野草のなかに、一群の紫の草花を見つけてカメラに収めた。
例によって、老眼鏡を携えていなかったので、ピンボケ気味だがご勘弁願いたい。
茎はかなりシャンとして、背丈は30センチ程もあろうか。
緑の野草に囲まれる中で、葉も花も殆ど同じ紫色に統一され、葉と花の重なり具合
なども、極めてユニークだ。
時には紫の花に出会うことはあるが、葉も含めて紫の装いの草花は、初めての出会いであった。 隣りには黄色の莟が控えていたが、色の鮮やかな対比に目を奪われて、黄色の莟がタンポポであったか否かすら、確認し忘れた虚庵居士であった。道端や野原で見かける様々な野草の中で、これほど紫を主張する草花に出会ったのは初めてだ。
帰宅早々、野草図鑑をひもといたが見当たらず、インターネットの様々なサイトを検索した結果、「西洋十二単・せいようじゅうにひとえ」、別名「セイヨウキランソウ」だと判明した。
園芸種として輸入され、一部が野生化したもののようだ。
花と葉が幾重もかさなるその様を
西洋十二単と呼ぶとは
紫の上にやあらむか花も葉も
紫づくしの君に見惚れぬ
それぞれの葉に添いあまたの花咲かせ
たぎる心は誰想うらむ