この季節になると蟻が私の机の上を忙しげに走り回る。部屋は2階で北東を向き、二面の窓はアルミサッシで、一見蟻が侵入しそうな穴は見あたらないがどこか秘密の侵入ルートがあるに違いない。むずむずすると思ったら腕や脚を這い回っている。ある朝、ティッシューを取り出そうとしてぎょっとした。蟻の大群がティッシューに群がっているのである。このティッシュー、すこし甘い匂いがするのでそれに釣られてやって来たのだろうか。これまでも再々あったのだが、今回に限ってなんだか頭が働いて、ティッシューに蟻が行き着けないように工夫した。と言ってもガラス製のペーパーウエイトにティッシュー箱を載せただけである。つるつるするガラスを登り切ったとしても、今度は背面走行をかなりしなければティッシューに辿り着けないから、蟻も意欲減退するだろうと思ったのである。それ以来もう一週間にはなるが、ティッシューにまで到達した蟻はまだ一匹もいない。実験成功である\(^^@)/。それにしてもこのティッシューのメーカー、芳香剤が蟻を誘引することに気付いているのだろうか。
話は一転するが、子供の頃よく歌った軍歌に「荒鷲の歌」というのがある。一番の歌詞は次の通り、赤蜻蛉とは敵の飛行機をさげすんだ表現で、これに対して日本軍の航空機が荒鷲なのである。
♪見たか銀翼 この勇姿
日本男児が 精こめて
つくって育てた わが愛機
空の護りは 引き受けた
来るなら来てみろ 赤蜻蛉
ブンブン荒鷲 ブンと飛ぶぞ
タイトルは「♪来るなら来てみろ 赤蜻蛉」のもじりである。こういうのがスッと出てくるのがわれながら凄いと思う。
追記(7月21日) 友人から面白い話を聞いた。別のメーカーであるが、20年も前のこと、同じようにティッシューに蟻が群がっていたので、そのティッシューをビニール袋に入れて、メーカーに送りつけたというのである。変な添加剤を加えてはいないので原因は分からないとの返事が新しいティッシュー5箱とともに戻ってきたとのことであった。そこであらためてティッシューの匂いをたっぷり嗅いだが、確かに甘いと思った匂いはしていない。どうも私の先入観による幻臭であった可能性が高い。では、何が原因なのだろう。ティッシュー・メーカーに直接聞いてもよいが、物欲しげに受け取られるのは本意でないので止めることにした。何方か、代わりにやっていただいてもいいのであるが・・・。