星のひとかけ

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裏返しの世界… :レオニード・アンドレーエフ『悪魔の日記』

2020-07-23 | 文学にまつわるあれこれ(妖精の島)
4連休のはじまりです。。
読書記はまたあらためて書くつもり、、 なので 今日はほんの少しだけ、、


前回の終わりに書きました レオニード・アンドレーエフの 『悪魔の日記』




1972年に白水社から出ている本で、 古書も少なくてなかなか読むことが出来ないのですけれど、、 

読んでいて だんだんに気づいていったんですが、、 この作品は ゲーテの『ファウスト』の 《裏返し》になっているんですね…

『ファウスト』、、 25年前くらいに少しかじっただけで、 しっかり読んだ事がありませんでした。。 それでまた引っ張り出してみています。



悪魔メフィストフェレスと契約を結んで、 この人間世界のあらゆる楽しみを味わってみようとするのが『ファウスト』でしたが、、 『悪魔の日記』は 人間の姿を借りてこの人間世界の中で面白そうな芝居を一緒に繰り広げてみたい、、と 悪魔が人間界の一員となってさまざまな体験をする、、 という 『ファウスト』を裏返しにしたような物語。。

…だと 気づいたのですが、 本の解説にも何も書いてないし、 そういうコメントとか検索してもどこにも『ファウスト』との繋がりの事が書いてないので、、 合っているのかどうか分かりません。。

人間に混じって暮らし始めた《悪魔》、、 自分以上に悪に通じた存在は無いと思っているし、 人間たちの間で自由に立ち回れると思って来てみたものの、 欲にまみれ 神をも畏れない人間たちにうんざりし、 だんだん鬱になっていく なんだか人間以上に人間ぽい《悪魔》…

しかも、 悪魔が一目惚れをしてしまい、、 その恋心のピュアな事…!!  初めて恋という気持ちに目覚め、 そのひとを想っただけで世界に光が、 星が、 歌が、、 溢れ出るのを感じてしまう、、 恋を知った《悪魔》さんが 詩人になってしまう……


絶版なので ほんの少しだけ 引用させてもらいます⤵




この《悪魔》のピュアなつぶやきを読んで、、  人はなぜ「音楽」を愛し、 歌をうたい、 もの思いにひたるのか、、 私も考えさせられました。。 

人間だけが 歌い、 奏で、、 

そして、 音が 楽が 消え去ったあとまでも、  想い出すことが出来る。。  余韻というものを、 聴くことが出来る。。  人間だけが…


でも、 この物語では 悪魔だけが物思いにひたり、 苦しく恋心に揺れているのです。。

人間たちは 世俗の欲にまみれ 金銭や名声や眼前の物事しか見えない…  《裏返しの世界》


そして 可哀想な悪魔は 人間界でさんざんな目に遭うのです。。

 ***


『悪魔の日記』は もう先週以前に読み終えているので いつかちゃんと読書記を書きたいと思います。。 いまはまた 面白いミステリ小説にひたっています。


四連休のはじまり。。


世界は気懸りなことがいっぱい。。 考えると苦しいことがいっぱい。。


何が正しくて、 何がいちばん大事なことなのか、、  わからないことがいっぱいで。。



明るい日々が待っててくれますように…


元気でいてください
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