日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

鼠小僧次郎吉のご利益

2007-12-06 20:00:50 | 旅行・ぶらぶら歩き
両国の江戸東京博物館を見物したついでに回向院に向かった。天明元年(1781)に境内で行われた勧進相撲が国技館大相撲の前身ということなので、以前にも朝青龍のことでブログで触れたこともあり、とにかく見てやろうと思ったのである。勧進相撲の場としての面影は消え失せていたが、思いがけなくも有名人のお墓に出会った。鼠小僧次郎吉なのである。

回向院は明暦三年(1657)の江戸大火(振袖火事)の死者を埋葬した無縁塚が起こりであるが、万治年間(1658-61)に刑死者を弔うために三仏堂が建てられ、さらに寛文七年(1667)には小塚原刑場に別院の常行庵が建てられたと言うから、この刑場で処刑された鼠小僧次郎吉のお墓があるというのも辻褄が合う。



もともと鳶人足であった次郎吉が身をもちくずし武家屋敷などに侵入して盗みをはたらき、一旦捕まえられて入れ墨・追放となった。しかしその後も盗みを重ね、天保三年(1832)、最後に大名屋敷に忍び込んだところで捕まり、江戸市中引き回しの上、小塚原で磔、獄門となったのである。

武家屋敷での盗みが多かったので当時から義賊との評判が高く、盗んだ金品を貧乏人に分かち与えたとの話が芝居や講談などで語り継がれて広まった。この次郎吉の墓碑の前に「お前立ち」という石塊が置かれていて、見ていると参詣人が小さな堅い石片でこの「お前立ち」を削っていた。立て札にそうするように書かれているのである。

削り取った粉をどうするのかと思って尋ねてみると、この粉包みをお財布に入れておくとお金が増えてくるとのことなのである。義賊の施しということだろうか。私も石塊を削り粉を集め硬貨入れに入れて持ち帰った。しかし今では札入れに収まっている。次はこのお札で宝くじを買ってみようかと思う。


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