ゴルフィーライフ(New) ~ 龍と共にあれ

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宮沢賢治、アメニモ モンクタレズ

2010年06月26日 | 読書ノート
これまで、どうもシリアスで窮屈な扱われ方をされてきたと言えなくもない宮沢賢治を
もっと広やかな世界のなかに連れ出すことができたら、という試み。

哲学の東北 (幻冬舎文庫)
中沢 新一
幻冬舎

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宮沢賢治が生涯座右の書にしていたのは、「科学本論」という当時の先端だった化学の本だそうです。
賢治のキーワードに「二相系」というのがあり、
ある時には生に転換され、ある時には死という現象(相)に転換されるけども、その両方を作りだしてくる第三領域の存在に興味を持っていたようです。

私たちが生きている世界は、四次元の現実が三次元に切り取られた断面としてここに現れている。

時空とあの世についてに書いたこととか、興味の方向がなんだか似ている。


賢治について語られる時には、メルヘンとか童話や詩といった、ナルシシズム的な主観の内部で作られる世界に惹かれるファンが多いが、
賢治も関心を持っていた仏教の教えも、人間がいかに客観であり得るのか、といういうこと。
主観を通して客観へ出ていくということが仏教の中でも大きなテーマになっている。

賢治は高いサイエンス リテラシーを持っていて、
人間中心主義的ではなく、樹木や動物の視点まで、自在にズーミングしたり、自在なスケーリングを使って目まいを引き起こさせる。
自然が喜ばずエロチックな結びつきになることもないレイプではなく、賢治の場合は自然と人間がセックス、交接をしている。



ファンタジーだけで語られると、おとぎ話かウソのようでピンときませんが、
これはなかなか大人の鑑賞に堪える本質的なモノを感じました。
教科書では味わえなかったものって沢山あると今さらながらに思います。

ちょびちょび、と遅まきながらの宮沢賢治、といきますか。


永井荷風をはじめとして、フランスにかかわった日本の文学者は風景や自然とのエロチックな関係を主題にしていません。問題は、女、なのです。女性が自然より以前にエロチックな存在としてあらわれてしまう。
ところがイギリス人は禁欲を媒介にして風景をつくりあげていきますから、自然そのものが女よりも奥に秘められたエロスの濃厚さを感じさせます。賢治はそういう風景にひかれていたんではないでしょうか。


一見ずいぶん遠まわしな物言いにも思えますが、エロスをロマンと読み換えるとわかりやすくなる。


(↓)明日は晴れろ~。
   雨が降っても文句たれんなよ、って歌うマムーニア、ボーカルだけの珍しいバージョン。



Mamunia (vocals) - Paul McCartney & Wings


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2 コメント

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アメだとヒキコモリになる (いずきち)
2010-06-27 10:28:15
宮沢賢治の話じゃないが、、、
「時空とあの世について」の「あの世」の感覚が新鮮でおもしろい。
久しぶりにこの手の本を読んでみたくなった。
返信する
いらっしゃいませ (おまる)
2010-06-28 01:04:50
そうやろ~
量子力学とか相対性理論の話は、
話をどう切り取るかで、
すごく興味の湧くものになる。

現役理系マンに関心を示してもらえるのはうれしいことです。

アメデモ ゴルフやってるアマガエル
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