【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

秋色の小径

2008-09-20 16:56:03 | 路傍の花~道草


   台風一過の爽やかな天気と
  思いきや、ちょっと蒸し暑く俄かに
  残暑が戻ったよう。

   そんな今朝は、これも意外に、
  静かな朝でした。

   ここの所、朝も、しきりに奏でて
  いた、虫の合奏も聞こえず・・。
  勿論、蝉も。

   蝉の鳴き声は、つい最近まで、
  聞いていた気がするのですが・・。

並んだ、並んだ・・


 


   さて、少々蒸し暑くても・・外は、
  いつの間にか秋模様。今日も寄り道です。

   冒頭の写真は、「山萩」 なのですね。
  小さな可愛いらしい花で、見掛ける度、
  いつも、“何のお花かしら・・?” なんて、
  思っていたものです。

   今頃、名前を知るなんて。万葉時代には
  桜よりも人々に愛され、それこそ数多くの
  歌に詠まれていたという花、「萩」。

    「秋風は 涼しくなりぬ 
  馬めて いざ野に行かな
     萩の花見に」

                   ~万葉集

 高円たかまどの 野辺の秋萩 この頃の 暁露に
        咲きにけるかも」
              ~大伴家持(万葉集)

   “実に気持ちのいい天気だった ―― 9月 にしか見られない
  ような午後であり、夏がもう1日だけ夢と魔法の日を過ごそうと
  こっそり忍び戻ったようだった。
   周りは見渡す限りの収穫畑が日光に浸って拡がっており、
  厳しい美しさを讃えた北の樅が、二人の歩いて来た道を
  素晴らしいものにしていた。
   秋のキリン草 が垣をリボンのように飾り、山峡やまあいへ入って行く
  ひっそりした街道に沿った焼地には至る所に柳草の贖罪しょくざい
  火が燃えている。・・・”
             【「エミリーはのぼる」 第12章】

   今日は、上の 『アンの世界』 の描写に、ぴったりの散歩径でした。
  勿論、収穫畑は、こちらでは田圃(たんぼ)であり、「秋のキリン草」 も、ありません。
  (「秋のキリン草」 は、日本の中の 『アンの世界』 である 【こちら】 をどうぞ!)

   そうですよね。今日の暑さも、“残暑が戻った・・” なんて、
  嘆くばかりでは、いけませんね。

   “夏が、もう1日だけ、夢と魔法の日を過ごそうと、
  こっそり忍び戻った・・”
のですね。素敵なフレーズ。それならば・・。

   「セイタカアワダチソウ」 を、私は、これから 「秋のキリン草」 と、
  思う事にします。ちょっと無理かな!? でも、発想の転換ですね。

焔色の演出

2008-09-19 18:29:42 | ハーブと香り雑学


   台風13号の影響で、今日は雨が降ったりやんだりの天気です。
  今は、やんでいます。

  肝心の台風は、こちらには夕方から夜にかけて接近・・
  ~なんて、言っていますが、果たしてどうなのでしょう。

   どうやら、風より雨台風のようですね。
  それにしても、台風の進路に、やきもきするのは、今年初めて。

   そう言えば、『アンの世界』 にも、夏の終わりには、
  似たような天候が、あったようです。
  あの前向きなアンが、気が滅入る位ですから、相当な風だったのでしょうね。

   “身を刺すような東風が、
  口やかましい老婆のように、炉辺荘の周りを唸っていた。
  8月の末 に訪れる事のある寒い、霧雨の降る日で、
  こういう日には気が滅入り、万事が上手く行かなかった・・・”
            
