の車両だった。
東京都のマークでもあるイチョウのマークは緑色だ。
〔「ご乗車ありがとうございました。羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第1・第2ターミナル、終点です。……」〕
京浜急行の車両ならボックスシートもあっただろうが、都営地下鉄の車両となるとロングシートしか無い。
まあ、腰かけてみると、結構フカフカであるが。
〔「ご案内致します。この電車は20時11分発、京急蒲田、品川、泉岳寺方面、都営地下鉄浅草線、京成線直通、快特、京成高砂行きです。羽田空港第3ターミナル、京急蒲田、品川、泉岳寺の順に停車致します。泉岳寺から先、都営地下鉄浅草線内、京成線内は各駅に止まります。途中通過となります天空橋、穴守稲荷、大鳥居、糀谷でお降りのお客様は、2番線の20時15分発、エアポート急行、逗子・葉山行きをご利用ください。発車までご乗車になり、お待ちください」〕
リサ:「宿題やった?」
斉藤:「バッチリ。リサさんとの婚前旅行ですもの。もう即行で終わらせたわよ」
リサ:「ちょっと待って。今、何旅行って言った?」
斉藤:「もちろん、婚z……」
リサ:「あー、聞こえない聞こえない!」
リサは両耳を押さえた。
リサ:「何せ第0形態じゃ、耳の聞こえが悪くってw」
斉藤:「じゃあ第1形態になって!鬼の姿なら聞こえるでしょ!?」
愛原:「却下!」
リサ:「先生の許可が下りないので、応対致しかねます」
斉藤:「パールみたいなこと言ってぇ……」
どうやら霧崎さん、ワガママ御嬢様に対しては、『旦那様の許可が下りないので、応対致しかねます』と答えているらしい。
それをリサも聞いていたので、真似したというわけだ。
というか、こんな公衆の面前で第1形態ですら変化無理だろう。
善場主任の見解によると、リサの額に鬼の角のようなものが生えるのは、そこが弱点だと分かり易いようにする為らしい。
リサの体を改造した旧アンブレラの狂科学者達は、万が一リサの牙が自分達に向けられた時の対策を施していたようだ。
[同日20:11.京浜急行電鉄空港線2017T電車先頭車内]
私達を乗せた快特電車は時刻表通りに発車した。
あまりスピードの出なさそうな地下鉄の車両だが、これでも快特を名乗る以上、本線で時速120キロ運転をするのだろうか。
〔「ご乗車ありがとうございます。20時11分発、快特、京成高砂行きです。次は羽田空港第3ターミナル、羽田空港第3ターミナルです」〕
詳しい案内は次の駅を出てから行うようである。
携帯で調べたところ、乗り換え先の東日本橋駅まではここから30分以上掛かるらしい。
京急線内は快特として駅を飛ばして行くから良いが、そこから先が遠く感じるのだろう。
リサ:「兄ちゃんは家にいるの?」
愛原:「まあ、そうだろうな」
斉藤:「パールには『いい加減にしなさい』と言っておきますから」
愛原:「申し訳無いねぇ……」
リサ:「今、メイドさんは家にいるの?」
斉藤:「いないみたいね。だから、菊川駅には代理の別のメイドが迎えに来ることになっているわ」
愛原:「最悪クビになるんじゃないか?そんな勝手なことしてたら……」
斉藤:「そうかもしれませんねぇ……」
[同日21:15.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学のマンション]
私達の帰りは順調だった。
だからその描写がカットされるのは当然だ。
字数には制限がある。
しかし、さすがに東日本橋駅から馬喰横山駅へ乗り換える時にあった不思議な電話に関してはカットするべきではないだろう。
駅名は違えど、都営浅草線の東日本橋駅と都営新宿線の馬喰横山駅は地下道で繋がっており、徒歩連絡可能である。
その地下道を歩いている時に掛かって来たのが、高橋からの電話だ。
私が電話に出ると、
高橋:「先生!た、助けてくだs……うわなにをするやめr」
愛原:「あ!?」
高橋:「お、鬼が……鬼が出たーっ!くぁwせdrftgyふじこlp」
というやり取りがあった。
何だか分からないが、急いで帰る必要がありそうだ。
で、私が急いて帰ってみると……。
霧崎:「お帰りなさいませ。愛原先生……&御嬢様」
メイドカフェの店員みたいな愛想の良い笑顔と挨拶で霧崎さんに出迎えられた。
部屋の中に入ると、どうやら霧崎さんがしたのか、部屋中ピカピカに掃除されていた。
愛原:「な、何をしてるんだ?斉藤さんも帰宅したんだぞ?早いとこ帰ってやれよ」
霧崎:「もちろん、そうさせて頂きます。ですが、その前に1つお願いがあるのです」
愛原:「お願い?」
リサが鼻をフンフンと引くつかせて、高橋の部屋のドアを開けた。
高橋:「んー!んー!」
愛原:「なっ!?」
そこからぐるぐる巻きに縛られ、SMプレイ用のギャグを噛まされた高橋が出て来た。
しかも、高橋はボコボコにされた後のようである。
霧崎さんの後ろには鞭やらローソクやら……。
な、何だ?私達が留守の間、2人でSMプレイでもやってたのか?
