星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

4月という少女。

2002-04-16 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
   生まれて来るのは死ぬことね
   羽根 風 という言葉には
   飛ぶという意味あるように。

   だからあなたもわたくしも
   そのほかこの世のものはみな
   飛ぶかそれとも死ぬかする。

   そのこと思ってわたくしは
   ときどき溜息つきますの。

   でもすぐ思いなおします。
   そうして雨を降らせます。 

  (クリスティーナ・ロセッティ「十二ヶ月」より4月という少女/西条八十訳)

菫の小さな微笑。

2002-04-01 | …まつわる日もいろいろ
 3月最後の日曜の午後、家の近くの丘(いちおうそういうことに・・)へ散歩に行きました。このところの雨と強い風に、桜はきっともう望めないし、花見の人もそういないだろうと思いましたが、縁日のような賑わいの場所もあって・・・そういう所は少し苦手なので、ぐるっと遠回りして歩いて行くと、森の小道に桜が雨のように降りつづけていて、薄い陽光に透ける花びらは美しいですね。

 みんながそうして桜を見上げ、空からの花びらを仰いでいます。私も同じように歩いていた時、ふと見たら大好きな山の菫、タチツボスミレの群生がありました。都会の公園で見られるなんて本当に嬉しい。木々の間の陽だまりや山の斜面を好み、糸のように細い茎の先に薄く青い花をつけます。でも外来種の大きな花のスミレが近くに咲くと負けてしまうから、どうぞお願いだから家へ持ち帰ったりはしないでね、他の種を持ち込んだりもしないでね。大好きな花だから、場所も書きません。

そんな小さな菫の上にもはらはらと花の雨が降っていました。