日々の暮らしに輝きを!

since 2011
俳人杉田久女(考)、旅行記&つれづれ記、お出かけ記など。

映画 『パラサイト 半地下の家族』 

2020年02月22日 | お出かけ

昨年のカンヌ映画祭で最高賞のパルムドール賞を受賞し、今年、アカデミー賞4部門(作品賞、脚本賞、外国語映画賞、監督賞)を受賞した韓国映画『パラサイト 半地下の家族』を観ました。

特に韓国映画が好きというわけではありませんが、そんな高い評価を受けた映画とはどんな映画だろうと興味が湧き観て来ました。最後はどんでん返しがあったりもするのですが、結構面白い映画でしたよ。一緒に見た夫は、「全然面白くない、マンガ、マンガ」と言っていましたが(笑)。この映画を観た翌日に、テレビのBSプレミアムでフランス映画『最強の二人』を観ましたが、夫はこの映画の方がずっと面白いと言っていました。それは私にもわからないではないですが(笑)。

韓国特有の下町の半地下に住む、家族4人全員失業中でその日暮らしのキム一家。一方は高台の高級住宅街の豪邸に住むIT企業社長のパク一家。ひょんなことからキム一家の浪人中の息子がパク家の娘の家庭教師の面接を受けに行くところから物語が始まります。

浪人中というのを隠して家庭教師に採用された後、自分の妹だということを隠して言葉巧みに妹をパク家の小学生の息子の絵の家庭教師にさせ、次々に同じような方法で人のいいパク夫人に取り入って、自分の父親や母親をパク家の
運転手や家政婦にさせるという筋書きです。

キム一家の四人が家族だということを隠して次々にパク家に寄生していく過程が、少し強引ではあるけれど面白く又、観客を納得させてしまう展開が巧みだな~と。

中盤からは少し様相が変わって来て、富豪のパク一家の住むこの豪邸には台所の棚の後ろにパク一家でさえ知らない地下室があり、そこに以前の家政婦の夫が住み着いていました。つまり、パク家の豪邸にはもう一人のパラサイトがいたのです。

ソウル近郊の豪邸には北朝鮮の核攻撃にそなえて頑丈な地下室を備えている家があるそうで、有名建築家が建てたこの家を、中古で買ったパク家はそのことを知らないという筋書きで、知っているのは有名建築家の時代からこの家で働いていた家政婦だけという設定で、笑ってしまいますね(^-^)

そして、パク家の庭で賑やかなガーデンパーティが行われている最中に、地下室にいた元家政婦の夫やキム一家の父親が、見ている私達には何が何だか分からないうちに、ホラー映画のような凄惨な殺人劇を繰り広げるのです。ホントに驚愕の展開です。

元家政婦の夫は地下室でキム一家からひどい仕打ちを受けたので、キム家の母親を襲ったのだろうと思いますが、キム家の父親は何故IT企業の社長を襲ったのでしょうね。それまでこの父親は豪邸に住むパク社長に何の反感も持ってない様に描かれていたのですがね~。下流の生活から這い上がれない不満に、社長のちょっとした言葉が火をつけたのでしょうか? よくわかりませんね~。

日本を含めた世界的な問題の格差社会を問題提起する場合、ドキュメント的に、あるいは悲観的に描くことになりがちですが、この様な面白い形にして、その結果多くの人に見てもらえるエンターテインメント作品に仕上げ問題提起したことが、この映画のすばらしさではないでしょうかね~。