「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「石畳のオキザリス」

2014-05-23 00:59:08 | 和歌

 「うつろ庵」の庭の、石畳の間からオキザリスが芽生え、花を咲かせた。

 種子が何処からか風に乗って運ばれて来て、「うつろ庵」の石畳の間に落ち、其処がお気に召した様で根を張り、花を付けた。 何時もは無造作に歩いている石畳だが、オキザリスが芽生えて莟をつけ、花が綻めば、流石に踏みつけるのは憚られる。

 木漏れ日を受けて咲いた小花を傷つけぬよう、そっと跨いで歩く虚庵夫妻だ。
時にはしゃがみ込んで、小花との語らいを愉しむじじとばばだ。




           並べたる小石の隙ゆ何時の間に

           オキザリス咲くかな我がもの顏にて


           飛び石の間を埋める石畳の

           僅かな隙間に花咲かすとは


           何時もなら何も気にせず歩むのに

           そっと跨ぎぬ黄色の小花を


           じじばばに寄り添い咲くかなオキザリスは

           足をとどめて小花と語りぬ