「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「茱萸の花と華」

2014-05-06 12:38:13 | 和歌

 「茱萸・ぐみ」の花を写してから、アッと云う間に2週間が経った。

 「うつろ庵の茱萸」に関しては、様々なことが想い出される。

 何年前になるであろうか、今は亡き清華義兄の高弟達が主催する書道展へ、賛助出品の依頼をうけて、茱萸の花を詠んだ歌を石材の「オカチメンコ」に揮毫して出品した。その時の作品が虚庵居士の居室に飾ってある。

 「オカチメンコ」とは、宮城県の 雄勝特産の天然スレート石で、屋根瓦に代る優れた屋根材だ。薄い頁岩を加工した屋根材は、小さな釘穴二つと下辺が丸く整形されているもの等、目の小さな不細工な顔が連想されて、「雄勝の面子・即ちオカチメンコ」と呼ばれ、東北地方では重宝されたものだ。

 東北電力・女川原発の建設に参加した当時、「オカチメンコ」を入手してあったので、それに白い胡粉と膠を使って、細筆で旧作二首(「茱萸・ぐみ」参照)を揮毫した 作品だ。

           この花に華はあらぬと人いうも

           君にや問わむ華とはなにぞと


           花を観て華なきというその人に

           見せばやぐみの華の姿を



 昨年は孫娘の璃華ちゃんと一緒に実を摘んで、美味しい「グミジャム」を作った。
御茶目で利発な璃華ちゃんは、ゴールデンウイークの今ごろは、パパ・ママと一緒に香港旅行を楽しんでいることだろう。

 茱萸は花が咲いてから、実が赤く熟すまではアッと云う間だ。それと同じで、子供の成長にも目を瞠る。6月早々には茱萸が熟すので、璃華ちゃんと一緒にグミジャムを食べる時には、どんな成長を見せてくれることか、愉しみだ。




           香港の旅行の様子を聞かむかな

           華ある孫のお土産話しを


           じじばばと会う度毎に心こめた

           お手紙下さる可愛い孫かな


           お手紙とお写真共に額に入れ

           朝な夕なの「ごあいさつ」かな