星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

10月晦日…

2019-10-31 | …まつわる日もいろいろ
先週の大雨の金曜日…

高熱にみまわれてまたまた入院さわぎになるかと思いましたが、、 それは免れて… でも、そんなこんなで10月は病人みたいでいる間に過ぎ去ろうとしております…

、、そんなときはしかたがない

(美しかったあのかたの言葉のように…) たくさん無理はしないで、 でも ちょっとだけ無理をして、、 というか ちょっとだけ頑張って、、 


 ***

 …心に歴史をもち、無数の瞬間や出来事に個人的な思いをもつようになってからの――には、ホワイトノイズが必要になる。 白い騒音ですべてを覆い隠さなければ、目前の問題に集中できなくなる。…


、、これは『イギリス人の患者』(土屋政雄訳 人名のところは――にしてあります)のなかの記述ですが、、 「心に歴史をもつ」、、 という部分に成程と思いました。 生きていく事、、 心に歴史をもつようになること、、 「個人的な思い」というかずかずの《記憶》を積み重ねること、、

ヘミングウェイの作品で『何を見ても何かを思いだす』という名タイトルがありますが、、(内容はあまり覚えていませんが)、、 この言葉の通り、 ものごとに付随する記憶が増えると、わきあがってくる感情のさざ波も大きくなったり、 乱れたり、、します。

年を重ねて、 心が波にさらわれそうになるたびに、、 しゃんとするための《努力》が必要になる。。  その時、その場での 自分にとっての「ホワイトノイズ」、、 自分の脚でまっすぐに立っている為に。。 「目前の問題に集中」する為に。。


それは 拒絶とか 遮断とか、、 そういう意味では無いのです、、 


 ***



、、 今は 本を読むためのホワイトノイズとして チェロを聴いています。 バッハの無伴奏チェロ組曲とか…  cello がいちばん落ち着くみたい、、 いまの私の聴神経と「心の歴史」には…

音の話はまたいずれ、、


本の話も またね、、


11月の雨、という言葉は美しいけれど、、 できたら秋らしい青空がもう少しつづきますように。。

マイケル・オンダーチェ『戦下の淡き光』… 読了後の断片

2019-10-24 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)


6日に書いた マイケル・オンダーチェの『ライオンの皮をまとって』を 土曜日(19日)に読み終わり、、 そのあと直ぐに 新刊の『戦下の淡き光』(作品社、田栗美奈子訳)に取り掛かり 読了しました。

『ライオンの皮をまとって』は 『イギリス人の患者』の前に書かれた作品で、 登場人物もふたつの小説中でつながりがある ということを6日に書きましたが、、 『戦下の淡き光』に関しても、 具体的な登場人物や設定に繋がりは無いとしても 彼らの生きざま、 背負っているもの、 記憶の断片、、 そういうテーマのなかに確かな結びつきがあるということを感じながら そして其処にこそ オンダーチェの文学の鍵があったのか ということを発見しながら、、 感動しつつ読み終えました。。


、、 今はまだ 感想をまとめられる段階ではありません、、 でも ただただ 素晴しい作品でした。 

そして 自己満足ながら思うのは、 昨年から続けざまに読んできた 第一次大戦、第二次大戦期を背景にした小説、、 ミステリ作品などのエンターテインメント小説も含めた読書、、
… そのきっかけを作った元と言えば、、 リチャード・フラナガン『奥のほそ道』を読んだときの疑問やわだかまり、、 カズオ・イシグロ『わたしたちが孤児だったころ』の 小説という表現方法・手腕の限界、、 そこで感じた《失望》みたいなものが起点になって、、

でもそれは 自分が現代史をよく知らないからかもしれないし、 読書量の未熟さもあるからかもしれないし、、 と思って、、 なんとなくそれから二つの大戦にまたがる小説を追って読んできて…

