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報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
 尚、ブログ内全ての作品がフィクションです。
 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「謎の金庫」

2024-11-18 21:27:32 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月12日12時30分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家⇔愛原学探偵事務所]

 善場「変わった金庫を見つけたのですか?」
 愛原「そうなんです」

 約束の時間になり、昼食休憩から戻って来た善場係長に、私は金庫の件を報告した。

 愛原「こちらなんですけど」

 私は善場係長を4階に案内した。
 納戸や水回りのある辺りは日当たりが悪い為、昼でも薄暗い。
 もちろん照明はあるので、それを点けて納戸の中を確認する。

 善場「なるほど、そうですか」

 善場係長は金庫を隅々まで調べた。
 因みに大きさは、一般家庭用の冷蔵庫くらい。
 1人暮らしをしている男の部屋の、2ドアの冷蔵庫くらいの大きさである。

 善場「これは……ハンドメイドですね」
 愛原「えっ、どうして分かるんですか?」
 善場「まず、どこにもメーカーが分かる物が付いていません。また、例え金庫であっても、規格というものが決まっています。こんな扉の錠は有り得ません。どこかの鉄工所か何かで製造したものではないでしょうか?」

 そういえば高橋の知り合いに、板金屋とかで働いているのがいたような気がしたけど……。

 愛原「なるほど……」
 善場「問題は、これをどうやって開けるかですね。恐らく、六角レンチか何かで開けるのでしょうが、このサイズのレンチがあるかどうか……」

 最初は一辺が1cmくらいかと思っていたが、よくよく見ると、もっと大きいことが分かった。
 こんなサイズのレンチ、私は見たことがない。

 愛原「パール。車かバイクの工具に、こういうの無いか?」
 パール「スパナはありますが、レンチは無いですね。しかも、こんな大きな穴……」
 リサ「あー……」

 その時、リサは何かを思い出したようだった。

 愛原「どうした、リサ?」
 リサ「わたし、持ってるかもしれない」
 愛原「何だって!?」
 リサ「来てみる?」
 愛原「うん!」

 私はリサと一緒に、リサの部屋に向かった。
 部屋の中には、チェストの上に祭壇のように祀られている物がある。
 それは、オリジナルのリサ・トレヴァーの肖像画。

 

 鬼型BOWたる日本版リサ・トレヴァーとは似ても似つかないが、Gウィルスを世界で真っ先に体内で造り出した始祖ということで、ここにいるリサは創造神のように崇めている。
 そしてその肖像画の前に、お供え物のように置かれている物がある。
 それは白い仮面だけでなく、クランクハンドル。

 
(写真では1本だが、実際は2本ある)

 オリジナルのリサ・トレヴァーが寝泊まりしていた小屋には、部屋の飾りとしてクランクハンドルがあったということで、ここのリサも部屋の飾り……というか、『祭壇』の飾りとして置いてある。

 リサ「これかな?」

 ピカピカに磨かれたクランクハンドル。
 1つは六角形、もう1つは四角形である。
 大きさは、あの金庫の穴と同じくらいだ。

 愛原「おお、きっとそれだ!」

 BSAAの創設メンバーの1人であるジル・バレンタイン。
 まだラクーンシティの警察官だった頃、リサ・トレヴァーの小屋でクランクハンドルを見つけた。
 しかし、それを取った直後、ちょうど散歩から帰って来たリサ・トレヴァーと鉢合わせし、手枷を付けたままの彼女に両手でぶん殴られ、気絶したという。
 だが、リサ・トレヴァーの攻撃はそれだけで、ジル氏を殺そうとはしなかったとのこと。

 愛原「これを貸してくれ!きっとこれで金庫が開く!」
 リサ「先生がそこまで言うのなら……。報酬にキスして?」
 愛原「ええっ!?」
 リサ「オリジナルのリサ・トレヴァー様は、クランクを取ったヤツをぶん殴ったそうだよ。キスくらい、いいよね?」
 愛原「分かった分かった」

 リサが自分の唇を指さしたものだから、私は仕方なく、リサの唇にキスしてあげた。

 リサ「きゃーっ!」(≧∇≦)

 天井に頭をぶつけるくらい、ジャンプした。
 そして、ベッドにダイブしたかと思うと、そのまま枕に顔を突っ伏して悶絶した。
 黒いスカートが捲れて、白いショーツが丸見えになってしまっている。

