ケモケモ

天々のオマタには、固まった毛がケモケモになって生えています。
ずっと、「切りたいなぁ。」と、思いながらも、放っておいたのです。

今日は、何気に無防備な天々は、仰向けになって寝ていました。
「よし、今だ。」と、眉毛切りの小さなハサミを取り出し、天々に気付かれないように、マタを広げさせて切り始めました。
こういうとき、動物は、ものすごい勘を働かせるのです。
あれだけ、ぐっすり寝ていたのに、パッと目を覚まし、居住まいを正すのです。
「足を広げて。」と、無理やり寝かしつけて、ケモケモになった毛を切るのです。
天々と私の攻防になります。

まあ、結局、私のほうが体格的にも力があるので、天々は、されるがま毛を切られることになります。
「もういいよ。」と、放してあげると、一目散に逃げていきます。
天々は、ハサミが大嫌いなんです。
いくら小さなハサミでも、ハサミは、ハサミなんです。

何時間か、姿をくらまして、きっと怒っているのでしょう。
でも、ケモケモのままじゃあ、私がイライラするのです。
天々の機嫌が直り、またいつも通りの仲良しさんになるのは、そんなに難しいものではありません。
天々の衛生管理も私の重要な仕事のひとつなんです。