星のひとかけ

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10月になりました…

2017-10-03 | 文学にまつわるあれこれ(詩人の海)
夏のおわりに 椅子を買いました。

ずっと ずっと 長い間欲しかった松本民芸家具の一脚。
デスクワークの為でもなく、 ダイニング用でもなく、 ただ一脚、 窓辺に置いています。 
傍には、 写真立てや花瓶が置ける小さなチェストがあって、 そこに珈琲を置けば ひとりだけの喫茶スペース。。

喫茶店の「椅子」の好みについては、、 前にちょっと此処に書いたこともありました。 アーリーアメリカンのパイン材の明るさも良い、、 北欧家具のシンプルさも良いかもしれない、、 だけど 私には少し赤みを帯びた深い茶色の家具が 理想の家具。

ギターが好きな人なら、 ローズウッド(紫檀)の色に近いと言えばわかりますね。 松本民芸家具に使われているのは ミズメザクラ(水目桜)。 古代和歌に歌われた「梓弓」の「梓」の木がそれで、 堅く、しなやかで、美しい杢(モク)が出ます。 松本民芸家具のHPにくわしく載っています。
http://matsumin.com/

「いまさらに 何をか思はむ
 梓弓 引きみ緩へみ 寄りにしものを」 (万葉集 作者不詳)

(いまさらに何を思い悩みましょう、 梓弓を引いたり緩めたりするようにあれこれ思い悩んだ末に 心はすっかり寄り添っているものを…)

…という時代から、 古来、貴重な家具材として日本では使われてきたものだそうです。

 ***

とても、 とてもフォトジェニックな椅子なんですが 全体像はまだ内緒にしておきたい… そのかわり…


・・・脚だけ



・・・ 小人さんの散歩道。。 (カーブのある座面)


 ***

この椅子、 この色合いが いつでも目に入る場所にあることが、 こんなにも心に幸せをくれるとは、、 ずっと欲しかったには違いないけれど、 傍に置いて、 手で触れて、 艶や色味を眺めて、 こんなにも日々嬉しく、 心地良く、 また、ときめきまでくれるとは 思いもしませんでした。

ギターの大好きな人が (私も大好きですけど) マホガニーやローズウッドの、美しい塗装の下に透ける杢を眺めているだけで幸せになるような、、 そんな気持ちが分るかたなら、 感じていただけるかと。。。

… 私の78年製ギターも、 サイド&バック ローズウッド、 トップが単板セダーだけど、、 今でも胸元に抱えてみるだけで なぜかほっとするのは、、 何故なんだろう…
木が好き、、 ギターが好き、、 それとも 作った人の愛情が好き、、?




 ***

これから、 たびたび 写真の小道具に登場してくれると思います。






わたくしが
ちやうどあなたのいまの椅子に居て
あなたがわたくしを訪ねて来られましたとき
    ……アカシヤの枝ゆらゆらゆれる……
わたくしの云ひましたこと表情しましたことが
もしかあなたを傷つけはしませんでしたでせうか
    ……崩れて光る夏の雲……
それは今日わたくしが疲れやつれて
あなたをたづねて来たのでありますが
あああなたのことばやおももちは
いま数倍の強さになって
    ……風も燃え……
わたくしの胸を刺すのであります
    ……風も燃え
     禾草も燃える……

       (宮沢賢治)





(きょうのできごとのことは、、 まだここには書かない。。)

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