日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

入力ミスで払いすぎた電気代

2007-09-06 15:31:24 | Weblog
安倍内閣閣僚の「政治とカネ」にかかわる問題で、鴨下一郎環境相と上川陽子少子化担当相のなんとか収支報告書の誤りがまたもや浮かび上がった。両氏とも記載ミスだとのことである。早速修正したようであるが、捏造データ問題に敏感な元研究者の目から見ると、この修正過程は不透明そのもので、安倍首相がいう「政治資金を巡る問題をきちんと説明し、より透明に公表すること」からはほど遠い。

まずどのような誤りを犯してどのように訂正したのか、それを裏づけるデータ、たとえばお金の出入りを記録した預金通帳や出納簿などを示して、ミスの発生とその訂正の過程を明らかに示すべきである。それが「きちんと説明」したことになる。ただ記載ミスでした、訂正しました、だけで国民が納得すると思ったら大間違いである。両氏がそのように説明責任を果たす先駆けとなって欲しいものである。

記載ミスといえば、そのせいでかって大損を蒙りかけたことがある。といっても個人の話ではなく大学の教室予算が、である。大学では毎年予算会議なるものを開いて、教室に割り当てられる校費を検討することになっている。ある年、私が事務方から出された書類を見ていると、どうも解せない数字があった。1年間の使用実績に基づく電気代が学部(基礎医学分野)の全教室のなかで一番多いのである。少数精鋭をほこるわが教室は、仕事の質に関しては他教室に決して劣るものではない。毎晩遅くまで仕事をしていて、私が帰宅する頃は他の建物の灯りも結構消えているのであった。ところが夜通し中、ほとんど灯りが消えない研究室もなかにはある。常時何十人ものスタッフをかかえ、10月が近づくと教室中がソワソワするのが年中行事というような教室である。その圧倒的な物量作戦を誇るいくつかの教室に較べると、いかにもこじんまりしたわが教室の電気使用量が圧倒的に多いとはどうも解せない。そこで事務方に調べさせることにした。

プリントアウトされた電気使用量は確かにわが教室がダントツである。ところが、である。調べてみるとそこに記録された電気メーターの値が、教室から提出した書類に記された数字と大きく違っていることが分かった。電気メータの読みをパソコンに入力する際に間違えていたのである。まさに単純な入力ミスが原因だった。しかしその単純な入力ミスのせいでわが研究室は二百数十万円余分に徴収され、また関電にその分余計に支払っていたのである。

もちろんこの余分に払った分は実際に予算が執行される段階で返して貰ったので、お金のやりくりにどのようなマジックを事務方が使ったのは深く追求しなかった。話は飛ぶが年金問題のいろんなトラブルが国民の不利にならないよう、政府にぜひ大マジックを演じて欲しいものである。