「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「うつろ庵の吊り羊歯」

2014-01-21 00:22:28 | 和歌

 「うつろ庵」の門被り松に、「吊り羊歯・つりしだ」 がお仲間入りした。

 毎年の歳末には、門被り松の手入れが「うつろ庵」の定例行事であるが、虚庵居士の加齢と共に剪定の日数が増えつつある。今回は青竹の取り換えも重なったので、都合半月程を愉しんだ。

 そんな「うつろ庵」の門被り松に、お仲間が加わった。
路地散歩の途上、羊歯を丁寧に手入れされているお宅の前で、見事なお手入れに虚庵夫妻が見惚れていたら、奥様が笑顔で出て来られて、「よろしかったら吊り羊歯をどうぞ」と云いつつ、袋に入れて下さった。

 帰宅後、門被り松の青竹に早速「吊り羊歯」をつるした。
昼下がりの陽を浴びて、羊歯の葉がゆったりと回転する姿は、天女の舞いを観る 
思いであった。




           年ごとの松の手入れは大儀なれど

           自ら愉しむ 半月なるかな


           このたびは青竹までをも切り出だし

           松の整枝を愉しむ日々かな


           路地裏を辿れば羊歯をいつくしむ

           門に至りて見惚れるじじばば


           じじばばの姿に笑みを湛えつつ

           奥方出できぬ朋にあらずも


           吊り羊歯がお気に召すならと袋にぞ

           入れて給わる思ひにしびれぬ