「仙人の髭」と呼ばれる「仙人草の種」に出合った。
仙人草は花の後に、まことに愉快な髭付の種を付けるのだ。
この写真は接写したので、かなり拡大されているが、種の大きさはたかだか2ミリ程度であろうか。
髭が風に吹かれて種は遠くまで舞い、子孫を広く撒き散らそうとの、仙人草の逞しい知恵の姿をとくとご覧あれ。
仙人草の花は夙に散ったと思っていたが、あろうことか真冬の昨日、陽だまりに咲く仙人草に出会って愕いた。
偶々「仙人の髭」に出遭った直後だったので、感激も一入であった。
正月二日は、お書初めの日だ。
久方振りに筆を執って、「仙人の髭」二首を画仙紙半切に試筆した。
いと深く山谷越えて来つるかも
仙人舞ふらし白髭踊るは
しろたえの髭くねらせるは仙人が
幽居に舞ふらし藪に絡みて
藪に絡む仙人草と語らえば
白髭笑ひぬご機嫌よろしく