日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

モーツァルト、「君の名は」、ミサイル

2006-07-05 17:46:24 | Weblog
NHKBS2で放映される「毎日モーツァルト」を毎朝楽しんでいる。演奏される曲にまつわるいろいろな話をゲストから聞くのも楽しいし、テレビに流れるモーツァルトゆかりの地の風景が自分達の旅の思い出と重なるのもいい。爽やかな音楽に合わせて、これからの一日が始まる。

ところが最近になってちょっと状況が変わった。朝の8時1分に始まるこの番組を何かすると見逃すから、と妻がその前からテレビのスイッチを入れるようになったのだ。そうするとなんだか古めかしいドラマが流れている。古めかしいのも当然、「君の名は」なのである。普段はモーツァルトの音楽が流れ出すとテレビを観るからそれでいいのだが、つい寝過ごして朝食がその時間に重なると、否応なしにドラマが私を襲って断片的ながら物語の展開にお付き合いをすることになる。

ドラマの筋書きは私の記憶にはない。私の知っているのはただ氏家真智子と後宮春樹の「すれちがい」がドラマを盛り上げたと云うことぐらいである。そして偶々その「すれちがい」シーンを目にしたがなんとも不自然なこと、目と鼻の先におりながら相手をそれと覚らない。気配で何かを感じていいはずなのに二人とも感が鈍い。要するにテレパシーの通じ合うような二人ではもともとないのである。

それかあらぬか昨日観たら真智子は別の男性と結婚してしまっていた。真智子は夫の母親と一緒に住むことになって、新婚旅行から帰ってきてからさっそく嫁・姑のせめぎ合いが始まっていた。

母親役は加藤治子、演技がうまいというのか、精神の発達がどこかで止まってしまったような幼児性の姑を演じるのである。自己中で自分の思うように相手を動かしたいのならそういうキャラクターもまたいいかと思うが、それほどの思慮もなく、ただ「嫁いびり」を生き甲斐にしているような姑なのである。というのが昨日観ただけの私の印象であるが。

左耳からテレビの音声が入ってくるのだが、そのうちに右耳からは妻の興奮した声が入ってきた。真智子が外出したいのに姑が出さしてくれないとかで夫に不満をぶつけている。「私も外に出るのに凄く気を遣った!」と私の母と40年の同居歴を誇る妻が叫ぶのである。そして「あれがこうだった、これもそうだった」と私の知らない古い話を次から次へと持ち出してくる。食事もそっちのけで目を爛々と輝かせている。

加藤治子の演じる脳タリンの姑に比べて、私の母は千倍も万倍も出来ていると私は確信していたので、妻の繰り言を大人しく「ふんふん」と聞いていたが、両側から責め立てられるのは少々往生した。と同時に日本中で私と同じような思いをしている男性もさぞかし多いのでは、と仲間に妙な親近感を抱いてしまった。それにしても朝早くからこんなに女性をいきり立たせるドラマを流すNHKの真意は何だろうか。ただでさえエネルギーではち切れんばかりの熟年女性をこれ以上刺激させないで欲しい。

今朝もまた始まるかな、と戦々恐々としていたら、北朝鮮がミサイルを発射したので妻はそちらのニュースに釘付け、そのうち「君の名は」の時間が過ぎてしまった。ミサイルが飛んでくれたおかげでわが家は平穏であった。

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