[7月26日14:00.天候:晴 東京都豊島区池袋 四季グループ本社 会長室]
敷島峰雄:「……ああ、うちの孝夫なら旭川の病院に移ったよ。脳には異常が無いのが分かったので、今度は肉体的なリハビリだ。何しろずっとベッドの上で過ごしてきたわけだから、筋肉の衰えがあったということだ。あと、少なからずケガもしていたからな。寝てる間にそういう傷は治ったみたいなんだが……。ああ、それじゃ」
峰雄は机の上の電話を切った。
峰雄:「早いとこ帰ってきてもらいたいものだがねぇ……」
敷島俊介:「まあまあ、兄さん。『こちらのことは気にするな。万全を期して帰ってこい』って言ったじゃないか」
峰雄:「まあな。しかしリハビリなら、こっちに帰って来てからでもできそうなものだが……」
俊介:「今月中には、それも終わって帰って来れるんだろう?なら大丈夫だろう」
峰雄:「そうだな。これでお前の任命責任を問う必要も無くなったわけだ」
俊介:「やめてくれよ。……まあ、事実だけど」
敷島エージェンシーの創立を決定し、孝夫を社長に担ぎ上げたのは敷島の叔父でもある敷島俊介である。
JARA財団時代のプロデュースの腕前を買ったものだ。
もちろんプロデューサーと、実際の経営者とではだいぶ違う。
そこで経営に関するサポートは俊介が行うことにし、敷島には経営者とプロデューサーの兼務でスタートということになった。
今ではもう経営のことに力を入れるだけで良くなりつつあった。
峰雄:「もちろん、あれは事故のようなものだし、孝夫の勝手な冒険ということもある。俺としては弟を切りたいとは思わないが、他の役員達や株主さんがどう思うかだからね」
俊介:「任命責任を問うて、私も一緒に辞任とは……」
峰雄:「まあ、これでまたしばらくの間は日本に平和が訪れるだろう」
峰雄は応接セットの上に新聞を置いた。
『国内潜伏のテロリスト、続々と海外へ逃亡!?』『「不死身の敷島」こと、敷島孝夫氏の回復を受けて?』『成田空港で出国間際のテロリスト逮捕!』『国際テロ組織ヤング・ホーク団団長、ジャック・シュラ・カッパー容疑者か!?』『写真「怨嫉謗法はやめなさい!それより功徳を語りましょうね!」と、意味不明なことを叫びながら警察官に連行されるジャック容疑者』
俊介:「公安警察まで仕事取られて泣いてるんじゃないのかい、これは?」
峰雄:「その方が税金も節約できていいだろう」
俊介:「兄さんもシビアだねぇ……」
[7月31日09:50.天候:晴 北海道旭川市 JR旭川駅]
敷島:「やっと帰れるんだ……。何だか、浦島太郎の気持ちが分かるなぁ……」
敷島は駅舎を見上げて呟いた。
アリス:「ちょっと。なに爺臭いこと言ってんのよ」
敷島:「いやあ、まさかあんなことになるなんてなぁ……」
エミリー:「社長、本当に大丈夫ですか?宜しかったら、肩をお貸ししましょうか?」
敷島:「いや、もう大丈夫。伯父さん……会長からも、万全になったら帰って来いと言われたからな」
シンディ:「申し訳ありません。本当でしたら飛行機ですぐにでも帰京したいところでしょうが、私達が飛行機に乗れないものですから……」
乗れないこともないのだが、当然客席には乗れない。
初音ミクが北海道から移送される際、体がバラバラの状態だったのは移送に飛行機を使った為。
『精密機械』という名目で貨物室に入れられたのだが、つまりロイドを移送したい場合にはバラさないとダメだということ。
その為、そういう制約の無い他の交通機関を使うことになる。
前回、KR団との戦いの時はフェリーを使ったが……。
敷島:「行きと同様、全区間鉄道か……」
エミリー:「大宮到着は22時……」
敷島:「いや、言わなくていい。うん、日本もなかなか広いよ」
アリス:「そうね」(←アメリカ合衆国テキサス州育ちのアリス。テキサス州だけで日本の国土の【お察しください】)
真新しい駅舎の中に入り、予め購入しておいた乗車券を自動改札機に通す。
敷島:「俺がリハビリしている間に買ってきてくれたのか」
エミリー:「そうです。新幹線をグランクラスにするかどうかでシンディとケンカしました」
敷島:「おいw 俺なんか普通車でもいいくらいだぞ」
