日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

「Millennium」には地図がないが・・・

2010-02-15 23:19:38 | 読書
先日述べたスウェーデンのミステリー小説「ミレニアム」の英語版を読んでいて不便に感じたことがあった。大企業グループの創始者一族を中心に住人が今や二十数人しか住んでいない孤島で、40年ほど前に女の子が失踪する事件が起こった。その謎を解き明かすべくこの大物に依頼された主人公がその島に住み込んで未だに姿を見せないその少女の謎を解き明かすべく探索を始めるが、まずはその島に住んでいる一族のそれぞれの家がどこにあるかなどの説明がことこまかく出てくる。ふつうこのような場合は地図がついていて、言葉で説明されるよりも位置関係がすぐに分かるようになっているだろうに、一族の系図は出ているものの地図が出てこない。これなら説明に従って自分で地図を作るべきかなと思いつつも、Google地図で調べてみた。するとこの孤島は見つからないが、孤島が属している町Hedestadに関係するのであろうか、ストックホルムの西方にある場所のスウェーデン語による説明にこの小説の作家Stieg Larssonsの名前などが出てくるのである。

Gnesta blir Hedestad - i filmatiseringen av Stieg Larssons trilogi
Filmatisering av Stieg Larssons deckarroman i Gnesta

Gnesta blir Hedestad i en filmatisering av Stieg Larssons deckarroman Män som hatar kvinnor. Filminspelningen börjar redan under våren och kommer av och till att pågå under 2008.

小説に出てくる架空の場所と同じ名前、とか記されているのであろうか。いずれにせよこれで孤島の名前はまったく架空であることが分かった。ところが、である。日本語版の「ミレニアム」を読んだという人から、日本語版にはちゃんと地図が出ていると聞いたのである。こんな片手落ちが許されるのかとブログを探してみると、原書であるスウェーデン語版には拡大図を含めて2枚の地図がついていることが分かった。しかしなぜか英語版、スペイン語版、オランダ語版にはこの地図が出ていないということで、それぞれの読者は地図があったらいいのにと託っているのである。ところが有難いことに今年の1月10日に投稿されたメッセージで、英語版の翻訳者が読者の便宜のために準備した英語版の地図がダウンロード可能であることが分かりそれを早速手に入れた。また日本語版をお持ちの方から地図のコピーをメールで送って頂いたので、これで読みやすくなった。

それにしても英語版、スペイン語版、オランダ語版ではなぜ地図が省かれたのだろう。ひょっとしたらこれらの言語を使う人たちは、文章の説明に基づいて地図のような図形を頭の中に描く能力が優れているので、わざわざ地図をつけるまでもないとでも思われたのだろうか。どなたか説明していただきたいものである。それはともかく、ますます「Millennium」から離れられなくなっているのが現状である。

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