一昨年になるけれど、M. L. ステッドマン『海を照らす光』も第一次大戦後の心に傷を負った人々の物語だったし、、 感想はここに書いていないけれど、ヘニング・マンケルさんの『北京から来た男』などからも 決して終わりの無い戦争という過去についての怖ろしさを学んだ。。

今、TV放送も続いている フォルカー・クッチャー著のベルリンシリーズでの時代の不穏さや、 ロバート・ゴダード著の《1919年 三部作》に出てきた英国諜報部の活動や、、 実話をもとにした マーク・サリヴァン著『緋い空の下で』のドイツ占領下のイタリアでのレジスタンスの活動、、 
つい先月に書いた ユッシ・エーズラ・オールスン著『アルファベットハウス』と、 ピエール・ルメートル著『天国でまた会おう』の戦時下の友情の物語、、 

それら全部の読書が このマイケル・オンダーチェの『戦下の淡き光』を読むための《訓練》だったんじゃないかと… そんな風に思えてならない、、 (ほんとうにこじつけのようだけれど…)

 ***

『戦下の淡き光』には 出征する兵士も軍隊も出てきません。 時代が大戦下であるという以外にはごく普通の(そう見えた)家庭の子どもの物語、、 ただし ある日を境に 両親が《仕事》で旅立つ… 姉弟の子どもたちを残して…

あとは 残された少年の目に映る日常の《断片》、、 オンダーチェさん特有の詩的な、 時に謎に満ち、 時に鮮烈な、 その一瞬一瞬が記憶に鮮明に残る断片のコラージュ。。 でも その断片的なコラージュの外側にある《世界》と その世界に翻弄される人生がすこしずつ明かされてくる…

以前、 『ディビザデロ通り』の読書記のときに(>>)書いたように、、
 「宙ぶらりんのように見える断片のパッチワークこそが、 人生を構成するかけがえのないパーツ」 なのだ。。 

両親は消え、、 少年はやがて成長し、、 記憶のパーツをひとつひとつ繋ぎ合わせて 自分と、 自分を取り巻いていた人々の過去のパッチワークを紡いでいく… 

そして たぶん、、 (驚いたことに) 
オンダーチェさんの作品は 作品同士の間でも パッチワークをつくることが可能なのだ、、 (もしかしたら そこにこそ、オンダーチェさんが小説を書く理由というものが存在しているのかもしれないし… ご本人は作品を再読しない人だと解説にあったから、 無意識なのかもしれないし、 無意識ならばこそ よく文学批評の世界で言われる《通奏低音》みたいなものが作品同士の間には流れていることに気づかされる…)

10月6日のところで、 『ライオンの皮をまとって』から引用をしました(>>)。 あそこで引用したのはじつは物語の主筋の部分ではなかったのですが、、 あまりにもあの男と女の一瞬が鮮烈で、 小説を読み終えるまでずっとずっと あの一瞬の《その後》を考え続けてしまいました。。
オンダーチェさんの作品にはそういう所があるのです。。 さきほど『ディビザデロ通り』の感想のところで 「宙ぶらりんのように見える断片のパッチワーク」と書きましたが、 まさに《宙ぶらりん》で置き去りにされてしまった断片的な物語がいつまでも心に残り、、 でも、 今回気づいたのです、、 その《宙ぶらりん》のピースをオンダーチェさんの他の作品のなかで発見することが出来るのかもしれないと。。。 それは正しい読み方ではないかもしれませんし、、 具体的に物語が繋がっているわけでもないのは解っています、、
、、 でも、 (読み手としての)理解のヒント、  より深く理解するためのヒントには成り得そうだと思うのです。。

だから 『ライオンの皮をまとって』を読んで、 『戦下の淡き光』を読んで、 これから再び『イギリス人の患者』を読もうと思います、、 きっと気づくことがあるはず…

 ***

もうひとつ、 面白い発見をしました。 オンダーチェさんの作品に出てくる《落下》というモチーフ。。 これは物語のネタばれになってしまうので例は挙げませんが、 「オンダーチェ作品における《落下》と《把握? 拾得?》の解読」 なんていう論考が誰か書けそうではないかしら・・・? ちょっとここにも注目すると面白いと思う、、 笑


