星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

ああ、夏やすみ。

2005-07-31 | …まつわる日もいろいろ
必要あって、
某三部作のDVDをひたすら見る(こんな機会は余りないので張り切ったものの、これが長い)。。
いくら好きでも、肩は凝るし、頭はクラクラしてくる。このあとはひたすら本を読む、、のか?

これからしばらく、8時間耐久レースの日々、、、(?)、、、いちばん苦手な体力勝負。
おとなになった時、何が嬉しいって、もう試験をしなくて済む、ってのがうれしかったのに、、、なんだって今こんなことしてるんだろ。。。どうしてこんな旅に出てしまったんだろう、、、と、そんな気持ち。
背中に重い荷物背負って、火を噴く火山めざしてのぼっている気分、、、。いや、まだそこまで辿り着いていないな、、、迂回路で迷いながら焦っているところかもしれないな。。

なにはともあれ、、、、歩きましょう、脚がある限り。力を信じる限り。

伏線~echoes~啓示

2005-07-27 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
台風の前日、
大事な用事に行って来られたのは良かったのだけど
朝から頭痛、、、でも変更はできないので
薬に頼りつつ新幹線に乗る。

調査のため、6時間余りPCの文書をスクロールしていたら、しまいには吐気がしてきた。。予定より少し早めの便で帰京。知らない街でゆっくり珈琲でものんで、、、なんて余裕はなくて、残念。それでも、つらい思いをして行った甲斐はあった、と信じよう。

 ***

ほんのたまにだけど見に行くサイトがある。「東北大学 漱石ライブラリ」、、、ここの、「漱石 今日の言葉」というのを、たまに覗く。ちなみに今日は、「こころ」の一節だった。
ほとんど覚えている一節もあれば、あまり記憶に残っていない一節もある。。今日は後者、、、それにしても、漱石の伏線の周到さには、しばしばぎょっとさせられる。たとえば、今日の一節ならば、、「電燈がふつと消えた」、、、そうか。。。ここで死の予告がされていたんだ。
こういうのが見抜ける時もあれば、まったく無意識に読み飛ばしている時もある。。。一文一文がすべて意味を備えた暗号文だ。それは百年たってもまだ全部解けないような、厖大な謎を孕んだ暗号文。

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できるだけ目を使わない方がいいのだけど、それでは何も出来ないので、、、相変わらず頭痛や眩暈が残ったままになる。。こんな非効率的な人生を送らずに済む人がほんとうに羨ましいです。
昨日からのBGM、、、「ECHOES」、、、前回のシドの映像を見ていて、ああそうか、訳詞がここでも昔とは変わってしまったんだ、、、と思った、、、いいんだよ、「狂ったダイアモンド」で、、、。いまは「時計が狂った、、、」って言えないのか。。人間の身体だって、いくらでも狂うのに。

痛くてもやすらぎ、、、

2005-07-24 | 映画にまつわるあれこれ
曇り空の昼下がり。
シド・バレットのドキュメントをみていた。

Sydはとても綺麗。
ミック・ロックが撮影した写真のSydみたいに
床にぺたんと座り込んで、、、Sydの思い出をみていた。

明日はとても早起きして、、遠くの町へ行く。
ひとり旅は好き、、、いろんなことを考えられるから。

PINK FLOYD & SYD BARRETT STORY

本日の夕刊より

2005-07-20 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
さて、、、Rock週間終わり。

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私は蓮實重彦氏の文章が苦手である。。単に読解力が無いだけかもしれないが、、、わからない。
クロード・シモン追悼記事の中、、、

   小説は物語ではない。何よりもまず、
   世界の記述でなければならない。
   しかも、その再現に行きつくことのない記述は、
   どこまでも断片化される描写によって、
   世界に向けられた思考を透徹した視線へと変容させてしまう。