                                    【「炉辺荘のアン」 第41章】



   さて、昨日は蝋燭(ろうそく)の事を
  記しましたが、今日も、もう少し。

   「蝋燭」 の名称は、言うまでもなく日本。
  英語で 「キャンドル」。
  中国では「ラーズウ」、韓国では 「ヤングチョ」。

   フランス 「ブージィ」、イタリアは、「キャンデラ」、
  ドイツは 「ケルチェ」。
  オランダは、「カールス」 等など・・。

   様々な名前で呼ばれている蝋燭。
  特に、これからの季節は、
  クリスマスもある事ですし、大活躍ですね。

   アンではありませんが、紫色の黄昏と共に、
  深い夕闇に包まれる時、蝋燭の灯りは、一番
  しっくりと馴染むような気がします。

   右上の写真は、去年の秋、京都で買い求めた、
  バニラの香りの 「アースライトキャンドル」 です。
 
   もうすぐ1年になりますが、点けたり消したりしているせいか、意外に長持ちしています。
  おまけに仄かなバニラの香りも漂います。このバニラは、大好きな香り・・。

   このような太い蝋燭は、中に向けて穴が空くので、それが自然に火屋(ほや)代わりに
  なるのですね。焔のグラデーションも美しく、まるでランプのようです。

   又、その崩れた形にも味わいと趣があり、愛着が湧いて来たりもします。
  蝋燭の灯りは、ゆらゆら感が安らぎの一つですが、蝋燭置きにも夢があって、
  これ又、楽しいです。

   そうそう、その右のランプは、灯油式のものが壊れたものです。
  丁度、真ん中の芯を入れる穴が、細い蝋燭にぴったりでした。

   硝子もいいですが、(焔が硝子に反射してキラキラ)こんな陶器製も。
  蝋燭の焔のゆらゆらと、お香の煙のゆらゆらも、今日は、一緒です。





 こちらは、つい先程、二階のベランダから撮りました。まさに刹那の瞬間!!
相変わらず、アンテナと電線は、邪魔ですが・・。台風は、去りつつあるようです。

焔のある優しい暮らし

2008-09-18 16:13:40 | ハーブと香り雑学


   台風の影響からか、今朝は、雨となりました。
  と言っても、降りっ放しではなく、
  早い時間からやんでいましたが・・。

   勿論、今も降っていません。曇り空。
  おまけに風もあり、
  今朝は肌寒ささえ覚えたものです。
  今は、それほどでもありませんが・・。

   ところで、こんな日は蝋燭(ろうそく)が、
  似合うと思いませんか・・? 
  でも上の写真は、ちょっと並べ過ぎですね。

   でも、これだけの量になりますと、
  かなり明るいです。蝋燭。キャンドル。

   これが食卓にたった一つあるだけで、
  部屋の雰囲気が、ガラッと変わります。

   それに、和にも洋にも不思議に合うのです。
  誰しも、1本の蝋燭の焔を、じっと見つめた経験、おありかと思います。

   そのゆらゆら揺れる美しい焔は、何とも言えない安らぎを運んで来てくれます。
  静かで・・それでいて華やかで・・。

   どんなワインよりも料理よりも、ご馳走だと思うのは、私だけでしょうか。
  そう言えば・・。

   『アンの世界』 と同じく、P・エドワード島を描いている、
  『エミリーの世界』 には、この蝋燭の事は、沢山の記述があります。
  時代背景的に仕方がないと、言ってしまえば、それまでですが・・。

   “・・・私達は、室の周りにぐるっと蝋燭を灯した。・・・・・
  即席の燭台を作るのが、大層面白く、出だしから好調で、
  それにガス灯よりも蝋燭の灯りの方が何となく、
  ずっと親しみ深いし、気を引き立たせもする。・・・”

                                   【「エミリーはのぼる」 第11章】

   明る過ぎる、部屋の明かりを消して、一度、蝋燭を灯してみませんか?
  穏やかで優しい時が流れます。心豊かな幸せな時間。

   特別の蝋燭立てなど、必要ありません。
  手持ちの硝子の器やグラス、ゴブレットなどで、十分です。

   口が広ければ、言う事はありません。
  勿論、硝子だけでなく、土物も趣がありますね。

   普通のアロマ用の小さな蝋燭も、お皿と火屋(ほや)があれば、写真の通り、
  和風に変身。この火屋は、エアコンや扇風機などの風に助かります。

   こんな時、壊したランプのそれを捨てなくて良かったと思う瞬間ですが、
  かさばりますね。

   一応、これらの蝋燭は、アロマキャンドルです。
  今日は、あまり香りの事など考えず、多くの蝋燭を灯しましたが、
  香りを揃えるのも心楽しいものです。
  尤も、これだけあっても、その香り、全然邪魔にはなりませんが・・。