 愛原「そ、それじゃ借りるぞー!」

 私はクランクハンドルを持って、さっきの金庫の所に戻った。

 愛原「お、お待たせしましたー!」
 善場「大丈夫でしたか?何か、さっき、リサの叫び声が聞こえましたが?」
 愛原「あー、大丈夫です!大丈夫です!それより、早速これを!」

 私がクランクの先を穴に入れると、案の定ピッタリと嵌まった。

 愛原「やはり!」
 善場「回してみてください」
 愛原「はい!」

 私がクランクを回すと、ガチャンという音がした。
 どうやら、中のロックが外れたらしい。
 ハンドルを外して、取っ手を引く。
 中にあったのは……。

 愛原「また金庫!?」

 今度は黄色に塗られた金庫が中に入っていた。
 しかもこの金庫、“赤いアンブレラ”のロゴマークが扉にペイントされており、カードキーで開くシステムになっている。
 この手のカードキーを持っているのは……リサだ!
 リサはゴールドカードキーを持っており、これで開けられるはずだ!

 愛原「リサ!……あれ、いない?」

 まだ部屋にいるのだろうか?

 愛原「ちょっと呼んできます!」

 ついでにこのクランクも返そう。
 そう思ってリサの部屋に行ったのだが……。

 リサ「はぁ…はぁ……はぁ……!」

 ヴヴヴヴヴヴ……(ピンクローターをアソコに押し当てている)

 リサ「ひゃあぅぅぅっ……!!」

 お取込み中だった!!
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“私立探偵 愛原学” 「家中を探索」

2024-11-18 15:38:35 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[6月12日10時30分 天候:晴 東京都墨田区菊川2丁目 愛原家⇔愛原学探偵事務所]

 善場「……そうなの。だから警察が来たら、私に連絡ちょうだい。……それじゃ」

 善場係長は自分のスマホの通話を切った。
 どうやら係長の銃声が、1階のガレージにまで聞こえたらしく、そこで待機していた白峰主席が電話を掛けたようだ。
 3階の銃声が1階まで聞こえたということは、やはり近所中に響いたと見て良いだろう。

 善場「それで、何が挟まってましたか?」
 愛原「ガレージ倉庫に行くようにとのことです」
 善場「ガレージですか?」
 愛原「行ってみましょう」
 パール「先生、ガレージの倉庫には鍵が掛かっています」
 愛原「あっ、そうか。誰が鍵持ってる?」
 パール「マサですね。多分、そのロッカーの中に……あれ?無い……」
 リサ「ゾンビの口の中にあった。この鍵でしょ?」
 愛原「何でゾンビ人形の口の中に?」
 善場「やはり高橋被告、色々と隠しているようですね?」
 愛原「うーむ……」

 とにかく、私達は倉庫の鍵を持って、再びエレベーターに乗り込んだ。
 そして1階に下りたのだが、ここで探索は一時中断。
 何故なら……。

 愛原「ん?何か、パトカーのサイレンの音が……」
 リサ「ホント……」
 パール「急ぎ、脱出の準備を!」
 善場「あなたは警察を見次第、逃走する習性があるのですか?」

 エレベーターが1階に到着し、ドアが開くのと、警官隊がなだれ込んで来るのは同時だった。

 警察官「警察です!この建物から拳銃の発砲音のようなものがしたという通報を受けまして、参りました!」
 愛原「バレてるし!?」
 リサ「どうやって逃げる?」
 パール「私ならエレベーターに飛び乗ります。そして、4階まで向かいます。それから屋上に出て……」
 善場「落ち着いてください、皆さん」

 善場係長は自分の身分証を警官隊に見せた。
 それはデイライトの職員証ではなく、いきなり出自の公安調査庁の物だった。

 善場「公安調査庁【所属支部省略】の善場です」
 白峰「同じく白峰です」
 警察官「えっ!?公安庁?」

 善場係長は発砲したのは自分であると白状し、手持ちの拳銃を警察官に見せた。
 そして発砲したのは捜査の過程であり、ただそれは、自分の判断ミスによるものだと説明した。
 その間、警察官の1人はパトカーに戻って、経緯を警察署に報告しているようだ。

 善場「捜査が優先されますので、発砲についての報告は事後に行うつもりでした」

 ほとんどの警察のやり取りは善場係長達に任せて良かったが、私達も警察官から身分証の提示を求められた。
 私とパールは免許証、リサは生徒手帳。

 善場「捜査内容まではお話しできません」

 と、そこは頑なに断った。
 警察も捜査内容の機密保持は厳格なはずだが、他の捜査機関にはその開示を求めるようだ。

[同日11時30分 天候:晴 同場所]