途中まではすごくよくわかる、、、「透徹した視線」、、、ここでわからなくなる。いや、前後の文章を読めば、シモンの文の断片に思わず惹き付けられて、通読とは異なる言語の刺激に魅了される、ということを言っているんだと、わかる。でも、、、、「透徹した視線」、、、って何だ。

こういう文章は、、、苦手だ(キライだ、と言ってもいい)。

Jeff Beck @ 東京国際フォーラム July 5, 2005

2005-07-16 | LIVEにまつわるあれこれ
昨日がジェフ・ベックの来日公演最終日だったはず。
私が見てから10日も経ってしまったから
すでに記憶も飛びかけているけど、書いておこう。

予習、情報まったく無しのJeffBeck。。何時の時代のをやるやら、どんな傾向で来るやら、全然予想も無くホールへ。当然のごとく、男の人多し、、20代でベックを聴き始めた人なら、私より十歳は上だろうから、白髪交じりの人もいっぱい。
開演15分前という時間になっても、席ガラガラ、、、皆さん余裕の出足。余りにも誰もいないし、席は映画館みたいにふかふかだし、通路挟んで最前列なので足元ゆったり、、、で、心地良く寝て待つことに。。前日のYoshii Lovinsonの追い出しでかかっていた「ケ・セラ・セラ」が、別のとってもソウルフルなバージョンでかかっていた、いかにもJeffが好きそうなモータウンぽい感じの。

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年齢層高いし、皆すわって見るよね、、とくつろいでいた矢先、、、驚愕のイントロ。
「ベックスボレロだぁ!!!」ほんとにこう叫びました。一斉にウェイヴのように立ち上がる客席。余りにも驚いてあたふたしていたものだから、ネックを立てるように弾きながら登場したJeffの雄姿が見えない。考えてみればオープニングにこれ程ふさわしい曲はないのに、、、。いきなり感動の頂点です。ジミー・ペイジ作曲、ベックとペイジがg、JPジョーンズのb、Kムーンのds、ニッキー・ホプキンスのpに、Voの候補がSウィンウッド、という驚異のZEPP計画。。そのために創られた本当に華麗な曲だもの、これ大好きだ~。

・・・と、これ以降、ただ驚きと感動の連続のLIVEでした。全部は書ききれない。

早々に「哀しみの恋人達」をやってしまったり、Truthから「モーニングデュー」なんて古い曲をやってしまったり、、余りにもサービスが良すぎ! 本当は、一切古いのなんてやらないで、新作の、ほとんどSlipknotかと思うような先鋭的な曲だけでもいいんだよ、って思ってた。だって、ベックに限ってノスタルジーなんて言葉とは無縁の人、60になっても前進する人じゃないか。オジサン達に媚びること無い! 私がクラブDJなら絶対JBをかけるのに、、、なんて突っ張りとは裏腹に、名曲をやられたら、やっぱり凄い、、神業としか思えない。

「スキャターブレイン」、、、速かった。
オペラグラスを目に押し当てて「ねぇ、ホントに指動いてる?」「速すぎて動きも見えないよ」、、、。Pギルバート君やヌーノや、速弾きはたんと見ましたが、腕も手首も微動だにしないJBの神技にただただ唖然、、、。8月号の『ギターマガジン』を昨日斜め読みしたら、「ツアーやっていくうちにどんどん速くなる」と答えてたけど、兎に角、、速かった。流石に腕が痙攣してしまうんでしょうね、合間に何度か腕を振ってほぐす仕草、、、で、この曲終わったところで10分の休憩、、、当たり前だわ、と思いました。

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ところで、、、、ゲストヴォーカリストとしていらしてた人、、、見ている間「誰?」「どこで調達した人?」とすごい失礼な会話をしていたのですが、『Flash』でもVoをとっていたJimmy Hallなんだそうですが、、、声デカ過ぎ、、、パフォーマンスもアバウト過ぎ、、、じゃなかったですか、、? 

