日々是好日

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安倍首相 「慚愧に堪えない」の真意は

2007-05-28 21:34:33 | Weblog

電車に空席があるので坐った。ふと隣の人の新聞に目が行ったが新聞と云うには少し異常なのである。記事の活字が一様に大きい。そして「永田町・霞ヶ関騒然」の文字が飛び込んだ途端、私は察した。松岡農水相が自殺か、と。

これには伏線があった。去る23日、駅のスタンドで夕刊の「松岡 自殺」の大きな見出しに、「さては」と思い慌てて買い込んだら、事務所関係者の自殺を報じていたので、なんだか肩すかしを食らわされた思いをしたからである。私にとっては二度目の正直であった。



新聞を横目に見て思わず唸ったものだから、それを読み終えた乗客が、どうぞと云って私に下さった。「政治と金」が取り沙汰されると、必ずと云っていいほどその名前が取り沙汰される松岡大臣であったが、結局政治資金収支決算書に記載された光熱水費や事務所費の不透明な支出について、国民に対する説明責任を果たすことなく、政治家としての生命に終止符をうった。自ら墓穴を掘ったとはいえ痛ましい限りである。ご冥福を祈る。

7時のNHKニュースで安倍首相のコメントを聞いた。そのなかに「大変残念だ。慚愧に堪えない」の発言があり、一瞬とまどいを覚えた。慚愧とは新明解辞典には《取り返しのつかない事をしたと強く悔やむと共に、自ら恥じること》とある。私はまさかとは思いながらも、現職大臣の自殺という未曾有の出来事を引き起こした安倍首相が、自ら恥じるべき事を覚り、自らの出処進退を決意したのか、と思ったのである。

松岡大臣を意固地に擁護したのは安倍首相である。政治家として疑惑を持たれた閣僚に、国民に対する説明責任を果たすべく指示を与える立場にある安倍首相が、一切頬被りして盲目的に松岡大臣を擁護するという見苦しい行動を一貫してとっていたのである。

国民のほとんどが不信を抱いた松岡大臣を任命し、かつ最後まで擁護した安倍首相が『自ら恥じる』と云うのであれば、それをどういう形で現すべきなのか、国民の思いは一つであろう。国民の信頼回復を計るためにも、自ら内閣総辞職を断行すべきであると思う。それが出来ないような不甲斐ない安倍首相であるなら、野党が内閣不信任案を提出すべきである。


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