普段着の心の旅

2008-09-17 18:18:14 | 路傍の花~道草


   いつもより早く目覚めた耳に飛び込んで来たのは、虫の音楽。
  それにつられ、ちょっと早いけれど、起床しました。

   確実に、季節は巡っているのですね。
  つい1ヶ月前なら、もう太陽燦々でしたのに、今は、仄白く・・。

   日の出前の魔法のような瞬間です。
  そんな他愛もない事に感心し、庭に出てみました。

   ヒンヤリして、いい気分。心は、高原。(こんな 【高原】 だといいですね)
  薔薇の葉っぱにも、カンナの葉っぱにも露が一杯!
  まだ半分眠っている? 身体に振りかけて露にも、「おはよう!」 の挨拶です。

   「早起きの鳥は ―― 心の求めるものをつかまえる」
                              【「エミリーの求めるもの」 第14章】



   出掛けたついでに、
  久し振りに寄り道して来ました。
  となると、あの場所へ・・。

   リラ版 「恋人の小径」 を
  抜けた所にある梨園です。

   ここは4月には、白い花の
  カーテンを付け、そして今日は、
  たわわに実を付けていました。

   ここは、ある大学の農園。
  こうして採れた梨は、1個100円で、
  一般にも販売もされます。

   この場所は、何度も登場していますので、お馴染みですが、
  私にとっては、アン気分に浸れる、唯一の場所です。

   “・・・私はこの小さな道が大好きだ。
  人間の友達のような気がする。
  「ぶらつく」 という言葉は、それなりに美しい言葉だと思う ――
  ある言葉のように、言葉そのものが美しいと言うのではなく、
  その意味をいかにも良く表現しているからである。
   例え、今まで一度も聞いた事がなくても、この言葉の意味は、
  はっきり分かる ―― ぶらつくは、ぶらつく以外の意味では
  あり得ない。・・・”
                     【「エミリーはのぼる」 第11章】

 


   ぶらついていると・・田んぼの畦(あぜ)道に、彼岸花を見つけました。
  「黄花コスモス」 は満開ですが、「秋桜」 は、もう少しです。まだ、ちらほらです。

薔薇のことづけ

2008-09-16 17:02:22 | リラのお気楽ユメ日記


    昨日の雨は上がり、
   真珠色の空で明けました。

    そして今朝の目覚めは、
   虫の音楽です。

    一度、夜中に目が覚め、
   “虫が鳴いているな・・”
   ~なんて、思ったものです。

    それは朝まで続き、
   気分だけは、“大草原の小さな家”。

    その空も、午前10時頃には、青空に。
   ただ、そうなると今度は、蒸し暑さまで感じてしまいます。
   今日は風が吹いているので、幾分救われますが・・。

    『アンの世界』 のような、すっきりした秋になるには、
   まだまだ時間が、かかりそうです。

   “空中には、魔術が漂っていた。
  かえでの枝越しに、ちらっと港の青い色が見えた。
  芝生に垂れ下がる柳は、柔らかに降り注ぐ黄金の雨のようだった。
   広大な空の庭園が、弧を描く下には、豊穣な土地が、
  信じ難いほどの色彩、円かな光と伸びる影の土地が、
  秋を独り占めにしていた。”
                【「炉辺荘のアン」 第29章】

   さて、冒頭の写真。
  一時、ロート・アイアンの薔薇の、こんな鏡、こぞって集めていましたっけ・・。
  尤も、ロート・アイアンに限らず、鏡は好きでしたので、他の物も買っていましたが・・。

   という訳で・・。
  壁には、あっちにも、こっちにも、鏡が張り巡らされ、置かれています。

   それは、家の中の空間を広げる・・という、思わぬ効果も、ありましたが、
  どこにいても、自分の顔が映り・・。今では、いい加減、飽きて? 来ました。

   “・・・それに、あの人は、年以上に老けて見える。
  (あたしも、老けて見えるようになったかしら) この時、
  初めて年齢が、重荷に感じられた。
  アンは、鏡の前に行き、詳しく自分を調べた。・・・・・”
   
                                         【「炉辺荘のアン」 第41章】

   自惚(うぬぼれ)れ鏡? しか買わなかったつもりですが、それも最近では・・。
  それに、アンのように、今では詳しく自分を調べるという事も、なくなりました。
  これでは、いけませんね。

    先日、ラジオで聴き、
   魅了されてしまいました、
   イタリアカンツォーネの
   CD、図書館で借りて来ました。

    図書館を利用しない手は、
   ありませんね。
  
    曲はとても軽快で、心も、
   パ~ッと、明るくなります。

和のぬくもり

2008-09-15 17:30:26 | 趣味の器(壺)~その他


   朝方は晴れ間もありましたが、
  どうやらお天気は
  下り坂のようです。

   午後2時位からぽつぽつ
  雨が降って来ました。
  
   降っているか、
  いないかのような優しい雨。

   それにしても、昨夜の
  お月様の美しかった事!!

