「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「夕陽に映える」

2012-08-01 00:36:40 | 和歌

 「うつろ庵の台湾連翹」が、夕陽に映えて涼やかであった。

 終日パソコンの前に座っていた虚庵居士は、気晴らしを兼ねて散水をしようかと、屋外に出た。連日、30度を超える熱暑の毎日に辟易であるが、散水後の庭の涼しさは堪らない。今日も夕涼みと、棺桶ベンチでのビールが恋しくなって、先ずは散水をしようとの目論見だった。

 西に傾いたとはいえ、強い陽射しに忽ち汗が噴き出した。
それに引き替え台湾連翹は、珊瑚樹の生垣の間から身を乗り出して咲いているが、夕陽に映えて、いたって涼やかであった。

 かつて虚庵夫人が絽の一重を着込んで、誠に涼しげな表情だったので、
「真夏に和服を着て、汗もかかぬとは・・・」 と感嘆したら、
「女性はそれなりの心構えがあれば、汗は出ないのよ」
と、いとも涼やかに言ってのけたことを思い出した。


 


          日に何度 シャワーを浴びるや吹きいずる

          汗とたたかう虚庵居士かな


          庭の木も喉乾くらむこの熱暑に

          ビールも飲みたや爺に付き合い


          西の方 陽は傾けどこの熱暑に

          台湾連翹 涼しく咲くかな


          わぎもこは絽の一重とはいいながら

          いと涼しげ着る夏のさ中に 


          この花はたしなみ知るべし熱暑にも

          こころをしずめて 涼やかにさくとは