KBCシネマで映画『クロワッサンで朝食を』を観ました。最近は人が集まる場所はどこも私達位の齢の女性で大賑わいですが、福岡市の映画館も例外ではなく、平日の昼間は高齢者ばかりといってもいい位です。この日も驚くほど多くの方がチケット売り場に並んでおられました。カップルで来られている方々も多かったですね~。
皆様、『クロワッサンで朝食を』という題名から軽快な映画を想像なさるでしょうね、きっと。でも、そうではないんですよね~。老いがテーマの重苦しい内容でしたが、そこはフランス映画、一つ一つのシーンが流れるようにすすんで、最後はホッとする幕切れでした。
エストニアのとある町で母の介護をしながら暮すアンヌ。
その母の死により、あこがれていたパリで家政婦として働くことに。
アンヌが働く家は高級アパルトマンで、そこには同じエストニア出身の
気難しい裕福な老婦人フリーダ(ジャンヌ・モロー)が一人で住んでいた。
フリーダ役のジャンヌ・モローはお金持ちのわがままな
意地悪ばあさんをうまく演じていた。黒のシャネルスーツも
よく似合っていたし。
この二人の女性と、もう一人の登場人物はカフェの店主ステファン。
実は彼はフリーダの昔の恋人(今も?)で、歳はフリーダより2回りは
下だろう。カフェもフリーダから貰ったもの。フリーダの家政婦として
アンヌを呼んだのもステファンなのだ。
このステファンがなかなかいい味を出していた。
この3人でストーリーが流れるように展開していく。
シャイヨ宮のテラスから見えるエッフェル塔。
アンヌのウインドウショッピングのシーンに出てくるパリの街並み。
ホントにパリは美しい!
ステファンのカフェを訪ねた後のアンヌの含み笑い。
これは何を意味するのか??
そこはそれ、あまり深追いしないのがフランス映画。
アンヌに少しづつ心を開きながらも、自己中心のフリーダ。
それでも最後にはアンヌはアパルトマンに戻ってくる。
「アンヌ、ここはあなたの家なのだから」とのフリーダの
最後のセリフで、あ~ホントにアンヌを受入れたのだなぁ~と。
アンヌ役のライザ・マギーは、エストニアからパリに出てきた頃の野暮ったい感じが、ストーリーが進む毎にファッションも表情も生き生きと。都市が持つ魔力でしょうね~。もしかすると、この映画の主役はジャンヌ・モローではなくこの女優かも。
老いがテーマの映画ですが、流れるような美しい映像のフランス映画なので、ストーリーが進むごとに重苦しさが薄まっていったようにも...。親子ほど歳の違う二人、フリーダ役のジャンヌ・モローとアンヌ役のエストニア(?)の女優(ライネ・マギー)とが、それぞれの役を丁寧に演じ、フランス映画らしい作品に仕上がっていました。
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