日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

今年のお屠蘇はシグロ(SIGLO)で

2009-01-01 23:52:02 | Weblog
ワインを少々嗜むようになって40年近くになるだろうか、研究室のワイン好きの先輩がよく講釈をたれていたが、いつの間にか感化されて飲むようになったのである。京都にいた頃は三条の明治屋でよく仕入れたもので、天の邪鬼の気のある私はフランス、ドイツワインは敬遠してイタリア、スペイン、ポルトガル、ハンガリー、アルゼンチン、チリ、オーストラリア、カリフォルニア、ニューヨークワインの中から探し出したものである。アルゼンチン、チリ、ハンガリーのワインは出始めの頃はかなり割安でそれでいて美味しい。それがいつの間にか美味しいとの評判が広まるにつれて高くなってしまった。今やフランスのテーブルワインの方が遙かに安くなっている。

ブダペストのコンビニエンスストアで買った一本200円の白ワインは絶品だった。かれこれ20年前の頃で、日本でたとえ3倍の値段をつけてもよく売れたのではないかと思うが、残念ながらハンガリーワインはほとんど輸入されなかったようである。目に付いたのは高級な貴腐ワインぐらいで好みでもなく懐具合もあって手出しはせず、1000円止まりのエグリビカヴェール(牡牛の血という意味)が目に付けば買い込む程度であった。

最近はこのエグリビカヴェールもあまり目にすることがなくなったが、たまたま三宮地下街の輸入食品の店で棚に並んでいるのを見つけたが、1600円もするので手を出さなかった。普通は安売りの店で一本600円前後のものを買う。ハウスワインのたぐいで中には結構いけるのがある。その時は半ダースで買い込むのである。

1600円のエグリビカヴェールはいつも棚に並んでいる。そのうちに急に円高が進みガソリンも一挙に安くなった。一時の狂乱価格が嘘のようである。それなのに1600円はいっこうに安くならない。正月前には下がるかもと待ち受けていたが、意地を張ってか下げない。私も意地になってエグリビカヴェールには手を出さず、正月用にとその横に並んでいるスペインのワインを買った。これがSIGLOである。飲み始めたのはアメリカにいる頃からで、その時でもポルトガル産のマテウス・ロゼとならんで結構安くてうまかった。明治屋でもよく買ったがいつの間にか1000円を上回るようになったので普段は手を出さない代物である。



栓をあけて感激した。香りや味よりも先にその栓がきわめて上質の天然コルクだったからである。久しぶりの経験だった。日常のワインは栓がほとんどがプラスティックで、せいぜいよくてコルクチップを圧搾したものである。SIGLOの味はやはりよかった。しっかりしていて存在を主張している。安物のワインの中には口に含むとみるみるうちに味わいが薄れてしまい、急に頼りなくなって喉を通る時には水まがいになっているのもある。しかしこういう安物も飲んでいるからこそSIGLOをひときわ美味しく感じるとも言える。

ワインは何にでもあう。スープを頂きながらでもワインを飲む。漬け物もいい。だから今朝はおせちで美味しく頂いた。

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