「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「空き家の草原」

2014-01-17 01:03:15 | 和歌

 殆んど歩いたことのない住宅街の一画を、久しぶりに散策して愕いた。
かなりの広さの庭園が枯草で埋め尽くされ、草原風に変貌していた。枯草は午後の陽ざしを受けて、草穂が風に靡く風情は大草原を思わせるではないか。

 これだけの草穂が庭園を埋め尽くすのは、少なくとも半年以上、管理が行き届かぬ空家に違いあるまい。駅から遠いなど交通の便が悪い地域では、築後年数を重ねた旧家に空家が目立つ昨今だが、環境条件が整った住宅街での「空家の草原」には
愕いた。

 住み人の転勤など拠所ない事情で、管理が疎かになっているのかもしれないが、自然の営みはそんな人間の事情に関わりなく、たちまち草を蔓延らせ、草原を為すのには感嘆であった。

 蔓延る草ぐさの逞しさを、か弱い人間共は学ばねばなるまい。




           何時の間に芝生が枯れ穂の草原に

           変貌するとは愕き見入ぬ


           陽を浴びて草穂が靡く草原か

           住宅街の空家の庭には


           陽を浴びて煌めく草穂は持ち主に

           呼び掛けるらし とく帰りませと


           住み人の留守を守るや草穂らの

           その数増すは警護の固めか


           西日浴びて共にきらめく草穂かな

           住み人待ちわぶ語らい重ねて