最初のアンコール1曲目、、、これも感涙の曲「ピープル・ゲット・レディ」だったんだけど、あの胸がきゅ~んとするようなギターを聴きながら、吉井和哉さんがアルバム『at the BLACK HOLE』のDVDの中でこの曲についてコメントしてたのを想い出したり、、そう、ベックが貨車の上でギター爪弾いてる姿、思い浮かべたり、、、本当にいい曲よね、吉井さんにも聴かせたいな~、、、と思ったりして。。。
だけど、、、ヴォーカルが、、、「ピープル・ゲット・レディ」はもうちっとしみじみと歌って欲しかったよ、、、ロッドのあの甘いハスキーな声で、、、ロッドは不可能にしても。。あと、、、頭をミュートしながら弾くベックは、ちょびっとお疲れなのか、たまにヴォリューム操作をミスって音消えたり、、、その辺はご愛嬌でした。

そしてラスト、ジェフ・ベック・グループの名曲「Going Down」の時かな、以前からベックと一緒に演奏してる女性ギタリスト、ジェニファー・バトゥンが登場。美しい人の登場に大歓声。数年前の、モントルージャズフェスで、彼女がベックのバックでMIDIを弾いていたのしか私は知らず、彼女がどういう人か知らないんだけど、彼女がソロを弾く時に、ヴォーカリストとベックが王女さまを讃える騎士みたいに跪いて手をひらひらさせてるのが、とっても微笑ましかった。

ベックは本当に永遠の少年みたい。肩を出した黒いベストと黒のスリムジーンズの姿は、30年前から全然変わらないし、何たってギター小僧ぶりが、まるで中高生が夢中で好きなものの話をする顔と同じなんだもの。いつまで経っても「うちのクラスの○○君」、ギターを触ってるのと、メカをいじってる時が本当に幸せ、、という感じ。もし、ジェニファーがベックの恋人だとしても、ふたりでギターで会話してるんだろうね~、と思ってしまいました。最後にみんなで肩くんで挨拶した後、ベックがジェニファーの手を引いて帰ってく姿も少年のようで、、、。
ジミ・ヘンの「ヘイ・ジョー」やってくれたり「ダイアモンド・ダスト」やってくれたり、書ききれない感動がいっぱいでした。

 ***

2度目のアンコールは、スクリーンに *☆*満天のお星さま*☆* 
キーボードと二人だけで「オーヴァー・ザ・レインボウ」、、、なんてベックはロマンチストなんだ、、、と、やっぱりメロメロになってしまうエンディングに降参。。。

最新作「Jeff」
このジャケの玩具のギター、、、この中に、「これはボクのだいじなギター、ひろったらボクにしらせてください」とかそんなような事がたしか書いてあったよね。ベックって本当にこのまんま大きくなった感じがします。

鷹の井戸

2005-07-14 | 文学にまつわるあれこれ(妖精の島)
仕事へ行こうと、地下鉄の駅をめざしていたら
足首に激痛が・・・な、なんだろう?
もともと腱膜とかが脆い病気なので、脱臼やら、腱鞘炎やらけっこうやっているのだけど、、、ともかく脚を引き引き、電車に乗って、薬局で湿布剤買って、あわてて貼った。右脚の靭帯は前に痛めたので、左脚も痛めると歩けなくなっちゃうじゃないか、、、頼むよ。。

 ***

先日、草月ホールで、アイルランドの詩人イエイツが書いた能『鷹姫』を鑑賞した。
戯曲『鷹の井戸』が書かれるまでのことについては、松岡正剛さんが「千夜千冊」で書かれているので詳しくはこちらを>>

シテ、ワキ、のある伝統的な能とはちがって、歌い手の人たちが、お面を被って、泉をとりまく「岩」に扮しているところなど、なんとなく現代演劇みたいな所も少しありました。が、謡がこだまする様にどんどん盛り上がっていく中で、鷹と化した姫が水面を羽ばたき踊るように舞うあたりの高まりには圧倒されるものがありました。静寂と神秘の世界だけではないのですね。

