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俳人杉田久女(考)、旅行記&つれづれ記、お出かけ記など。

久女の魅力満載の句画集『杉田久女101句』

2017年02月03日 | つれづれ

昨年は女性俳人の草分け的存在である杉田久女の没後70年でした。それにちなみ北九州の文化の息吹きを伝える活動をしている「北九州ディスカバリーの会」がこんな句画集を刊行されました。


杉田久女は旧小倉中学の美術教師の妻として小倉に住んでいた大正5年に俳句に目覚め、高浜虚子を師と仰ぎ、『ホトトギス』同人として活躍しましたが、のちに虚子から同人を除名されるなどして不幸の中で没しました。

久女にとって小倉での生活は必ずしも満ち足りたものではなかった様ですが、しかしこの地から近代女性俳句の草分けとして活躍し俳句史に大きな足跡を残しました。

101句の選句と鑑賞を杉田久女研究の第一人者の坂本宮尾さんが、画を北九州市出身の画家、西川幸夫さんが画いておられ、久女の魅力満載の句画集です。

西川さんは風景画が専門。この句画集では鉛筆画を彩色する手法で、下の写真の様に久女の代表作「谺して 山ほととぎす ほしいまゝ」には深閑とした山を、「張りとほす 女の意地や 藍ゆかた 」の句には朝顔模様の藍色の浴衣を斜めにクッキリと描き、久女の心模様が表現されています。




巻末に「杉田久女とおばら」と題した久女の長女石昌子さんのご長男、石太郎氏の淡々とした心に沁み込む様な文章が載っています。

それによると、久女は昭和17年夏に夫宇内の父が小原村松名で死去した時、松名にしばらく滞在し、そこで「腹返す 鯉大きけれ 水は秋」という句を作ったと書かれています。久女が亡くなる3年半前位の作ですが、やはり完全に俳句から決別したわけではなかったのですね。その当時の彼女の気持ちを想像すると、何だか胸が苦しくなります。

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