   そのお月様は、
  運のいい事に休む頃には丁度、寝室の斜め上に・・。
  お月見しながら眠りに就くという、幸運を味わせて頂きました。

   “四季の変化に伴う、ブレア・ウォーターを全てエミリーは
  愛していた ―― 夏の輝き、黄昏時の銀色、月光の下の奇跡、
  雨の日に作るえくぼの輪、みんな美しかった。
  今のこの暗い、陰気さをも愛した。・・・”
             
                              【「エミリーの求めるもの」 第10章】

   エミリーならずとも、四季があるって、いいですね。
  尤も最近は、何事も、ドカン、ドカンと直球勝負気味では、ありますが・・。



   今日も、前置きが長く
  なりました。

   今日は、昨日の、お月見に
  因んで、月見茶席? を
  設けました。

   昨日のお団子は、甘辛い
  タレを作って、大好きな、
  みたらし団子に変身。

   お団子の下には、ローズ
  ゼラニウムの葉っぱを・・。
  甘く、仄かに香ります。

   今日は、昆布茶を入れてみました。コップは、手作り展で買い求めたもの。
  触れば壊れそうに薄いコップですが、意外に丈夫です。
  そして・・。今日は、お天気がもう一つですので、蝋燭も灯してみました。

   今宵は月の光は、望むべくもありませんが、この次には、
  月光と蝋燭の灯りだけで、夜を過ごすのも、いいかも知れませんね。

   それにしても、いつの間にか、蝋燭が似合う季節になったのだと思いますと・・
  少なからず感慨を覚えます。

   “やがて9月の夕暮れが来て・・・・・エミリーが居間の
  あちこちに挿したキャンドルも用意出来た ―― 小さな、
  嬉しそうな、黄色のキャンドル ―― 赤い、喧嘩好きな
  キャンドル ―― 夢見るような青いキャンドル ――
  トランプのハートや、ダイヤモンドを一杯に描いた
  荒っぽいキャンドル ―― ほっそりと貴婦人のようなのも。”

                               【「エミリーの求めるもの」 第9章】

今日は “ロマンティック気分”

2008-09-14 16:30:08 | 四季のスケッチ


   ちょっぴり寝坊した朝は、
  こんな空になりました。

   その空も、今では
  青空が勝り、今日は朝から
  太陽が照っています。

   いつの間にか、この太陽も、
  部屋の中まで入り込むように
  なって来ました。

   これでは家の中にいても、
  日焼けしてしまいそうです。

   そうそう、今日は 「十五夜」 ですね。今宵は、良いお月見になりそうです。

   “エミリーは、一人で、ほっつき歩くのが好きであった。
  ことに黄昏時や月光のような、
  世にもまれな時間とだけで歩くのを愛した。
  「私は、月夜には家の中には、いられないんです。
  遠くへ出て行かなけりゃ駄目なんです。」”

                                   【「エミリーの求めるもの」 第4章】

   アン も月が大好きですが、エミリー も、負けてはいませんね。
  寧(むし)ろ、アン以上かも知れません。
  しかも、今時の気候ならいざ知らず、厳冬期だって、外出するのですから。そう言えば・・。

   同じ、アンの親戚でも? ジェーン は、どちらかと言えば、
  “星” の方が、好きなようです。私も、ジェーンと同じ。
  月には、魔力があるような気がしてなりませんから。

   ところで写真は 【一昨日】 とは、
  ガラリと姿を変えた、
  “朝顔三兄弟” です。

    こうして、顔を並べて朝の挨拶・・
   なんて、して貰うと、
   愛しさも増すというものです。

    植物も、生き物だという事を、
   つくづく思い知らされる瞬間です。

    そして今宵は、お団子とススキを
   用意して、お月見と洒落込み
   ましょうか・・。
   バックは、勿論、虫の声の音楽と・・。

    「秋の野に 人待つ虫の 声すなり
       我かと行きて いざとぶらはむ」

                              ~「古今和歌集」 詠み人知らず
 
   (秋の野に人を待つという、松虫の声がする。
   待っているのは私ですか・・? と言って、さあ訪ねて行こう)
 
