「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「三つ葉あけび」

2014-04-30 00:03:41 | 和歌

 「うつろ庵」のガレージの軒先に、「三つ葉あけび」が満開だ。

 ほんのチョットした遊び心で、ガレージの軒先に「三つ葉あけび」の蔓を絡ませたが、今や約8メートルのガレージ軒先を我が物顔に占拠して、青葉を茂らせている。



 「三つ葉あけび」の花は、「五葉あけび」に比べて紫色がかなり濃いのが特徴だ。
雄花(写真左)は花を房状につけて、団子状の蕊を剥きだして咲く。
雌花は花弁の中に、やがて「あけびの実」に育つ数本の子供を抱いて咲くのだ。
それぞれの子供の先端が濡れて光っているのは、雄花の花粉が付き易くするための粘着液だ。自然の逞しい知恵には、愕かされるばかりだ。



 道行く人が立ち止まり、見上げつつ、
 「沢山花が咲きましたね、あけびの実は生りますか?」 などと興味を示される。

 「三つ葉あけび」の実は太くふくよかなのが佳いが、まだ一つも生ったことがないのが誠に残念だ。何時の日か沢山の「あけびの実」が、ガレージの軒先にぶら下がるのを夢みる虚庵居士だ。




           ガレージの軒にあけびを絡ませて

           遊べば蔓延る逞しさかな


           あまた咲く花を見上げて問う人は

           あけびの実をば欲しげな素振りぞ


           ふくよかなあけびの実生れば手に取りて

           どうぞ召しませその日を夢みむ


           山づとの遊びを里の庵にて

           夢みて愉しむじじとばばかな