オケボックスに指揮者の佐渡裕登場、そしてそのオケボックスから民主党副代表で地元出身参議院議員らしき人物が壇上によじ登ってきた。人の集まるところに顔を出すのが政治家の常とは言え臆面もなくと思ったが、しゃべり出すと顔つき以外はまったく別人、大阪の芸人桂ざこば師匠であった。妄言多謝。師匠は手際よくオペレッタ「メリー・ウイドウ」の筋書きを説明する、いわば狂言回しの役である。そして序曲が始まった。
明6月21日から7月6日まで兵庫県立芸文センター大ホールで12回公演される佐渡裕の「メリー・ウイドウ」に先だって、昨日(6月19日)と一昨日に公開レハーサルがあり、抽選当選者が無料で招待されたのである。この公開レハーサルは本番通りに進行する総仕上げで、オーケストラのメンバーこそ指揮者の佐渡裕さんを含め日常の服装だったが、舞台、出演者の衣装などは本番さながらであった。会場の埋まり具合からみると招待客は1000人ほどで、会場の各所に何かのモニター役であろうかスタッフが点在していたようであった。
このオペレッタは元来が三幕物であるが、それぞれの舞台が70分ほどの二幕に改編されている。それと幕が上がって歌が始まって分かったことだが言葉がみな日本語である。テロップというのだろうか、歌と同時に舞台両脇のパネルに文字が流れる仕組みになっていた。それとどう呼べばよいのだろうか、オケボックスと観客席の間が「花道」になっていて、登場人物が始終出入りして舞台をより広くしていた。ただこの「花道」は幅が1メートルほどでしかも観客席側にフットライトが据え付けられている。演技の最中に「花道」から転落するようなことがないだろうか、とふと気になった。無事を祈りたい。
それはさておき、このオペレッタは私の予想を遙かに超えて素晴らしく絶品であるとの一言に尽きる。これならヨーロッパ、アメリカを巡業してまわっても成功間違いなしと思った。何がどう、と無料で楽しませてもらった私がとくとくと述べるのは、これから本番を楽しまれる方々の興を削ぐことになるので差し控えるのがマナーというものだろう。でも私がこだわり期待したフレンチ・カンカンの素晴らしさを強調することだけはお許しいただきたい。まさにロートレックの世界なのである。そして踊りの時間もたっぷり、これを舞台の実質的最前列である第二列目、かぶりつきで観賞した私の歌仲間に感想を聞きそびれたが、多分興奮で言葉が出なかったことだろう。夕べ眠れたかしら。今やパリに出かけるには燃料費として59000円も運賃以外余分に払わされるご時世に、最高の入場料にたとえ12000円を払ってもこのフレンチ・カンカンを観ればもうそれだけで元が取れるというものだ。高い席のチケットはまだあるそうなので、フランスの芸術の香りに酔いしれたい諸兄姉に絶対のお勧めである。
そのついでにもう一つだけ。物語が一筋縄では終わらないのである。実におしゃれな趣向を凝らした演出になっており、オペレッタの醍醐味を満喫できる仕掛けになっている。その一つであるが昨夕も大団円に近づき「メリー・ウイドウ・ワルツ」を登場人物全員で歌うとき、最後の数小節だけ皆さんもどうぞ、と観客も声を合わせるお許しが出た。ここぞとばかり声を張り上げたのはいうまでもないが、6月25日に私が出かける本番では、コーラスが始まったときから終わりまで是非観客にも一緒に歌わせていただけないものだろうか。観客も一緒に加わってこそ燃え上がるのがオペレッタの舞台ですぞ!
明6月21日から7月6日まで兵庫県立芸文センター大ホールで12回公演される佐渡裕の「メリー・ウイドウ」に先だって、昨日(6月19日)と一昨日に公開レハーサルがあり、抽選当選者が無料で招待されたのである。この公開レハーサルは本番通りに進行する総仕上げで、オーケストラのメンバーこそ指揮者の佐渡裕さんを含め日常の服装だったが、舞台、出演者の衣装などは本番さながらであった。会場の埋まり具合からみると招待客は1000人ほどで、会場の各所に何かのモニター役であろうかスタッフが点在していたようであった。
このオペレッタは元来が三幕物であるが、それぞれの舞台が70分ほどの二幕に改編されている。それと幕が上がって歌が始まって分かったことだが言葉がみな日本語である。テロップというのだろうか、歌と同時に舞台両脇のパネルに文字が流れる仕組みになっていた。それとどう呼べばよいのだろうか、オケボックスと観客席の間が「花道」になっていて、登場人物が始終出入りして舞台をより広くしていた。ただこの「花道」は幅が1メートルほどでしかも観客席側にフットライトが据え付けられている。演技の最中に「花道」から転落するようなことがないだろうか、とふと気になった。無事を祈りたい。
それはさておき、このオペレッタは私の予想を遙かに超えて素晴らしく絶品であるとの一言に尽きる。これならヨーロッパ、アメリカを巡業してまわっても成功間違いなしと思った。何がどう、と無料で楽しませてもらった私がとくとくと述べるのは、これから本番を楽しまれる方々の興を削ぐことになるので差し控えるのがマナーというものだろう。でも私がこだわり期待したフレンチ・カンカンの素晴らしさを強調することだけはお許しいただきたい。まさにロートレックの世界なのである。そして踊りの時間もたっぷり、これを舞台の実質的最前列である第二列目、かぶりつきで観賞した私の歌仲間に感想を聞きそびれたが、多分興奮で言葉が出なかったことだろう。夕べ眠れたかしら。今やパリに出かけるには燃料費として59000円も運賃以外余分に払わされるご時世に、最高の入場料にたとえ12000円を払ってもこのフレンチ・カンカンを観ればもうそれだけで元が取れるというものだ。高い席のチケットはまだあるそうなので、フランスの芸術の香りに酔いしれたい諸兄姉に絶対のお勧めである。
そのついでにもう一つだけ。物語が一筋縄では終わらないのである。実におしゃれな趣向を凝らした演出になっており、オペレッタの醍醐味を満喫できる仕掛けになっている。その一つであるが昨夕も大団円に近づき「メリー・ウイドウ・ワルツ」を登場人物全員で歌うとき、最後の数小節だけ皆さんもどうぞ、と観客も声を合わせるお許しが出た。ここぞとばかり声を張り上げたのはいうまでもないが、6月25日に私が出かける本番では、コーラスが始まったときから終わりまで是非観客にも一緒に歌わせていただけないものだろうか。観客も一緒に加わってこそ燃え上がるのがオペレッタの舞台ですぞ!