シンディ:「そういうわけには行きませんよ。私は本社の社長や会長がグランクラスなのだから、そこから一歩引くべきだと思ったのです」
エミリー:「いや、お前は分かっていない。グランクラスの窓は防弾ガラスになっている(※)。テロリストからの攻撃を防止する為にも、グランクラスにするべきだった」
※あくまで噂です。天皇陛下がご乗車になる場所だけ防弾ガラスという話もあります。
敷島:「で、結局どうしたの?」
シンディ:「ブラックジャックで決めて、私の案になりました」
敷島:「ブラックジャックかよ!ディーラーは?」
アリス:「私」
敷島:「……だろうな」
エミリー:「今度は射撃で勝負だ」
シンディ:「望むところよ」
敷島:「あー、今度の科学館さんの夏休みイベントでやってくれい」
高架ホームに上がると、既に列車が停車していた。
〔「3番線に停車中の列車は10時ちょうど発、札幌行きの特別急行“ライラック”16号です。グリーン車は1号車、指定席は1号車と2号車です。……」〕
ディーゼル列車の音も響いている中、“ライラック”は静かなのは電車だからだろう。
日本で電化されている鉄道の最北地でもある。
進行方向上、グリーン車があるのは最後尾である。
元々は青函トンネルを通っていた特急車両で、北海道新幹線が開通した為に用済みとなり、札幌都市圏へと移ってきたもの。
グリーン席が付いているのはその名残だ。
とはいっても、車両の半分しか無い。
シンディ:「向かい合わせにしますか?」
敷島:「いや、このままでいいだろう」
敷島とアリス、エミリーとシンディで座る。
エミリー:「社長、1つ御相談が……」
敷島:「何だ?」
エミリー:「実は札幌駅で乗り継ぎ時間が結構あるのです。この列車の札幌到着が11時25分ですが、次の乗り継ぎが14時45分なんです」
敷島:「おっ、そんなに!?」
エミリー:「最後の乗り換えである新幹線の座席を確保するのに、こうなってしまいました。申し訳ありません」
シンディ:「いいよいいよ。途中下車して、何か昼食でも取るよ」
乗車券で片道100km以上のものは、途中下車できることになっている。
特急券ではできないが、札幌駅で特急は降りるので問題は無い(その後、別の特急には乗るのだが、特急券が別な為)。
敷島:「せっかくだから、ジンギスカンでも食うか」
アリス:「OH!」
そんな話で盛り上がっている間、エミリーが列車の外でコーヒーを買って来た。
敷島:「おっ、ありがとう」
アリス:「エミリー、Thank youね」
エミリー:「いいえ」
そんなことしている間に発車の時間になり、列車は静かに走り出した。
ディーゼル列車がエンジンを唸り音を立てて走り出すのとは対照的だ。
〔この先、揺れることがありますので、お気をつけください。お立ちのお客様は、お近くの手すりにお掴まりください。今日もJR北海道をご利用くださいまして、ありがとうございます。この列車は函館線上り、札幌行きの特別急行“ライラック”16号です。途中、深川、滝川、砂川、美唄、岩見沢に停車し、終着札幌まで凡そ1時間25分です。……〕
敷島はテーブルを出すと、その上にノートPCを置いた。
アリス:「復帰は明日からってことになってるんだから、今日くらいゆっくりしたら?」
敷島:「そうは行くか。まずはメールの確認からだ」
エミリー:「あの、もし宜しかったら、私もお手伝いしますよ?」
シンディ:「私も第2秘書として……」
敷島:「いや、いいんだ。取りあえず、メールのチェックだけでいい。お前達はGPSで、今の位置情報を会社に送ってくれるだけでいいかから。ボーカロイド達が心配して、仕事中に余計なエラーでも出したら俺も困るし」
エミリー:「かしこまりました」
シンディ:「社長がそう仰るのなら……」
敷島峰雄:「……ああ、うちの孝夫なら旭川の病院に移ったよ。脳には異常が無いのが分かったので、今度は肉体的なリハビリだ。何しろずっとベッドの上で過ごしてきたわけだから、筋肉の衰えがあったということだ。あと、少なからずケガもしていたからな。寝てる間にそういう傷は治ったみたいなんだが……。ああ、それじゃ」
峰雄は机の上の電話を切った。