 「あれから何年も過ぎ、こうしてすべてを書き留めていると、ロウソクの光で書いているように感じることがある。 この鉛筆の動きの向こうにある暗闇で何が起こっているのかわからない気がする。 時の流れから抜け落ちたような瞬間に思える。 聞くところによると、若き日のピカソは、変わりゆく影の動きを取り入れるため、ロウソクの光だけで絵を描いたそうだ。少年の僕は机に向かい、世界中に広がっていく詳しい地図を何枚も描いた。…」

    (『戦下の淡き光』より)

ロウソクの光の空間だけに浮かび上がった鮮烈な絵、、 ここではピカソと名を挙げていますが、、 思い浮かぶのはまさに「カラヴァッジョ」、、 (『戦下の淡き光』には出てきませんが)オンダーチェさんの作品になぜ「カラヴァッジョ」という名の人物が登場したのかもここからも想像されます、、 

《記憶》というロウソクの光に浮かび上がった 過去という小さな断片。 しかし その断片をつないでいくと、 世界中に広がっていくほどの地図ができる… その時代に生きた人々をも内包した物語という大きな地図が…

それこそが 文学の秘める醍醐味。。 それを 『戦下の淡き光』では味わうことが出来ました。


さて、、 二十数年ぶりの 『イギリス人の患者』へ…


そして また戻って来ましょう…


香り漂って・・・

2019-10-20 | …まつわる日もいろいろ



金曜日の診察、、 金木犀の小径、、


香っていました。

… たぶん 今日あたりが最も強く こぼれんばかりに花開いていることでしょう


来週も行くのだけど そのころにはもうひとつ先の季節に変わろうとしているのかな…


 ***

しばらくいろんなサイトなど見に行く余裕がない間に いろんな情報が更新されているみたいで、、 音楽の話題も 小説の話も 気づいていなかったものたくさんあるみたいだし、、 美術館へもまた行きたいなぁ…

… でも まだ動き回るには少し時間がかかるのです、、 気持ちはふくらむ… でも だんだんに進めていきます、、 ひとつずつ…


ひとつだけ 新しい予定が決定~。。 ロジャー・ウォータースのLIVE映画 『Roger Waters Us + Them』 観に行けることになりました。 楽しみ~~ ジョナサンがどんな風に歌いギター奏でているのか(←そっち?? 笑) 大画面大音響で楽しめるのかな… 嬉し


昨日 本を一冊読み終えました。  今日から次へ…


きょうは晴れそうです



どうぞ よい日曜日を。

with love...

2019-10-17 | …まつわる日もいろいろ
退院後4日、、

看護師さんから「二週間ほどは 近所のお買い物くらいは良いけどできるだけ安静にしていてくださいね」ということで、、 確かにちょっとお掃除お洗濯とかで動くと微熱も出るし、、 歯を抜くって結構たいへんなことなのですね…




退院の日の金木犀。。 まだつぼみです、、 ほんのかすかに甘い香りがしたけれど、、 今年はどこも遅れがちのようですね

明日の診察が楽しみ… 


 ***

退院の日の晩のラグビー スコットランド戦にも感涙でしたけど、

後日 いろいろスポーツニュースをネットで見ていて ボロ泣きしたのが こちらの記事⤵
 ドジャース敗退、幼い子供の号泣“恨み節”動画が米で話題(full-count.jp)

もう、わかるわかる… というか、 この子 幼いなりにすごく一生懸命考えながら見てたんだろうな… やっぱりロバーツ監督の采配ミスだよ~、あれは。。 (カーショウを使ってしまった以上)マエケンさんを下ろすべきでは無かった、、 あそこでバントでもゴロでも点取れなくてもマエケンさんに代打出すべきでなかった。。