   それにしても、「松虫」 が、「人を待つ虫」 とは・・。 
  ここでも、日本人の素敵な感性を思わずにはいられません。
  ロマンティックな今日という日に、ぴったりの句ですね。 

過去への時空旅行

2008-09-13 17:30:02 | 音聴箱


   こちらは、しとしと雨で明けました。
  午前10時頃まで降ったり、やんだり。
  その後は、写真のような青空に。

   それにしても、一週間の早い事! 
  つい昨日、月曜日を迎えたような
  気がしますのに、もう週末。

   毎日、そんな事を言いながら、
  いつの間にか9月も
  半ばを迎えようとしています。

 “・・・・・アンは微笑し、
  溜息をついた。
  幼いリラには、長く思われる四季が、アンにはあまりに
  早く過ぎて行くようになって来た。又、ひと夏終わった。・・・・・”
       
                                         【「炉辺荘のアン」 第29章】

 今よりも遥かにスローライフだった、アンの時代。
それなのに、21世紀を生きる、私なんかと同様の思いを抱いている事に、
少なからず驚かされます。

 いつの時代でも、程度の差こそあれ、感じる事は同じなのかも知れませんね。
ところで。昨日は、思わぬ時空旅行をさせて頂きました。と言いますのも・・。

 又々、【KEN さん】 の写真から。様々な思いが交錯する、夜の空港。
しかも季節は初秋・・。舞台は、整っています。

 楽しかった夏も終わり、心に幾ばくかの寂寥感を抱えた私は・・。
自分の中の自分に出会うため? 旅に出ます・・。~なんて。

 そんな時、真っ先に思い浮かぶのは、『ジェットストリーム』 です。
“フランク・プウルセルオーケストラ” の奏でる、「ミスター・ロンリー」 のテーマ曲に
乗せて響く、城達也のナレーションは、あまりにも有名ですね。

 その昔、この番組を聴く度に、憧れの場所を思い描き、
まだ見ぬ異国の地に、思いを馳(は)せたものです。

 昨夜、久し振りに聴いたそれは・・。期待が大き過ぎたのでしょうね。
それに、まだまだアナログだった世界。今では、地球も狭くなりました。

 初恋は、そのままにしていた方がいいとは、この事ですね。
又一つ、昭和が遠くなりました。

 最後に。ナレーションを記して置きます。
この文章ばかりは、今も心時めきます。皆様も、今宵空の旅を・・。 



【オープニング・ナレーション】
 
遠い地平線が消えて、深々とした夜の闇に心を休める時、
遥か雲海の上を、音もなく流れ去る気流は、
たゆみない  宇宙の営みを告げています。

満点の星を頂く 果てしない光の海を、
豊かに流れ行く風に  心を開けば、
煌(きらめ)く星座の物語も聞こえて来る、夜の静寂(しじま)の、
なんと饒舌(じょうぜつ)なことでしょうか。
光と影の境に消えて行った、遥かな地平線も 
瞼に浮かんで参ります。

これからのひと時。日本航空が、あなたにお送りする
音楽の定期便。「ジェットストリーム」。
皆様の、夜間飛行のお供を致しますパイロットは、
私、城達也です。



【エンディング・ナレーション】

夜間飛行の、 ジェット機の翼に点滅するランプは、
遠ざかるにつれ、次第に星の瞬(またた)きと
区別が、つかなくなります。

お送りしておりますこの音楽が、
美しくあなたの夢に、溶け込んで行きますように。

日本航空がお送りした音楽の定期便、「ジェットストリーム」。
夜間飛行のお供を致しましたパイロットは私、城達也でした。
 



月光に濡れる庭

2008-09-12 18:01:21 | 四季のスケッチ


   いいお天気が続きます。日中は、まだまだ暑いけれど・・
  夜になると、途端に秋を感じる今日この頃。

   おまけに昨夜は、白く透き通るような美しい月・・。神々しささえ、覚えるような・・。
  それでいて、決して近寄り難いものではありません。

   その上、鈴虫や松虫達の演奏会付きと来ています。
  今度の日曜日(14日)が、十五夜なのですね。(満月は15日)

