「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ブルーベリーの壺花」

2014-04-18 14:22:33 | 和歌

 「うつろ庵」の庭先に、「ブルーベリーの壺花」が咲いた。

 ブルーベリーは背丈が1メートル足らずの灌木だが、細い枝先のそれぞれに5・6個の壺花が、頬を寄せ合って咲くので、花は小さいがかなりの存在感がある。



 花の咲き初め頃は口を尖らせ、比較的に面長な顔立ちだが、日が経つと「ほっぺ」を膨らませ、「おちょぼ口」を開けたその表情が何とも愛らしい。色白のふくよかな壺花は、乙女等がほっぺを寄せ合って、楽しそうに囁き合う姿を連想させて微笑ましい。

 ダイニングテーブルで遅い朝食を摂っていたら、なんと小さな目白が飛んで来て、あろうことかブルーベリーの壺花を食べ始めた。ハッと記憶が甦った。ブルーベリーの壺花は小鳥たちの大好物なのだ。ブルーベリーの灌木をネットで被ったのを見かけ、不審に思って尋ねたら「小鳥よけデス」との回答だった。

 小鳥よけのネットは風情を損なうので、「うつろ庵」では小さな風車を取り付けた。




           それぞれの小枝の先に五つ六つ

           ブルーベリーは稚けなきかな


           口つぐみ細面に咲くブルーベリーに

           あすの乙女をまぶたに描きぬ 


           ふくよかなほっぺと小さなおちょぼ口に

           乙女の想いを おもほゆるかな