、、 きっとカーショウもこの動画見ただろうなぁ、、 こたえただろうなぁ、、

でも 来年この子が (やっぱりカーショウが好きだ~)って言ってくれる為に どん底から這い上がってまた一年闘い続けてくれることを祈ります。。

、、先日 なにかのニュースで見たけれど、 日本の球場も今 親子連れのファンで一杯なのですってね。。 良い事です。 家族全員でピクニック気分で美味しいもの買いに行ったりわいわい応援しながら過ごすには、 (投手交代やチェンジの時間のある)あの野球のだらだら感がちょうど良いんです。。 サッカーだと目が離せないから。。
それで 勝つ日もあれば 負ける日もある…  一年間ずっと勝ってきたのに最後になって あの坊やみたいに悔し涙に突き落とされることもある、、  で、、 冬を越えて また2月がやってくる。。

子供の頃、、 アメリカの小説を読んで、 あそことあのチームが優勝争いをした年だ、 とか 誰それが何勝を挙げた年だ、、 という会話が不思議でならなかったけれど、、 今ならメジャーリーグ(とか 特定のスポーツ)が時代のものさしになっている理由が少し理解できます。。

台風の大災害の今年に開催されているラグビーWCも、 忘れられない年になることでしょう… 桜を胸に、 エポックメイキングな試合になりますように。。

 ***

6日に書いた マイケル・オンダーチェの『ライオンの皮をまとって』、、 入院中も少しだけ読み、 やっと半分を越えました。 肉体と労働と時代と、、 そして愛の物語です。 1910年代から 1930年代へ、、 このあと どこへ向かうのか…

さきほど読んだ部分に出ていた Fats Waller の「Up Jumped You With Love」という歌を聴いてみました。
本文には歌詞も載っていましたが、、 ここでは 原語から簡単に拙訳で、、

 星もいらない 月もいらない
 そんなのくだらないと思ってた
 でも 突然 あなたが飛び出して来たの
 愛と一緒に…


Up Jumped You With Love

一過…

2019-10-13 | …まつわる日もいろいろ




各地の大きな被害に心が痛いです


まさか、あのあたりが、、という地域にまで被害が出る恐ろしさ

それが今後も想定しないといけない災害なのですね

今は、とにかく今現在のご無事を、、、


***


、、わたくしごと...
発熱がありましたが治まって、 今日の夕方退院します


ご心配おかけしました m(⌒‐⌒)m

しばらく自宅療養です

術後18時間

2019-10-11 | …まつわる日もいろいろ




いたーい痛ーい あ いたーいです。

でも痛いのは生きてる証拠、、頑張ります


巨大台風心配ですね......

いちおう通りすぎてから帰る予定...


鎮痛剤はあっても痛みが強いとなかなかTV見たりは苦痛で。。

あまりに詩的な物語も、頭痛のためか理解がついていかず、、

友が持って来てくれたフリーペーパー眺めてます。。

***

昨日はオペ室に呼ばれるまでにドジャーズVSナショナルズ戦、見ていたの。

先発投手完璧だったのに、カーショウが、、 カーショウが、、

マエケンさんも完璧だったのに、、

そのあとは見ていない (結果はNEWSで知ったけど)


10月という月は カーショウにとことん冷たい...(涙) 今度こそは、、 と何年続いたろう......


立ち直ってくれるかな......


***


台風にどうぞお気をつけてね。


もう少し 休みます。。



来年も、ぶらあぼな公演に出掛けられるように、、 しばし身体のメンテナンス


あと一歩、 さらに 一歩

午前6時

2019-10-09 | …まつわる日もいろいろ




おはようございます。
南の空、 雲が綺麗ですね


明日オペだって。。

今日はとくに予定なし、、 の~んびり(笑)


スーパー台風が近づいて来ていますね。また連休に直撃しそうで、、

早くはやく、できるだけ遠く離れて通過してくれますように...


