「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「師走の八つ手」

2013-12-26 23:03:02 | 和歌

 朝夕の師走の寒気が、身にしみるこの頃だ。

 襟を窄め、身を縮めて前屈みに歩く姿が目立つが、寒気にも拘わらず、八つ手の姿には凛としたものが感じられる。 広い葉を拡げ、白い莟と花を咲かせる姿には、毎年のことながら多くの英気を頂戴する虚庵居士だ。

 これだけの寒気に堪える白い莟と花、そして大きな葉は、八つ手の身に蓄えられた自らのエネルギーが在ってのことであろう。
それに引き替え、日本のエネルギー危機はどうか?? 

 日本の窮状を憂う世界の識者の言葉に、耳を貸したい;
「日本はなぜエネルギー危機を背負込むのか? 原発の活用以外に道はない!」 
「化石エネルギーに頼れるのは、今世紀前半までだ! 日本は福島事故を活せ!」
「福島事故は人類の貴重な教訓だ。日本は原発再起動で、世界への貢献をせよ!」

 八つ手の逞しさにつられて、我が国のエネルギー安全保障の根源を憂う、識者の言葉が想い出された。 発言した方の記憶が定かでないのでご勘弁を願いたいが、やむにやまれず日本の窮状に苦言を呈した、彼らの思いを真摯に受け止めたい。





           手を拡げ寒気に堪える八つ手には

           生きる姿を今年も観しかも


           しろたえの莟と花とを吹き荒ぶ

           寒気に曝す八つ手に敬服


           厳しくも我が児に試練を与えるか

           師走に花咲く八つ手のこころは


           身を護り莟と花とを寒気から

           まもるは何ぞ 熱き思ひか


           熱きもの秘めにし八つ手に学ぶべし

           日本の乏しきエネルギー事情は


           事故を経てなおも世界の国々が

           日本に寄せる期待に応えよ


           識者らの厳しき言葉に耳を貸して

           行く末思ふ次の世代を