このひと、すごい人だなぁ。
優しいおかみのような、ほだされるような仕草や表情を見せたかと思うと、
ときに人間の奥底に潜む醜さを鋭いフレーズで突き、
返す刀は、傷ついたひとへの魂を揺さぶるようなエールへと変わる。
それでいて、喋るとコミカルで、脱力したチャーミングなキャラが顔を出す。
まさしく、意識の中に三匹の龍を飼っているが如き、憑依ぶり。
それでいて、そのどれもが嘘を感じないから、どれもが良い、と思ってしまう。
私より15も上ですよ。60近いのか、びっくりした。
内面に限らず、内面も外面も、人は単純に年齢では測れないものだとあらためて思いました。
内面と外面の化学作用というか、相互に反映し合う作用反作用というのか、
年齢を重ねて、外面的にも魅力を増して、吟醸へと向かっているように思える。
こんなパフォーマンスというか、ふるまいで魅せてくれる方は、ちょっと見当たらない。
中島みゆき 重き荷を負いて
私も、"お土産ことば"をたくさん 置いていくことを心がけていれば、
15年経った頃には、こんな素敵なひとになれるのかしら。
( ↓ ) 少し前のインタビューですが、
時間感覚のズレみたいなものとか、面白いひとだと思う。
彼女は近視なのに、普段はあんまり眼鏡やコンタクトをしないらしい。
" その方が、見たくないものまで見えないからかえって都合がいい"ようなことを言ってたのをよんだことがあります。
それを見習っているわけではないのですが、私も仕事のとき以外、普段は眼鏡はしない。
ぼーっと見えてるし、TVもよく見えなかったりするんだけど、
眼鏡かけてるのがキライなんですね。30歳過ぎまでは眼鏡とは縁がなかったし。
ましてや無精者なのが自分で分っているので、眼に悪そうなコンタクトなんぞ手を出したこともない。
彼女のファンに怒られるかもしれませんが、このインタビュー見てると、ところどころに近しい感覚を感じます。
中島みゆき chikushi 1
中島みゆきは、若いころはそうでもなかったのに、年齢を経るにつれて、段々すきになってるよな気がします。
映像が解禁になったのか、しばらく見ぬ間に中島みゆき関連の映像が随分増えているので、また時々クリップしようと思ってます。
" 意識の中に三匹の龍を宿す " コンセプトにもあってそうに思えるし。
(↓) なぜか、最近頭に浮かぶことが多い、八代亜紀の舟歌。
子供に色々かかるようになってくると、
腕時計を買おうとしてやめた時もそうでしたが、
自分の腕や体はどうせ一つ、胃袋も一つなんだから、あれもこれも、ってガメる必要はないよなぁ、と考え直す。
そんなとき、"肴は炙ったイカでいい "っていう控え目さの美徳に思いを至すことがある。
八代亜紀 舟歌
~ 戦後世代の本体は明治人なんですよ。それこそ「蛍の光、窓の雪」で刻苦勉励した世代の人たちが、70年代まで社会の一線にいた。
そういう人たちのメンタリティは、たぶん江戸時代と地続きだったと思っていいと思うんです。 ~ (内田 樹)
龍 〆