普通はメイドさんコス側がMのはずだが……。
霧崎:「これです」
霧崎さんはドヤ顔で婚姻届を私に出して来た。
既に高橋のサインもされている。
だが、高橋の名前の所には血が滲んでいた。
霧崎:「ここに保証人を書く欄が2つあります。1つは旦那様にお願いしました。しかしもう1つは旦那様の御命令で、愛原先生に署名をもらえとのことでございます!」
しかし、そのもう1つの欄には斉藤社長のサインは無く、空欄だった。
霧崎:「まずは愛原先生にサインを頂戴し、そうして頂ければ旦那様にもサインを頂けるのです。どうか、よろしくお願いします」
愛原:「お~ま~え~ら~……!!」
私の頭の中で何かがキレた。
愛原:「その前に言う事があるだろぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
その後はリサの回想である。
私もその後、何が起きたか覚えていないのでリサに解説して頂く。
リサ:「メイドさんがナイフを振るってきましたが、先生はそれを素手で弾き飛ばしました。で、メイドさんと高橋兄ちゃんを折檻していたんですが、あまりの大惨事に警察は来るわ、マスコミは来るわで、それはもう大変でした。で、婚姻届は先生の手で破り捨てられ、高橋兄ちゃんとメイドさんは血と涙を流しながら土下座を強要されたわけです。ええ、お怒り状態の先生には、私が鬼に変化しても勝てないような気がしました。私、元々先生に逆らうつもりはありませんでしたが、これからもっと気をつけたいと思います」
空港ターミナルのレストランで食事をした私達は、京浜急行空港線の乗り場に向かった。
愛原:「あー、歳のせいか、最近はフライ物を食べるともたれやすくなったねぇ……」
リサ:「先生。まだ40歳にもなってないでしょ」
愛原:「り、リサ!読者に歳がバレるからやめてくれ!」
斉藤:「でもアラフォーということは公表してるじゃないですか。うちの担任の先生より若いですよ」
愛原:「うちの高野君くらいの歳か。あんまり女教師モノは好きじゃないんだよなぁ……」
リサ:「ん?何の話?」
愛原:「い、いや、何でもない!」
地下のホームに行くと、多くのインバウンド客を迎える為か、それは幅広く造られている。
が、昨今のコロナ禍のせいで飛行機利用客が少ないせいか、明らかに利用客数は通常の3倍……もとい、通常の3分の1くらいの少なさではなかろうか。
コロナ不況は絶対これから猛威を振るう。
私の探偵の仕事も大丈夫なのかどうか、とても気になる。
〔「1番線、ご注意ください。折り返し20時11分発、都営地下鉄浅草線、京成線直通、快特、京成高砂行きが参ります。……」〕
トンネルの向こうからやってきた電車は、東京都交通局の車両だった。
東京都のマークでもあるイチョウのマークは緑色だ。
〔「ご乗車ありがとうございました。羽田空港第1・第2ターミナル、羽田空港第1・第2ターミナル、終点です。……」〕
京浜急行の車両ならボックスシートもあっただろうが、都営地下鉄の車両となるとロングシートしか無い。
まあ、腰かけてみると、結構フカフカであるが。
〔「ご案内致します。この電車は20時11分発、京急蒲田、品川、泉岳寺方面、都営地下鉄浅草線、京成線直通、快特、京成高砂行きです。羽田空港第3ターミナル、京急蒲田、品川、泉岳寺の順に停車致します。泉岳寺から先、都営地下鉄浅草線内、京成線内は各駅に止まります。途中通過となります天空橋、穴守稲荷、大鳥居、糀谷でお降りのお客様は、2番線の20時15分発、エアポート急行、逗子・葉山行きをご利用ください。発車までご乗車になり、お待ちください」〕
リサ:「宿題やった?」
斉藤:「バッチリ。リサさんとの婚前旅行ですもの。もう即行で終わらせたわよ」
リサ:「ちょっと待って。今、何旅行って言った?」
斉藤:「もちろん、婚z……」
リサ:「あー、聞こえない聞こえない!」
リサは両耳を押さえた。
リサ:「何せ第0形態じゃ、耳の聞こえが悪くってw」
斉藤:「じゃあ第1形態になって!鬼の姿なら聞こえるでしょ!?」
愛原:「却下!」
リサ:「先生の許可が下りないので、応対致しかねます」
斉藤:「パールみたいなこと言ってぇ……」
どうやら霧崎さん、ワガママ御嬢様に対しては、『旦那様の許可が下りないので、応対致しかねます』と答えているらしい。
それをリサも聞いていたので、真似したというわけだ。
というか、こんな公衆の面前で第1形態ですら変化無理だろう。
善場主任の見解によると、リサの額に鬼の角のようなものが生えるのは、そこが弱点だと分かり易いようにする為らしい。
リサの体を改造した旧アンブレラの狂科学者達は、万が一リサの牙が自分達に向けられた時の対策を施していたようだ。
[同日20:11.京浜急行電鉄空港線2017T電車先頭車内]
私達を乗せた快特電車は時刻表通りに発車した。