 ようやく警官隊が帰り、探索が再開された。
 警察官とのやり取りで辟易したので一旦休憩を挟むことも考えたが、まずはガレージの倉庫を開けてみることにした。

 善場「ここには普段何が入ってるんですか?」
 愛原「高橋やパールのバイク関係の用品ですね。今は殆ど動かしてないですが」

 開けてみるとバイク用品やカー用品を中心に置いてあるが、冬用の除雪道具や暖房用の石油ポリタンクなども置いてある。
 一見して、何も変わった物は無さそうだ。

 愛原「この中から探すのか……」

 私はポンと手を叩いた。

 愛原「ちょっと早いけど、昼食にしましょう」
 パール「私、何か作りますよ」
 愛原「そうか?昼食だから、簡単な物でいいぞ?係長方はどうされますか?」
 善場「私達はこの近くで何か食べてきます」
 愛原「了解です」
 善場「今から1時間後ですので、12時30分からでよろしいですか?」
 愛原「そうですね。そうしましょう。車はここに止めて頂いて構いませんので。シャッターも開けたままにしておきましょう」
 善場「承知しました。それでは、一旦解散と致しましょう」

 善場係長と白峰主席は、事務所の外に出て行った。
 菊川駅の方に歩いて行ったから、駅前で何か食べるのだろう。
 私達は……。

 善場「マサのレシピで、ホットドッグでも作りますが、それで宜しいですか?」
 愛原「そうだな。それで頼む」

 高橋がよく事務所で作っていたヤツだ。
 キャベツの千切りとウィンナーをフライパンで炒めて、背割りしたコッペパンにそれを挟んで、オーブンで焼いたものだ。
 シンプルながら、昼食としてはちょうど良かった。
 私は倉庫のドアを閉め、鍵を掛けようとした。

 愛原「ん?」

 その時、外から強い風が吹き込んで来た。
 まだ外は晴れていたが、天気予報によると、夕方、ゲリラ豪雨が降るかもしれないとのこと。
 もうゲリラ豪雨が降る季節になったかと思いつつ、ドアを閉めると、風圧で何かが飛び出して来た。
 それは1枚のメモ用紙。
 倉庫の中にあったものだろう。
 それを見てみると……。

 愛原「あっ、これ!」

 それは高橋のメモだと分かった。

 愛原「続きが書いてあるぞ!」
 リサ「何て書いてあるの!?」
 愛原「『4階の納戸へ』とある」
 リサ「4階の納戸?何かあったっけ?」
 愛原「とにかく行ってみよう」
 パール「善場係長に話さなくて良いのですか?」
 愛原「取りあえず、4階の納戸を確認するまではしておこう。パールは昼食の用意を」
 パール「かしこまりました」

 私達はエレベーターに乗り込み、パールは3階へ、私とリサは4階で降りた。

 愛原「4階の納戸というと、これのことだよな?」

 エレベーターを降りると、まず左手にリサの部屋がある。
 廊下を進むと私の部屋があり、突き当りを右に曲がると、右手に水回り、左手に納戸がある。
 納戸とはこの事だと思うが、あまり使っていないはずだ。
 こんな所に、何を隠しているというのか。

 愛原「……何かあるな」
 リサ「金庫?」
 愛原「金庫のようなもの」

 こんな物、いつの間に持ち込みやがった?
 他に納戸を調べたが、掃除用具くらいしか入っていない。
 扉についても特殊だ。
 鍵穴や暗証番号を合わせるダイヤルなどは付いておらず、鍵穴があるような場所には、一辺が1cmほどの六角形の穴があるだけ。
 試しに手で開けようとしたが開かなかった。
 鍵か何か掛かっているらしい。

 愛原「ダメだ。これは一旦、お預けだな。善場係長に報告して、どうするか決めよう」
 リサ「この穴ねぇ……」

 リサはその穴を触った。

 リサ「どっかで見たことあるような気がするんだよなぁ……」

 リサは首を傾げた。

 愛原「どこかって、どこだ?」
 リサ「うーん……分かんない。ホットドッグ食べれば思い出せるかもねー!」
 愛原「なるべく早く思い出してくれよ?」

 私達は一旦、3階に戻ることにした。
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