「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「オキザリスの羽毛」

2014-01-31 12:49:25 | 和歌

 庭先の鉢に、何時からか「オキザリス」が根付いて莟が綻びかけた。

 真冬で、花が少ないこの季節に可憐な花を付けるのだから、この花の逞しさには脱帽だ。花図鑑によれば、全世界に分布してその種類は、何と800種にも及ぶと云うから驚きだ。国境に関係なく、地球上の様々な人々に、この草花が如何に可愛がられているかの証しだ。

 肉眼で見た時には気が付かなかったが、画像にしてみて、初めて羽毛の存在に気付いた。改めて拡大鏡を携えて庭先に降り立ち、観察したら、葉の裏から縁にかけて、さらには花の萼の部分にもごく繊細な羽毛が生えていた。

 画像で見れば、真冬の寒気をこの羽毛が凌いでいるかの如く見えるが、虚庵居士の勝手な解釈かもしれない。「オキザリスの羽毛」はこの草花にとって、無くてはならぬ使命が秘められているに違いあるまい。

 翻って己自身は、無くてはならぬ存在であったろうか、そのような務めを果たしたであろうかと、つられて自問する虚庵居士であった。




           何時からか鉢に根付くやオキザリスは

           寒さ厳しき真冬に咲くとは


           稚くも緑葉ひろげその中に

           莟みをもたげ綻び初めにし


           オキザリスの莟みを歓び写真をば

           撮れども微細な羽毛に気付かず


           画像にはひかり輝く羽毛あれば

           拡大鏡持ち語らい重ねつ


           柔らかき羽毛の務めは何ならむ

           無くてはならぬ使命を帯びるや