日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

「寅さん」はいいな

2006-04-13 20:04:57 | Weblog

今週一杯NHKのBSで「寅さんシリーズ」を放映している。視聴者からの投票で選ばれたトップ5位を順番に放映して夕べはその第三位、マドンナは浅丘ルリ子だった。珍しくもマドンナと激しい言葉の応酬があったがそれはそれ、大雨の中、傘を持たずに出かけたマドンナを駅まで出迎えて大きな番傘に入れて連れて帰るシーンがいい。タイトルの相合い傘である。

寅さん映画は途中でうとうと寝てしまっても目覚めてしばらくするとストーリーが自ずと繋がってくるのがいい。パターンが出来上がっているからでだから安心して居眠りが出来る。

それにしても寅さんは幸せ者である。家に帰ってきたら拗ねたり僻んだりもう大ぴらに自分の感情を爆発させる。そのために家に帰ってくるようなものである。『甘え』を許す家の存在が大きい。

なによりも羨ましいのは毎回違ったチャーミングな女性と細やかな情を交わすことである。もともと寅さんを結婚させる意図がないのだから余計な打算を物語に入れる必要はさらさらない。結婚を潔く諦めるとこんなにも素晴らしいロマンの世界が大きく広がるなんてこの映画で喧伝されては少子化対策に躍起の厚生労働省も気になることだろう。

少子高齢化の高齢者にもまだ夢がある。愛妻老妻はもはや空気のようなもの、意識することもなくなると独身者と同然である。もちろんどんなに素晴らしいマドンナに出会っても結婚なんて不埒なことを考えない限り寅さんと同じではないか。こういう高齢者のマドンナ物語をまたシリーズで作る監督が居てもいいような気がする。ヒットは疑いなかろう。

話がつい脱線したが、分かりやすい寅さん物語で解けない疑問もある。寅さんが店を開いたときの商品がどういう経路で寅さんの手元に届くのか、どう考えても分からない。寅さんのあの鞄の中に納まる筈がないし、仕入れのお金の出所も心配だ。心配といえば国民年金の掛金もちゃんと払っていたのかどうかも気にかかる。

寅さんの生活している場所の雰囲気を味わいたくて昨年の10月、葛飾は柴又まで出かけた。生憎の大雨で柴又駅から帝釈天参道のお団子屋さんの前を通り帝釈天まで、さらに川縁まで足を伸ばしてあの土手を歩きたかったが足元がジュルジュルでズボンの下の方もグショグショになってしまった。「お琴・三味線張替処」の張り紙が珍しくて写真を撮ったら鏡の私の姿も写っていた。上の写真がそうである。やはり一人旅であろうか、雨具の用意のない女性によほどお入りなさいと声をかけたかったが、携帯の折りたたみ傘では道具不足で寅さんになり損ねた。


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