晴天に恵まれて、「うつろ庵」から山の上の防衛大学校まで散歩した。
距離は片道3キロ程度だが、山の上までの登り道はかなりキツイ。途中で休みながら、やっと正門まで辿り着いた。
かつては裏門から構内に入って、気楽にキャンパスを散策したが、最近は守衛さんの監視が厳しいので、正門で折り返すことにした。
それにしても、正門右手の巨木は見事だ。
根元の太さは、大人が両手を拡げて3人がかりもあろうかと思われた。
巨木を遠くから見上げて、更に驚いた。
下枝から梢まで、葉の間の紅は花かな? 赤い実だろうか? 巨木全体を、ビッシリと彩っていた。
一瞬、椿か山茶花かと思われたが、花にしては些か大きさが違うようだ。暫らく眺めていたら、「黒金黐・くろがねもち」の紅の実だと判明した。かつて樹木図鑑で黒金黐を調べた際に、「20メートルを超える巨木もある」との記述があったことがふと思い出されて、なるほどと肯いた次第だ。
防大の巨木を見上げて佇めば
国の衛りと 嘯く風情ぞ
防大の学生達を励ますか
巨木は逞し無言なれども
見上げれば梢の先まで紅の
花を付けるや巨木なれども
花かしら巨木の紅 眺むれば
記憶が戻りぬ「黒金黐」ぞと