峰雄:「早いとこ帰ってきてもらいたいものだがねぇ……」
敷島俊介:「まあまあ、兄さん。『こちらのことは気にするな。万全を期して帰ってこい』って言ったじゃないか」
峰雄:「まあな。しかしリハビリなら、こっちに帰って来てからでもできそうなものだが……」
俊介:「今月中には、それも終わって帰って来れるんだろう?なら大丈夫だろう」
峰雄:「そうだな。これでお前の任命責任を問う必要も無くなったわけだ」
俊介:「やめてくれよ。……まあ、事実だけど」
敷島エージェンシーの創立を決定し、孝夫を社長に担ぎ上げたのは敷島の叔父でもある敷島俊介である。
JARA財団時代のプロデュースの腕前を買ったものだ。
もちろんプロデューサーと、実際の経営者とではだいぶ違う。
そこで経営に関するサポートは俊介が行うことにし、敷島には経営者とプロデューサーの兼務でスタートということになった。
今ではもう経営のことに力を入れるだけで良くなりつつあった。
峰雄:「もちろん、あれは事故のようなものだし、孝夫の勝手な冒険ということもある。俺としては弟を切りたいとは思わないが、他の役員達や株主さんがどう思うかだからね」
俊介:「任命責任を問うて、私も一緒に辞任とは……」
峰雄:「まあ、これでまたしばらくの間は日本に平和が訪れるだろう」
峰雄は応接セットの上に新聞を置いた。
『国内潜伏のテロリスト、続々と海外へ逃亡!?』『「不死身の敷島」こと、敷島孝夫氏の回復を受けて?』『成田空港で出国間際のテロリスト逮捕!』『国際テロ組織ヤング・ホーク団団長、ジャック・シュラ・カッパー容疑者か!?』『写真「怨嫉謗法はやめなさい!それより功徳を語りましょうね!」と、意味不明なことを叫びながら警察官に連行されるジャック容疑者』
俊介:「公安警察まで仕事取られて泣いてるんじゃないのかい、これは?」
峰雄:「その方が税金も節約できていいだろう」
俊介:「兄さんもシビアだねぇ……」
[7月31日09:50.天候:晴 北海道旭川市 JR旭川駅]
敷島:「やっと帰れるんだ……。何だか、浦島太郎の気持ちが分かるなぁ……」
敷島は駅舎を見上げて呟いた。
アリス:「ちょっと。なに爺臭いこと言ってんのよ」
敷島:「いやあ、まさかあんなことになるなんてなぁ……」
エミリー:「社長、本当に大丈夫ですか?宜しかったら、肩をお貸ししましょうか?」
敷島:「いや、もう大丈夫。伯父さん……会長からも、万全になったら帰って来いと言われたからな」
シンディ:「申し訳ありません。本当でしたら飛行機ですぐにでも帰京したいところでしょうが、私達が飛行機に乗れないものですから……」
乗れないこともないのだが、当然客席には乗れない。
初音ミクが北海道から移送される際、体がバラバラの状態だったのは移送に飛行機を使った為。
『精密機械』という名目で貨物室に入れられたのだが、つまりロイドを移送したい場合にはバラさないとダメだということ。
その為、そういう制約の無い他の交通機関を使うことになる。
前回、KR団との戦いの時はフェリーを使ったが……。
敷島:「行きと同様、全区間鉄道か……」
エミリー:「大宮到着は22時……」
敷島:「いや、言わなくていい。うん、日本もなかなか広いよ」
アリス:「そうね」(←アメリカ合衆国テキサス州育ちのアリス。テキサス州だけで日本の国土の【お察しください】)
真新しい駅舎の中に入り、予め購入しておいた乗車券を自動改札機に通す。
敷島:「俺がリハビリしている間に買ってきてくれたのか」
エミリー:「そうです。新幹線をグランクラスにするかどうかでシンディとケンカしました」
敷島:「おいw 俺なんか普通車でもいいくらいだぞ」
シンディ:「そういうわけには行きませんよ。私は本社の社長や会長がグランクラスなのだから、そこから一歩引くべきだと思ったのです」
エミリー:「いや、お前は分かっていない。グランクラスの窓は防弾ガラスになっている(※)。テロリストからの攻撃を防止する為にも、グランクラスにするべきだった」
※あくまで噂です。天皇陛下がご乗車になる場所だけ防弾ガラスという話もあります。
敷島:「で、結局どうしたの?」
シンディ:「ブラックジャックで決めて、私の案になりました」