   それは、まだ十分、日の残っている東南の空にも、白く輝いていて・・
  今の時期、妙に安心感を覚えたものです。

   勿論、それは移動して行きます。でも折に触れ、夜空を眺め・・。
  屋根の隙間から、ひょっこり顔を覗かせている月に出会うと、
  なぜか嬉しくもなるのです。

   月には時に、よそよそしい月と親しみ深い月があると、常々思っているのですが、
  今頃の月は、後者の方。温かく見守ってくれているような気がしてなりません。

   「『月光のゆらめき』 ―― 永久に消えない文学的な句の一つだよ、
  ジェーン。言葉の中に魔法がこもっているような句があるものだよ。」

                                      【「丘の上のジェーン」 第22章】

 


   以前にも記しましたが、
  その月夜に一番似合うのが、薔薇。

  “ 白い月光を浴びて佇む薔薇”
  ~なんて何とロマンティックなのでしょう。

   その薔薇が、『中秋の名月』 に、
  間に合ってくれて、嬉しい限りです。

   それにしても、
  薔薇の微笑みって美しいですね。

   そう言えば、アンの親戚? のような
  エミリー が、微笑について、
  面白い事を言っていましたっけ。

   “適切な微笑は、
  大きな働きをする。
  この問題を注意深く研究しなければならない。
  親しみのこもった微笑 ―― あざけるような微笑 ―― 超然とした
  微笑 ―― 懇願する時の微笑 ―― ありふれた微笑。”

                                   【「エミリーはのぼる」 第7章】



            
             虫の声
                    作詞・作曲不詳 「尋常小学校読本唱歌」

     1.あれ 松虫 が 鳴いている
     ちんちろちんちろ ちんちろりん
     あれ 鈴虫 も 鳴き出した
     りんりんりんりん りいんりん
     秋の夜長を 鳴き通す
     ああ面白い 虫の声

    2.きりきりきりきり きりぎりす
     がちゃがちゃがちゃがちゃ くつわ虫
     あとから 馬おい 追い着いて
     ちょんちょんちょんちょん すいっちょん
     秋の夜長を 鳴き通す
     ああ面白い 虫の声
 

小さな秋の隣り

2008-09-11 18:04:09 | ハーブと香り雑学

【「アカザ」 の花】


   朝早い東南の空は、こんな柔らかい
  空で、明けました。優しい菫色の空。

   今は雲一つありません。
  ただ、昨日辺りから
  ちょっとだけ夏に後戻りしたような・・。

   でも、こうして後戻りしながらも、
  季節は確実に・・少しずつですが、
  秋に歩を進めているようです。

   「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種ななくさの花
  萩が花 尾花 くず花 撫子なでしこの花 女郎花おみなえし また藤袴ふじばかま 朝顔の花」

   (注:朝顔は、桔梗のこと)                 ~「万葉集」 山上億良

   春に向かう時のワクワク感は、誰にも経験あると思いますが、
  秋に向かう時の気持ちも、違った意味での心の時めきが、ありますね。

   季節の黄昏でもありますので、ある種の寂寥感も伴なって、春よりも心により深く、
  沁みるのかも知れません。上手く言い表せませんが、そんな気がします。

 
【アップルミント・ステビア】

   相変わらず、朝の花火こと、
  朝顔は、はにかんだ笑顔を見せ、
  庭のハーブの小さな花達も再び盛んです。

   そして、その上を様々な蝶が飛び交い、
  ちょっとした賑わいを見せています。

   「・・・庭を美しくするって、
  嬉しいものだね。
  スーザンが言ってたけど、全ての
  ものを美しくするのは神様だけど、
  僕らに少しばかり、そのお手伝いが
  出来るんだって。そうなの母さん?」
                 
   上の言葉は、アンの息子、ジェム のものです。
  素敵な会話。素敵な家族。
  当然、アンの答えも奮(ふる)っています。

   「いつでも出来ますとも・・・いつでもですよ、ジェム。
  神様は、その特典を、あたし達と分け合って下さるのです。」

                                 
   こんな気持ちで花を育てるのですから、花は喜んで美しく咲くのでしょうね。
  ターシャさんや、先日のベニシアさんにも共通するような気がします。
  ジェム の素敵な質問をもう少し・・。

   「母さん、どうして月の光をかき集められないの?」
  「母さん、僕たち実際、あんまりロマンティック過ぎる一家かしら?」

                                   以上 【「炉辺荘のアン」 第29章】