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俳人杉田久女(考)、旅行記&つれづれ記、お出かけ記など。

気まま旅行の北海道 ~動揺した話~

2016年09月03日 |    北海道

富良野での観光が終わったのは午後4時過ぎ位だったでしょうか。この日の宿泊は星野リゾートがあるトマムでした。

富良野を出発する時、車のナビに宿泊先のホテルの電話番号を入力すると、4つほどのルートが出て来たので、何心なく一番最初に示された道を走行することにしました。

すると最初はごく普通の道でしたが、途中から何となく道路の両側が森になって来て、いつの間にか道も舗装道路ではない、今まで走ったことがないような砂利道になってきました。

そして次第に道幅も狭くなって、車一台がやっと通れる位の細い砂利道になり、気が付くと道の両側は原生林の様な深い森になって、この頃には何となくこの道は変だと感じる様になりました。

車一台がやっと通れる位の原生林の中の道で、通っている車は全くありません。砂利道なので、走行中は絶えず車の床に小石が当たる音がボコボコしています。そこにエゾ鹿が一頭飛び出して来て、パッと車の前を横切りました。この時、次はヒグマに遭遇するかもしれないと恐怖を感じました。

夕方で深い森の中なので、辺りも車の中も暗く感じました
。運転席の夫を見ると、平気な顔で動揺した様子には全く見えなかったので、私の気持も少しは落ち着きましたが...。

そんな感じで深い原生林の中の道をしばらく走行すると、向うから中年の男性一人が乗った車が来ました。こんな道なので、すれ違うことが出来ません。するとその車は少し道幅が広くなった所まで10m以上バックしてくれました。初めて車に出会いホッとしました。この車が原生林の中の砂利道で出会った、ただ一台の車でした。

この道で果たして、今日の宿泊先の星野リゾート トマム ザ・タワーまで行けるのか、など一人で不安に思っている時、今度は原生林の中から、ビックリするほど大きなエゾ鹿が道の真ん中に現れ、車が近づいても動こうとしません。夫がクラクションを思い切り強く鳴らすと、やっとゆっくり原生林の中に入って行きホッとしました。

不安に思いながら走行しているうちに、原生林が普通の森の様な感じになり、辺りが少し明るくなって、道も舗装道路になり、道路標識がある普通の道になりました。この間、15kmは優にあったと思います。

それから数km走って無事に星野リゾートに着きました。ホテルのフロントで、今、通って来た道の事を話すと、私達が通った道が富良野からの最短の道なので、ナビによってはその道を一番目に表示することがあるそうなのです。一般的には普通の道を教えるナビが大部分だそうですが...。私達の借りた車が、運悪く一般的ではない道を教えるナビを搭載した車だったという訳ですね。

土地勘が無いとは、こういうことなのですね。この辺りのことを少しでも知っていれば、この道が原生林の中を通る道だと、何となく判るはずですから。

ホテルの部屋に落ち着いた時、夫が「あの道を
よく無事に通り抜けられたと思う」と、しみじみとした口調で言ったのには驚きました。無事に目的地に着けるかどうか、不安を感じながら運転している様には全く見えませんでしたので...。

私はかなり動揺していたのでしょう、ケータイがつながるかどうか、確かめるのもすっかり忘れていましたから。もしつながらなければ、あの道で何かあった時どうなるんだろうと考えると、今でも恐怖心が湧いてきます。

下はまだ私の気持ちに写真を撮る余裕があった、この道に入りこんだ最初の頃に助手席から写した写真です。道幅がまだある程度あり、森もまだそんなに深くありませんね。



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