敷島:「ブラックジャックかよ!ディーラーは?」
アリス:「私」
敷島:「……だろうな」
エミリー:「今度は射撃で勝負だ」
シンディ:「望むところよ」
敷島:「あー、今度の科学館さんの夏休みイベントでやってくれい」
高架ホームに上がると、既に列車が停車していた。
〔「3番線に停車中の列車は10時ちょうど発、札幌行きの特別急行“ライラック”16号です。グリーン車は1号車、指定席は1号車と2号車です。……」〕
ディーゼル列車の音も響いている中、“ライラック”は静かなのは電車だからだろう。
日本で電化されている鉄道の最北地でもある。
進行方向上、グリーン車があるのは最後尾である。
元々は青函トンネルを通っていた特急車両で、北海道新幹線が開通した為に用済みとなり、札幌都市圏へと移ってきたもの。
グリーン席が付いているのはその名残だ。
とはいっても、車両の半分しか無い。
シンディ:「向かい合わせにしますか?」
敷島:「いや、このままでいいだろう」
敷島とアリス、エミリーとシンディで座る。
エミリー:「社長、1つ御相談が……」
敷島:「何だ?」
エミリー:「実は札幌駅で乗り継ぎ時間が結構あるのです。この列車の札幌到着が11時25分ですが、次の乗り継ぎが14時45分なんです」
敷島:「おっ、そんなに!?」
エミリー:「最後の乗り換えである新幹線の座席を確保するのに、こうなってしまいました。申し訳ありません」
シンディ:「いいよいいよ。途中下車して、何か昼食でも取るよ」
乗車券で片道100km以上のものは、途中下車できることになっている。
特急券ではできないが、札幌駅で特急は降りるので問題は無い(その後、別の特急には乗るのだが、特急券が別な為)。
敷島:「せっかくだから、ジンギスカンでも食うか」
アリス:「OH!」
そんな話で盛り上がっている間、エミリーが列車の外でコーヒーを買って来た。
敷島:「おっ、ありがとう」
アリス:「エミリー、Thank youね」
エミリー:「いいえ」
そんなことしている間に発車の時間になり、列車は静かに走り出した。
ディーゼル列車がエンジンを唸り音を立てて走り出すのとは対照的だ。
〔この先、揺れることがありますので、お気をつけください。お立ちのお客様は、お近くの手すりにお掴まりください。今日もJR北海道をご利用くださいまして、ありがとうございます。この列車は函館線上り、札幌行きの特別急行“ライラック”16号です。途中、深川、滝川、砂川、美唄、岩見沢に停車し、終着札幌まで凡そ1時間25分です。……〕
敷島はテーブルを出すと、その上にノートPCを置いた。
アリス:「復帰は明日からってことになってるんだから、今日くらいゆっくりしたら?」
敷島:「そうは行くか。まずはメールの確認からだ」
エミリー:「あの、もし宜しかったら、私もお手伝いしますよ?」
シンディ:「私も第2秘書として……」
敷島:「いや、いいんだ。取りあえず、メールのチェックだけでいい。お前達はGPSで、今の位置情報を会社に送ってくれるだけでいいかから。ボーカロイド達が心配して、仕事中に余計なエラーでも出したら俺も困るし」
エミリー:「かしこまりました」
シンディ:「社長がそう仰るのなら……」
有難うございます!
台風五号は八日朝にシュラカッパーを倒すべく
進撃中であります!ww
お疲れ様です。
ホントだww
某氏は雨を降らせる能力(?)があるそうですから、
台風の1つや2つ、簡単に止められるでしょう。
ただ、迷惑河童のとばっちりで、関東もやられそうな気がするのですが……。
本当に予定通りの進路、ダイヤだと、私の通勤時間にモロに被りますね。
台風の1つや2つ、簡単に朝鮮半島にでも投げてくれることを願います。
「お知らせ」のトップが必ずと言って良い位、「髪は頭皮のこと 発毛のプロが回答!」になってるww
あー、なるほど。今気づきました。
特にこちらで設定しているわけではないので、単なる偶然でしょうw
>迷惑河童のとばっちりで、関東もやられそうな気がする
面と向かって河童さんに言ったら、「怨嫉謗法をするからね、悪いことが起きるんですよ。今後は弁えましょうね」とか言って来そうですw