今日も元気でね。

10月になりました…:マイケル・オンダーチェ『ライオンの皮をまとって』

2019-10-06 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
10月になりました…

金曜日、、 以前 ここに(>>)読書記を書いた フォルカー・クッチャー著のゲレオン・ラート刑事シリーズのドラマ『バビロン・ベルリン』が、、 BS12トゥエルビで放送開始されるとその日の朝に知って びっくりしました。

早速、 2話ぶん見ましたが面白かったです。 1929年のベルリンの、映像のリアリティが半端なかったですね。。
こちらの↓ 映画ナタリーを見たら、 スタッフには 映画『青い棘』の監督や脚本家も名を連ねているそうで、 『青い棘』は映像も美しかったし、 サウンドトラックも、デカダンスなストーリィの雰囲気も、役者さんもどれも素晴らしかったので、 『バビロン・ベルリン』の映像もTVというより 映画並みに見事なのも頷けました。 16話にわたって放送されるそうなので 今後も楽しみです…
https://natalie.mu/eiga/news/347123

、、 でも、 小説のラートはあそこまで悪辣じゃないゾ… ジャンキーでもないし、、
リッター嬢の身の上も 小説とは違っていましたね、、。 TVのほうが 色々とよりスキャンダラスな設定になっているみたい…

 ***

、、と

来週も楽しみ、、 と書きたいところなのですが、、 ちょっと ぷち入院をしてくることになってしまいましたの。。。

せいぜい一泊二日くらいかも、、 と 思ったら、、 約一週間かな、、とドクターに言われ (ええーーーっ!) 、、 でも 心臓の手術ではないのでご心配なく、、。 奥歯を抜くのに(心臓の手術してるから)入院しないと抜けないのですって、、 それだけのことなんですけど。。
、、 できれば週末に帰って来たいものです。。 (発熱したら10日くらい留め置かれるそうで… いやん)


 ***




 「君の髪が好きだ」と彼は言った。「ありがとう… 協力してくれて。酒を飲んでくれて」
  彼女は真剣に身をのりだして彼を見つめ、今度は顔をよく見た。 言葉はもう彼女の皮膚の裏側にあって、いまにも出ようとしていた。 彼が言うのを忘れている名前を知りたかった。 「君の髪が好きだ」 彼は肩を壁にあてて、顔をあげようとしていた。 そこで目が閉じた。そうして何時間も深く眠り込んでしまった。 …



マイケル・オンダーチェの『ライオンの皮をまとって』(福間健二訳、2006年、水声社)より。
、、 オンダーチェの新作『戦下の淡き光』が8月に出たと知り、、 そういえば まだ過去のこの作品も読んでいなかったな、、 ずっと読みたいと思っていたの、、 あとまわしになって…

、、そう思い出して、 この秋はまず 『ライオンの皮をまとって』から読もうと思ったのです。 オンダーチェが 『イギリス人の患者』を書くひとつ前に書いた作品だそう、、 本の中に登場する人物にもつながりがあるのだそうで、、

先日、、 読み始めたら その詩的なイマージュに 『イギリス人の患者』を読んだ20数年前の気持ちが蘇ってきました。。 一文、一文を読みながら 頭の中に映像をむすぶ、、 その言葉が喚起するものの美しさをゆっくりとゆっくりと慈しむように読んでいきたいと思った事、、

、、 急の入院さわぎとなって ここ数日 本も途絶えたまま、、。 持っていくパジャマを探し出したり、、 家族の一週間分のアイロンがけをしたりで、、 いっそがしいこと…
、、 本は病院で読む時間がたっぷりあることを願って…


  不在のあいだに演じられる長い求愛がある。 たぶんこの求愛は、彼がどこかの塔や橋から眠りの中に落下していったときの、彼女の髪への彼の言葉か、彼女のほとんど無言の質問に、基づいている。 


、、病院のそばには金木犀の生垣があるの、、。 でも、先週はお花が見あたらなかった… これから? それとも もう先に?


病室にもし香りが漂ってきてくれたらいいのにな…