日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

政治家の「字は体を表す」か?

2009-07-22 17:45:44 | Weblog
衆議院が解散し、いよいよ選挙戦が始まる。世襲議員に国民がノーを突きつけ、自民党が一度下野することになればまずは御の字である。次の政権の中核は民主党になりそうな雲行きであるが、民主党も玉子の白身を泡立てたメレンゲのようなもので、空気だけで膨らんでいるような気がする。自民党、民主党と言わず、国民の信託に応えられそうな政治家を既成政党の中から誰一人として思い出せないのが悲しい。昨夜、NHK7時のニュースのあとで行われた6党代表者による生討論の番組を観て、その思いをさらに深めた。

出席者は自民党細田幹事長、民主党岡田幹事長、公明党北側幹事長、共産党市田書記局長、社民党重野幹事長、国民新党亀井幹事長の6人で、NHKアナウンサーと政治記者?が司会をしていた。各党代表者はそれぞれテレビ中継で画面に顔を出し、司会者の問いかけに応じて一人ひとりが意見を述べる。司会者に力量があればAの意見に対して、B、Cがどう答えまた反論するかを上手に導くことで議論がかみ合い、聴視者があまりフラストレーションを感じなくて済む。よく見かけるテレビ討論会などで全員が一堂に会していると、お互いがてんで勝手に発言することが多くて、聞いている人のことが念頭にないような姿勢に嫌気がさすものである。だからこのNHK生討論の形式をこれからも積極的に取り上げてほしいと思ったが、昨夜は各党代表者のあることに失望してしまった。

司会者の問いかけに、一人ひとりがその考えを色紙のようなものに書いて示していたが、その字がどうもいただけないのである。お一人だけは上手とは言えないまでも味のある字を書いていたが、なかには稚拙としか言いようのない文字を臆面もなく国民の目に曝している人もいた。

「名は体を表す」とも「字は体を表す」とも言う。さらに書家は「書は人なり」と説き、マルキストの福本和夫は「書は人なりで、書でもって人柄がよくわかるが、私はさらに書は体格なりで、書でもって体格さえ察せられるようにおもっている」と述べている。戦前の日本と異なり、今や政治家の揮毫が珍重されるような時代でもないが、政治家ならせめて気迫の籠もった字を書いて欲しいものだと思った。いつでも消しまっせ、と言わんばかりのくしゃくしゃとした字で、見かけだけはもっともらしいことをいくら書いても、見る方に本当らしさがこれっぽちもが伝わってこない。これだけで政治家失格である。

誠実さの伝わる、そしてできたら雄渾な文字を書く政治家に天下を取らせたいものである。

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