あまりスピードの出なさそうな地下鉄の車両だが、これでも快特を名乗る以上、本線で時速120キロ運転をするのだろうか。
〔「ご乗車ありがとうございます。20時11分発、快特、京成高砂行きです。次は羽田空港第3ターミナル、羽田空港第3ターミナルです」〕
詳しい案内は次の駅を出てから行うようである。
携帯で調べたところ、乗り換え先の東日本橋駅まではここから30分以上掛かるらしい。
京急線内は快特として駅を飛ばして行くから良いが、そこから先が遠く感じるのだろう。
リサ:「兄ちゃんは家にいるの?」
愛原:「まあ、そうだろうな」
斉藤:「パールには『いい加減にしなさい』と言っておきますから」
愛原:「申し訳無いねぇ……」
リサ:「今、メイドさんは家にいるの?」
斉藤:「いないみたいね。だから、菊川駅には代理の別のメイドが迎えに来ることになっているわ」
愛原:「最悪クビになるんじゃないか?そんな勝手なことしてたら……」
斉藤:「そうかもしれませんねぇ……」
[同日21:15.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学のマンション]
私達の帰りは順調だった。
だからその描写がカットされるのは当然だ。
字数には制限がある。
しかし、さすがに東日本橋駅から馬喰横山駅へ乗り換える時にあった不思議な電話に関してはカットするべきではないだろう。
駅名は違えど、都営浅草線の東日本橋駅と都営新宿線の馬喰横山駅は地下道で繋がっており、徒歩連絡可能である。
その地下道を歩いている時に掛かって来たのが、高橋からの電話だ。
私が電話に出ると、
高橋:「先生!た、助けてくだs……うわなにをするやめr」
愛原:「あ!?」
高橋:「お、鬼が……鬼が出たーっ!くぁwせdrftgyふじこlp」
というやり取りがあった。
何だか分からないが、急いで帰る必要がありそうだ。
で、私が急いて帰ってみると……。
霧崎:「お帰りなさいませ。愛原先生……&御嬢様」
メイドカフェの店員みたいな愛想の良い笑顔と挨拶で霧崎さんに出迎えられた。
部屋の中に入ると、どうやら霧崎さんがしたのか、部屋中ピカピカに掃除されていた。
愛原:「な、何をしてるんだ?斉藤さんも帰宅したんだぞ?早いとこ帰ってやれよ」
霧崎:「もちろん、そうさせて頂きます。ですが、その前に1つお願いがあるのです」
愛原:「お願い?」
リサが鼻をフンフンと引くつかせて、高橋の部屋のドアを開けた。
高橋:「んー!んー!」
愛原:「なっ!?」
そこからぐるぐる巻きに縛られ、SMプレイ用のギャグを噛まされた高橋が出て来た。
しかも、高橋はボコボコにされた後のようである。
霧崎さんの後ろには鞭やらローソクやら……。
な、何だ?私達が留守の間、2人でSMプレイでもやってたのか?
普通はメイドさんコス側がMのはずだが……。
霧崎:「これです」
霧崎さんはドヤ顔で婚姻届を私に出して来た。
既に高橋のサインもされている。
だが、高橋の名前の所には血が滲んでいた。
霧崎:「ここに保証人を書く欄が2つあります。1つは旦那様にお願いしました。しかしもう1つは旦那様の御命令で、愛原先生に署名をもらえとのことでございます!」
しかし、そのもう1つの欄には斉藤社長のサインは無く、空欄だった。
霧崎:「まずは愛原先生にサインを頂戴し、そうして頂ければ旦那様にもサインを頂けるのです。どうか、よろしくお願いします」
愛原:「お~ま~え~ら~……!!」
私の頭の中で何かがキレた。
愛原:「その前に言う事があるだろぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」
その後はリサの回想である。
私もその後、何が起きたか覚えていないのでリサに解説して頂く。
リサ:「メイドさんがナイフを振るってきましたが、先生はそれを素手で弾き飛ばしました。で、メイドさんと高橋兄ちゃんを折檻していたんですが、あまりの大惨事に警察は来るわ、マスコミは来るわで、それはもう大変でした。で、婚姻届は先生の手で破り捨てられ、高橋兄ちゃんとメイドさんは血と涙を流しながら土下座を強要されたわけです。ええ、お怒り状態の先生には、私が鬼に変化しても勝てないような気がしました。私、元々先生に逆らうつもりはありませんでしたが、これからもっと気をつけたいと思います」
離島編はこの辺で終わりにしたいと思います。
本来ですとこの後は“大魔道師の弟子”の続きになるのですが、“私立探偵 愛原学”のネタがまだありますので、引き続きそれで参りたいと思います。
私が先日帰省した際に仕入れたネタを使いたいので、よろしくお願い致します。
あまり大騒ぎに、同じマンション住民から警察へ通報されたようですが、マスコミが駆け付けたというのは、同じマンション内にはマスコミ関係者も住んでいるので、そこから駆け付けたというわけです。