アイルランドの伝説の英雄、クーフリンは、鷹姫の舞いに魅せられて、水底へ沈んでしまったのでしょうか、、、。謡の中にもそれらしい部分がありましたが、林の中の丸い空間というのは、妖精の世界と通じる場所のことですね、、、だから泉も、姫も、、みんな妖精の見せる幻なのかもしれませんね。妖精好きのイエイツらしい能でした。

機会があったら、もっともっとお芝居を見てみたいんだけどな。。
マヌエル・プイグ原作、今村ねずみさんの「蜘蛛女のキス」も見たかったな。。でも、ねずみさんのモリーナでは美しすぎない? それに、プイグの言葉の世界を、可視的な世界にすることはものすごいリスクがあるでしょう、、、でも、だからこそ、舞台として挑戦してみたいのでしょうね。。(舞台「蜘蛛女のキス」>>)

そんな私はまた、、お勉強に戻らなくては、、、っと。。

心臓が右の胸で、、、

2005-07-11 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
きょう、ある本を読んでいたら
こんな歌が載っていた。

   怯れたる男子なりけり Absinthe したたかに飲みて拳銃を取る

森鴎外の歌である。「アブサン」「拳銃」、、、といったら、先日ドイツ映画祭でみた『青い棘』みたい、、、あ、鴎外もドイツへ、、、、と思って一瞬閃いたけど、『青い棘』の事件は1920年代でした。鴎外のこの歌は1908年くらいのはず。

軍医とは言え、鴎外が日常的に拳銃など持っていたとは余り想像されないけれど、、持っていたのかしら。。そんなことを考えていたら、ふと朔太郎の詩も思い出した。

      『殺人事件』

   とほい空でぴすとるが鳴る。
   またぴすとるが鳴る。
   ああ私の探偵は玻璃の衣装をきて、
   こひびとの窓からしのびこむ、
   床は晶玉、
   ゆびとゆびとのあひだから、
   まつさをの血がながれてゐる、
   かなしい女の屍体のうへで、
   つめたいきりぎりすが鳴いてゐる。    (以下略)

詩集『月に吠える』の挿絵は、田中恭吉。23歳で早世した。本の末尾に彼の言葉が載っている。以下その全文。
 
 ***

 朔太郎兄
 
  私の肉体の分解が遠くないといふ予覚が私の手を着實に働かせて呉れました。兄の詩集の上梓されるころ私の影がどこにあるかと思ふさへ微笑されるのです。

  私はまづ思つただけの仕事を仕上げました。この一年は貴重な附加でした。

  いろんな人がいろんなことを言ふ。それが私に何になるでせう。心臓が右の胸でときめき。手が三本あり、指さきに透明紋がひかり、二つの生殖器を有する。それが私にとつてたつた一つの眞實!

  蒼白の藝術の微笑です。かの蒼空と合一するよろこびです。           恭吉

 ***

 「いろんな人が・・・たつた一つの眞實!」、、、その言葉のただしさの前では、鴎外の拳銃もかすんでしまう。いや、、、私の指先のぴすとるさえも。。

LONDON

2005-07-07 | …まつわる日もいろいろ
きょうは七夕。
ほんとうはもっと幸せな事を書くつもりでいたのに。。
きょう一日、ずっと考えてきたこと、「ありがとう」と言いたい事があったのに。。

仕事から帰って、簡単な夕食を卓へ運んで、いつものように、、TVのニュースを見る代わりにPCのニュースサイトを開いて、、、そして、ロンドンでの同時テロのニュースに茫然。。
先日、LIVE8の映像を見ながら、ずっとテロへの思いが頭の片隅にあった。世界中でこれだけの人が集まっていたら、テロの危険はつきもの。だけど、何も起きなかった。銃やミサイルじゃなく、マイクと楽器を振りかざしている場所ではテロは起きないのだ、とそんな風に幸せな気持ちになれたのに、、、。

「立ち向かう」・・・? 今まで通りの方法で・・・?