「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「くろがねもちの巨木」

2013-12-14 11:06:47 | 和歌

 晴天に恵まれて、「うつろ庵」から山の上の防衛大学校まで散歩した。
距離は片道3キロ程度だが、山の上までの登り道はかなりキツイ。途中で休みながら、やっと正門まで辿り着いた。

 かつては裏門から構内に入って、気楽にキャンパスを散策したが、最近は守衛さんの監視が厳しいので、正門で折り返すことにした。

 それにしても、正門右手の巨木は見事だ。
根元の太さは、大人が両手を拡げて3人がかりもあろうかと思われた。

 

 巨木を遠くから見上げて、更に驚いた。
下枝から梢まで、葉の間の紅は花かな? 赤い実だろうか? 巨木全体を、ビッシリと彩っていた。
一瞬、椿か山茶花かと思われたが、花にしては些か大きさが違うようだ。暫らく眺めていたら、「黒金黐・くろがねもち」の紅の実だと判明した。かつて樹木図鑑で黒金黐を調べた際に、「20メートルを超える巨木もある」との記述があったことがふと思い出されて、なるほどと肯いた次第だ。




           防大の巨木を見上げて佇めば

           国の衛りと 嘯く風情ぞ


           防大の学生達を励ますか

           巨木は逞し無言なれども


           見上げれば梢の先まで紅の

           花を付けるや巨木なれども


           花かしら巨木の紅 眺むれば

           記憶が戻りぬ「黒金黐」ぞと